いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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トランプ米国の人権発言。 speaking of personal rights from usa

2019-01-22 19:51:10 | 日記
 (1)米国トランプ大統領になって大きく変わったものは多くあるが、共産、社会主義国に対して民主主義、自由主義国の基本理念である「人権」(personal rights)問題を指摘しなくなったことだ。

 中国とは経済貿易戦争でしのぎを削っているが(中国は28年ぶりの低成長で米国との経済ケタ違いの影響が出始めた)これまでのように人権抑圧問題への攻撃は聞かれない。

 (2)北朝鮮とは核実験中止、非核化を巡って米朝首脳会談を開催し、その後北朝鮮が核実験、ミサイル発射を実施していないことを受けて北朝鮮金正恩委員長を持ち上げて非核化に向けて良好な関係を強調しているが、その国民生活の窮状はどうなっているのか米国がこれまで展開してきた人権抑圧批判の声は聞かれない。

 そもそも人権問題は国内問題であり、中国などからは内政干渉と批判、反発を受けている。トランプ大統領になって米国の人権抑圧批判発言が聞かれないのは、トランプ大統領そのものが米国で黒人迫害に寛容な姿勢をみせて自らは女性人権問題で批判を浴びていることも影響している。

 (3)トランプ大統領になって米国の海外戦略は保護主義、売国第一、経済至上主義であり中国などへの人権抑圧批判は影をひそめて、北朝鮮とも米国射程の核実験、弾道弾ミサイル発射実験で米国への脅威ばかりが問題となって金委員長の国民生活抑圧、貧窮問題への批判は聞かれない。

 北朝鮮国内情勢は伝わってくることはないが米国は日本などとの北朝鮮経済制裁は継続されて、北朝鮮の米国との非核化交渉は経済制裁緩和、解除が目的ともみられており、トランプ大統領は北朝鮮との非核化交渉を続ける中で従来の経済制裁は継続すると述べているが国連安保理で協議されることはなく世界は北朝鮮の非核化に焦点が移っている。

 (4)その北朝鮮の非核化問題は昨年の米朝首脳会談で合意ではなく目標とされてあいまいなままで進展せずに、今年に入って2回目の米朝首脳会談の準備が進められて北朝鮮高官も米国入りして協議を続けているものとみられる。

 昨年の米朝首脳会談もトランプ流の話題づくりが優先して準備不足があきらかで、焦点の北朝鮮非核化も目標どまりであいまいなものとなった。
 今年に2回目の米朝首脳会談が浮上してきているが、協議の目的、意図に前進はなく、その間に米国トランプ政権では外交交渉に重要な役割の国務長官、国防長官が相次いで辞任、交代しており、政策の一貫性も危ぶまれている。

 (5)今回2回目の米朝首脳会談もトランプ政権が昨年末からの米議会下院優勢の民主党による壁建設費用への反対で予算失効が長期化して連邦政府の一部閉鎖が続く中で、米朝首脳会談に活路を求める目論みがみえて会談の実効性には疑問がある。

 トランプ大統領は北朝鮮の非核化目標を受けて金委員長を持ち上げているが、だから会談ペースは北朝鮮ペースともみえて米国内の不満の耳目をそちらに向けさせられるのか心もとないものだ。

 (6)トランプ大統領が人権問題を言わなくなり(個人資質として言えなくなりか)、北朝鮮の国民生活の窮状がどうなっているのか伝わってこない中で北朝鮮の非核化目標だけで北朝鮮現体制を評価、擁護するかのトランプ流儀では朝鮮半島問題の解決には向かわないだろう。

 確かに人権問題は国内問題として内政干渉の反発を招くものではあるが、拉致問題を抱える日本、世界の人権擁護勢力としてはトランプ流儀に信頼と実効性に欠け危うさがみえるだけだ。

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