いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

医師の反乱。 rebellion of doctors

2019-01-17 19:52:26 | 日記
 (1)政府の働き方改革で医師の残業規制が適用除外として問題となっていたが、このほど厚労省が年1900~2000時間を上限とする案を示した。働き方改革の一般労働者の2倍にあたる。
 働き方改革で適用除外となったように医師というのは病気の人、患者を診療する、治療する義務が法律で定められており、手術をした患者の様子、容体についてフォローしなければならずに、また病気は時、場所を選ばないのでいつ何時でも呼び出されて対応しなければならない24時間体制の職業の使命、宿命を負う。

 (2)かって現天皇の心臓バイパス手術を行った順天堂大学医学部天野篤教授は、TVドキュメンタリーで複数患者の手術経過をそれぞれのモニター画面で見ながらバナナなどで食事をすますという苛酷な業務が紹介されていた。

 極めて精度の高い医療技術、信頼を持つ特定医師は、難病手術に対しては他の医師に代われない特殊事情もある。数年先まで手術予約があるともいわれて、自ずと昼夜を問わずに長時間業務が続いて過重負担を負うことになる。

 (3)代わりになる医師がいれば問題はないが医師不足が伝えられて、24時間体制の病院では限られた医師でやりくりすることになり医師一人当たりの業務時間は増えていくことになる。
 専門家の話では毎年医系大学から一定の卒業生が出てインターンを経て医師になっていくわけだから基本的に医師不足はないと解説して、問題は大都市圏の設備、環境が整った大学病院などに医師志願が集中して地方、過疎地域の病院では医師不足が深刻な状況になっているインバランス(imbalance)が問題だと指摘している。

 (4)医学、医学系大学はかっては象牙の塔といわれて、一実力医師、教授が全権を掌握して支配して権威主義による膠着(こうちゃく)した体質、体制をつくりあげて批判されたことがあった。現在もその体質は改善されたとはいえずに医学、医学系大学に権威主義が影響力を持ち、医師のインバランス、医師不足が問題になっているのが現実だ。

 (5)冒頭問題に戻ると、医師の特殊職業意識、宿命からすれば誰でも代わりが務まるものではなく、特殊、特定技術、技能医師に負担は集中する宿命にはあり、長時間業務、労働は避けられない。 医師は病人、患者の診察、治療を拒否できないので、一般労働者とは労働環境、条件が違う労働階層でありやむを得ない業務環境にはあるが、産休も取れない、1日の睡眠時間が2~3時間の不規則業務という極限、過重業務体制が許されるわけもなく、そういう病院、業務体制から医師不足で受け入れ要請の病院に代わる「医師の反乱」(rebellion of doctors)行動も必要だ。

 (6)問題の根源を解決して、何としても医師の病人、患者を救う義務と医師の過重業務、負担回避は国をあげて両立しなければならない責任がある。

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