いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ロシアと北朝鮮の主張。 assertion of Russia and North korea

2019-01-15 20:04:30 | 日記
 (1)ともに国家間の懸案を抱える日本とロシア、北朝鮮、ロシアは北方4島について第2次世界大戦の結果として合法的にロシア領になったと主張しており、今回の日ロ外相会談で日本側の見解を求める方針(報道)だ。

 日本は北方4島は日本「固有の領土」として「ロシアの主張は受け入れられない」(外務省)として返還を求めている。
 安倍首相はこれまでの4島一括返還から2島返還に極東経済協力に方針転換したとも伝えられてプーチン大統領と頻繁に会談を重ねているが、ロシア側からは返還に否定的な意見が伝えられて、今回の外相会談では北方4島の呼称を変えるよう(報道)求められている。

 (2)今回のロシアの主張に対する日本側の見解要求で返還方式、交渉を(あるいは返還しない方式を)優位に進める意図もみえて、2島返還方式の日本にとってもむずかしい対応に迫られそうだ。
 日本の「固有の領土」といっても「その先」はどうだったのか、歴史的に実効支配した結果としての自国領土というなら、ロシアの主張も同じ論理上にある。

 中国との尖閣諸島領有権問題でも「その先」まで論じればどうだったのか、中国は以前歴史的に中国の領土だったとの主張も展開しており、固有の領土概念もどこまでさかのぼるのか限りがないことになる。

 (3)ロシアが北方4島が第2次世界大戦後に合法的にロシア領になったと主張しながら、引き分け論(2島・2島分離論)など返還に言及するのは矛盾するようにもみえるが、これまで北方4島返還は「返還」ではなくロシア側の「禅譲」だとの意見を述べたこともあり、合法的なロシア領方針を裏付けるものだ。

 しかし領土を合法的に自国に編入したとはいえ、その権利を他国に譲るなどとは通常理解できない論理であり、主権論からは矛盾した論理展開でもある。

 (4)北朝鮮は日本政府に対して国交のあるモンゴルを介して、日本が拉致問題にこだわり続けるなら日本のアジア植民地支配時代に徴用されるなどした北朝鮮半島出身者の「強制動員」問題を取り上げる(報道)と伝えてきていることがわかった。

 日本人拉致問題は、北朝鮮前金総書記が当時訪朝した小泉首相に対して北朝鮮の犯罪行為であること(国家としては関与していないとも述べた)を自ら認めた経緯があり、5人の日本人拉致被害者の帰国につなげたがその後は現体制でも解決に向けて進展をみせていない。

 (5)旧日本軍によるアジア植民地支配時代の「強制動員」問題は以前日朝事務担当者の話し合いでも北朝鮮側から伝えられたこともあってあたらしい主張でもないが、韓国の元徴用工訴訟での日本企業の社有財産の差し押さえが報じられて日本も韓国に協議を求めていることを受けて、同様の対抗策に出たものとみられる。

 日本政府は元徴用工、強制動員問題は戦後政治決着していると主張している。北朝鮮側は拉致問題は国家とはかかわらない一般犯罪行為という主張なのだろう。

 (6)日本側が仮に「強制動員」問題が韓国元徴用工問題同様にすでに政治的に決着していると主張するなら、北朝鮮側の拉致問題は解決済みとこれまた同じ論理展開を踏襲することになるだけだ。

 ともにむずかしい歴史問題を含みながら、それでも当事国同士が継続して話し合うことは基本であり、機会をとらえることは必要なことだ。
 

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