(1)滋賀県知事選は現職女性知事が支援する前民主党衆院議員が自民、公明推薦の元官僚候補を接戦の末に破って初当選した。
当初、段々と支持率は下降気味ではあったが野党と比較して桁違いの断然優位を維持する安倍内閣を支える自民党が推薦、支援する元官僚候補が優勢と伝えられていたが、知名度をいかした現職女性知事の全面支援のもとに前衆院議員が接戦を制して当選を果たした。
安倍首相はこの結果に「集団的自衛権」が影響しなかったかと言われれば、そうではなかったとは言えない(趣旨発言)と敗因にあげた。
(2)知名度の高い現職女性知事がその後継者として全面的に支援して、その現職知事も在職中は「卒原発」を掲げて注目を集めて特に欠点もない無難な県政運営を実施してきたのだから、やはりその全面支援を受けた前衆院議員候補者は順当な勝利だったというところだ。
安倍首相も認めるように集団的自衛権問題が選挙結果に影響したとの見方はメディアでも見られたが、地方首長選挙でもありそんなに色濃く集団的自衛権への政府、与党の強引な国会政治手法が投票行動に結び付いたとの印象は強く感じられない。
(3)集団的自衛権の行使容認論議が国会レベルに終始して国民的関心、課題、論議として発展していない現状から、選挙結果への因果関係は少ないと見るのが自然だ。
地方首長選では特に失点もない現職女性知事の後継者としての全面支援効果が大きかったのではないのか。
地元ではそれなりの盛り上がりはあったのだろうが、政府、与党の強引、独断の国会運営が批判を受ける中での知事選としてはどちらかといえばもの静かな印象はある。
(4)国民を無視して集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、将来の重要なベースロード電源に原発再稼働を表明する政治状況の中で、「卒原発」を掲げる現職知事の路線を引き継ぐ候補者が自民、公明推薦候補と争う知事選という構図ほどに世間の注目は大きくなかった。
やはり自分のこと以外には我関せずの小市民的(the petite bourgeoisie)な国民意識が反映された地方知事選といえるものだ。
(5)11月には普天間飛行場の辺野古移設が争点となる沖縄知事選が実施される。辺野古沖埋め立てを認可した現職知事が3選を目指して立候補する意向を示しているので、こちらはモロに長年の沖縄懸案である課題(米軍基地の県外移設)の辺野古移設を巡っての国民的関心の高さの中で歴史的な知事選が予想される。
辺野古埋め立てを認可した現職知事の3選を現在のところ自民党本部が支持しないという(県連は支援の意向と分裂)、要件使い捨て勝てる候補者探しの沖縄選挙事情もあって複雑化している。
(6)ここでも「県外移設」を主張してきた公明党に配慮しての自民党のご都合主義だが、選挙カードを換えても米軍基地集中の責任を押し付ける政府に反発する沖縄では争点が明確な知事選は自民党にとって極めて厳しいものが予想される。
ここで「良識」が示されなければ野党不在の中で安倍政権の暴走を止めることなど難しいことになる。
当初、段々と支持率は下降気味ではあったが野党と比較して桁違いの断然優位を維持する安倍内閣を支える自民党が推薦、支援する元官僚候補が優勢と伝えられていたが、知名度をいかした現職女性知事の全面支援のもとに前衆院議員が接戦を制して当選を果たした。
安倍首相はこの結果に「集団的自衛権」が影響しなかったかと言われれば、そうではなかったとは言えない(趣旨発言)と敗因にあげた。
(2)知名度の高い現職女性知事がその後継者として全面的に支援して、その現職知事も在職中は「卒原発」を掲げて注目を集めて特に欠点もない無難な県政運営を実施してきたのだから、やはりその全面支援を受けた前衆院議員候補者は順当な勝利だったというところだ。
安倍首相も認めるように集団的自衛権問題が選挙結果に影響したとの見方はメディアでも見られたが、地方首長選挙でもありそんなに色濃く集団的自衛権への政府、与党の強引な国会政治手法が投票行動に結び付いたとの印象は強く感じられない。
(3)集団的自衛権の行使容認論議が国会レベルに終始して国民的関心、課題、論議として発展していない現状から、選挙結果への因果関係は少ないと見るのが自然だ。
地方首長選では特に失点もない現職女性知事の後継者としての全面支援効果が大きかったのではないのか。
地元ではそれなりの盛り上がりはあったのだろうが、政府、与党の強引、独断の国会運営が批判を受ける中での知事選としてはどちらかといえばもの静かな印象はある。
(4)国民を無視して集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、将来の重要なベースロード電源に原発再稼働を表明する政治状況の中で、「卒原発」を掲げる現職知事の路線を引き継ぐ候補者が自民、公明推薦候補と争う知事選という構図ほどに世間の注目は大きくなかった。
やはり自分のこと以外には我関せずの小市民的(the petite bourgeoisie)な国民意識が反映された地方知事選といえるものだ。
(5)11月には普天間飛行場の辺野古移設が争点となる沖縄知事選が実施される。辺野古沖埋め立てを認可した現職知事が3選を目指して立候補する意向を示しているので、こちらはモロに長年の沖縄懸案である課題(米軍基地の県外移設)の辺野古移設を巡っての国民的関心の高さの中で歴史的な知事選が予想される。
辺野古埋め立てを認可した現職知事の3選を現在のところ自民党本部が支持しないという(県連は支援の意向と分裂)、要件使い捨て勝てる候補者探しの沖縄選挙事情もあって複雑化している。
(6)ここでも「県外移設」を主張してきた公明党に配慮しての自民党のご都合主義だが、選挙カードを換えても米軍基地集中の責任を押し付ける政府に反発する沖縄では争点が明確な知事選は自民党にとって極めて厳しいものが予想される。
ここで「良識」が示されなければ野党不在の中で安倍政権の暴走を止めることなど難しいことになる。