いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

都知事選、堅実型。 it's solid style for election of the metropolitan governor

2016-07-14 20:00:57 | 日記
 (1)政治指導者というのは理念、政策、哲学で行く方向性、目指す国家、地域、社会が決まるので、誰が政治指導者になるのかは重要な問題を含んでいる。
 長く続いた自民党単独政権は、公共事業による利権政治、既得権益保護により経済、社会、企業との利害関係を利用して、自らの権力構図、利益を支配してきた。

 これにより高度経済成長を主導して雇用、賃金上昇により国民生活を安定向上させ、農業過保護政策で保守層の高い支持を基盤にしてきた。

 (2)09年に自民党長期政権に代わって本格的政権交代を果たした当時の民主党政権は、公共事業の見直し、廃止、高速道路無料化、高校授業料無償化、事業見直し刷新と経済界とのゆ着構造見直し改革に目を向けて、社会資本の国民分配政策に転化して革新的な政治、国民生活の質の転化をはかろうとしたが、デフレ不況下、財源の裏付け、見通しの甘さが露呈して政権自己崩壊により国民の失望を買った。

 (3)それに代わった自民党連立の安倍政権は大胆な金融緩和策で従来のカネの2倍を市場に供給して円安株高効果を招いて、10年以上続いたデフレ不況からの脱却を目指して一時的には企業業績の回復、賃金上昇、雇用改善社会を実現させた。

 それぞれに目指すべき時代、国家、社会、生活があり、期待に応えたもの、失敗したもの、失望したものがある。

 (4)猪瀬前々都知事、舛添前都知事と続けて政治資金不正問題で責任をとって辞職したあとを受けて、都知事選が告示された。政見放送以外ほとんど選挙運動をしなかった青島元都知事以来、週に3日程度しか登庁しなくて実務のほとんどを副知事にまかせていた石原元都知事、その副知事として後を引き継いだ作家出身の猪瀬元知事、週末の別荘通いに公用車を使い公私混同と批難された舛添前知事と知名度頼りの都政の問題、混乱が続いて、北欧国の年間予算並みの税収源を持つ東京都にとっては、極端にいえば都知事は誰であっても都政は動くということでもあった。

 (5)今回、舛添前知事辞任のあとを受けての都知事選に立候補したのは小池百合子さん(63)、増田寛也さん(64)、鳥越俊太郎さん(76)ほかでこの3人の争いの構図となって、小池さん、鳥越さんはともにメディア出身で露出度、知名度も高く、増田さんは岩手県知事から総務大臣も就任して人口減少、東京一極集中による地方都市の消滅危機をデータ分析で提示して話題性も高く、一見これまでの都知事選とあまり違わない構図となった。

 (6)政治指導者、都知事として東京都をどういう方向に目指そうとするのか、政治、行政手腕が問われるが、報道による主張では3人に共通して待機児童解消、ゼロをあげて、行財政改革(小池)、少子高令化対策(増田)、首都直下地震対策(鳥越)など従来型(customary style)で目新しいものは見られない。

 共同記者会見でも最近の都知事選事情を考慮して政策よりは資質をアピール(報道)して、これまでの知名度頼りの空虚な都知事選から脱却したとは言えないものだった。

 (7)理念、政策、哲学で東京都の抱える課題、問題について目指す方向性を示してほしかった。あたらしい時代の都知事像としては知名度は高くても堅実型(it's solid style for election of the metropolitan governor)というところか。

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ハーグの仲裁裁判所。 a court of arbitration in hague

2016-07-13 20:18:07 | 日記
 (1)国連海洋法条約に基づくハーグ仲裁裁判所(a court of arbitration in hague)の判決がこれほど効力を持つものだとは思わなかった。
 国連安保理は、常任理事国の米国、ロシア、中国に拒否権が与えられてこれらの国に不利益になることについては拒否権が行使されて、合意に至ることはなく国連安保理の役割が形がい化して国連の仲裁力、存在力の無力ばかりが目につく。

 (2)国際間の紛争を解決する国際司法裁判所は当事国がともに提訴を承諾しなければ受け付けられない制度なので、これも不利益な状況の国、地域は当然のように拒否するので実効力を持たない。
 たしかにそうでもしなければ、世界で毎日どこかで紛争、内戦が続いているカオス(khaos)の世界の中では、国際司法裁判所の訴訟役割は息つく暇もないことになるから当事国問題解決に委ねるのは致し方のないところだ。

 (3)それに比較してハーグの仲裁裁判所は提訴国は相手国に通知する(報道)だけで裁判を始めることができる上に、判決は最終判断として拘束力があり上告はできないからとても実効力のある制度となっている。

 中国は経済力、軍事力の発展強化を背景に海洋進出を強め、南シナ海ほぼ全域の岩礁を埋め立てて軍事基地化を進めて領域化している。

 (4)中国はGDP世界第2位の経済成長を背景に貿易海路を確保して海洋進出を進めて国益保護南下作戦を進行中だが、同じく南シナ海に面するフィリッピン、マレーシア、ベトナムと海洋紛争をくり返してきた。

 同じく東シナ海尖閣諸島を巡っても実効支配し日本固有の領土と主張する日本と領海、領空侵犯をくり返して緊張関係が続いている。

 (5)中国は世界三大文明の発祥地として古くから何千年にも及ぶ歴史を有する国であることを背景に、南シナ海、東シナ海の古代からの「歴史的権利」(報道)を主張して中国の領域であることを古くからの古来の権利として主張している。

 東シナ海の場合は、尖閣諸島の海域に石油、ガス天然資源が多く埋蔵されていることが発見された70年代あたりから突如中国の領土と主張し始めたといわれて、前述のように中国古来の「歴史的権利」による領海化を主張して日本と対峙している。

 (6)南シナ海でも近年になって、それは経済成長、発展にともなって自由貿易海路を確保するために埋め立て軍事基地化して中国領域化を主張し始めて、周辺国との緊張関係をつくり出している。

 海洋というのは本来は世界共有の財産、資産であり、自由航海、航行、資源の保護、共有性を確保するために公海、領海規定で海路確保を保障しているものだ。

 (7)仲裁裁判所はそうした特に島国の自由航路を確保するために提訴も相手国に通知するだけで手続きを保障しているものだ。
 中国は抽象的な実証力のない歴史的権利を主張して今回の仲裁裁判所の判決には従わない、受け入れない(報道)としているが、これが最終判決でもあり、米国の南シナ海の自由航行作戦などにこれまでのように軍事力による対抗(counterplot)だけでは国際社会の反発を強く招くだけで中国の立場をさらに悪くすることになる。

 (8)ハーグ仲裁裁判所の判決効力とはそういう良識、判断、影響を持つということだ。

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初めての投票権。 the first right of vote

2016-07-12 19:57:15 | 日記
 (1)今回の参院選はおかしな選挙だった。安倍首相が直前に来年4月の消費税10%引き上げを2年半先送りすることを発表して、本当は衆院を解散して衆参同時選挙で国民の信を問うはずが(参院でも改憲勢力の3分の2以上の議席確保を目指して)、世界的な円高株安による経済状況の不安定を受けて折角の衆院与党3分の2以上の勢力保持のリスクの大きい衆院解散を回避して、参院選を消費税引き上げ先送りの(本来は衆院選で使われる)信を国民に問う選挙と言い出した。

 (2)安倍首相は今回参院選で改憲発議に必要な3分の2以上の議席確保を目指しながら、選挙戦中はアベノミクスの成果、経済政策に焦点を絞り、改憲論議は一切封印(報道)した。

 これに対して野党は1人区で候補者一本化調整をして、与党の3分の2議席阻止を重要テーマとして掲げて選挙を戦い、安倍政権の(改憲論議封印の)争点隠しを批難するばかりの構図となった。

 (3)安倍首相はアベノミクスは道半ばとして、さらにエンジンを「ふかし」て地方、中小企業、国民にも効果を波及させるというが、具体的な政策公約はこれまでと変わり映えもせずに説得力に欠けるものだった。

 野党は野党で数(票)の合算に重きを置いて与党3分の2阻止で、経済政策の対抗軸も打ち出さない平凡な選挙に終始した。結果は自民党が躍進するというよりは改憲勢力が順調に議席を増やして参院でも改憲勢力で3分の2以上の議席を確保して、安倍与党の勝利となった。自民党としては支持率、事前評価の高さから見ればほどほどの勝利だった。

 (4)選挙は議席、勢力拡大を争うものではあるが、その中身、どういう政策を実行して日本の安全、政治、経済、社会、国民生活にどういう影響を与えてくのかを国民に示して判断を求めるものでもあるが、今回選挙の中身は争点隠し、相手批難の空虚な(empty)論戦としか言いようのないものだった。

 (5)投票率はこれまで低下、低下と来ていたものが、今回は54.70%で前回参院選をわずか(2%)でも上回った。空虚な選挙戦論戦前の期日前投票が大幅に伸びた効果で、今回から投票権が18才まで引き下げられた効果が期日前投票に出たと考えられる。

 その18,19才投票率は45.45%(報道)で全体投票率より9%強下回った。選挙前の高校生有権者を対象にした選挙教育が話題を集めていたが、初めての投票権行使で判断となる候補者とりわけ与党首相、野党代表の政策公約の主張が空虚なものとなって、改憲勢力3分の2議席ラインがひとり歩きして相手批判ばかりでこれで投票に関心を持てといわれても無理がある。

 (6)さらに候補者は広い選挙区の中で票になる地元支持基盤中心の選挙運動を展開して、地域によってはほとんど候補者の声を聞くことはなかった。
 いきなり初めての投票権の選挙がこういう状況、事情の中で投票率45.45%は初回投票効果としては見るべきものがあったと言っていいだろう。

 ただし今回の空虚な選挙戦を経験して、今後さらに18,19才の投票率が増える可能性には疑問符が付く。
 
 (7)1票の価値の重みは、少子高年令化社会で比較投票率の高い、人口比率の高い高年令者層に対して、これから長く負担と責任を負っていく人口比率の低い若者層の意思、意見を公平、公正に比較広く反映させる効果であって、若者層にはその意義をよく考えてもらいたい。

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自民党勝利もほどほど。 victory of LDP in moderation

2016-07-11 20:25:29 | 日記
 (1)自民党1強時代で参院選挙戦中は自民党だけで単独過半数獲得(61議席)との見方もあっただけに、今回参院選自民党56議席(改選50)の結果は思ったほどの「強さ」でもなかった。

 公明党、おおさか維新の会もそれぞれに5議席増やしているのだから似たり寄ったりのむしろ圧倒的な自民党の政党支持率の高さからみれば比較不満も出るところだ。
 現職閣僚2名も落選して、ともに東日本大震災、原発事故からの復興の福島と米軍基地問題の沖縄という安倍政権にとって政策課題の克服が難題となっているところだけに、国民の強烈な政府批判と受け取られて考えなければならない結果だ。

 (2)政権党を決める国政選挙(衆院選)でもなく、野党が1人区で候補者一本化調整をしたこと、無党派層(nonparty)の票が野党に流れた(報道分析)ことなど自民党にささやかな逆風(against the stream)も流れたと見るべきで、安倍首相も改憲勢力で3分の2以上を獲得したと喜んでばかりはいられない結果とみるべきだ。

 安倍首相が意欲を見せる憲法改正問題で強引さが「再々」見られるようだと、今回野党に流れた無党派層の投票行動が今後の国政選挙で「反自民」、「反安倍」へとさらに結集する要素をはらんでおり、今回の参院選の特徴ともいうべき現象だ。

 (3)民進党は改選46を15議席も下回る惨敗に終わったが、これを契機に政策提案型の党に変化して執行部が出直せば無党派層の支持も見込める構図だ。岡田代表は9月末の党代表選までは続投する意向を示しているが、選挙結果の利害を見極めて早めの新執行部による再出発で無党派層の支持をつなぎ止めておきたい好機としたいところだ。
 
 (4)共産党も改選3から3議席伸ばしたが、最近の国政選挙の躍進度から見ればひと段落した。1人区での野党候補者一本化調整で独自の立候補者を見送ったことが影響したか、今後の野党協力体制の見直しの中でどう修復していくのか、これからの本格的な国会論戦となれば野党間の理念、政策、主義の違いが鮮明になる。

 ことさらに今後安倍首相が改憲勢力衆参3分の2以上を得て憲法改正問題の論議が本格化することが確実で、共産党と他野党間の憲法解釈、考えの違いがあきらかになり、野党協力関係の構造維持もむずかしい状況が考えられる。

 (5)さらに弱小の野党ではわずかに社民党が1議席(改選2)確保しただけで、生活(改選2)、改革(改選2)の党はともに今回参院選で議席ゼロに終わって、ともに存在感をなくして淘汰された。

 かっては社会党として野党第1党として非武装中立論、国会審議での政府への厳しい追求で存在感を示して社会主義革新政党の流れを汲む社民党が今回改選でわずか1議席(非改選とあわせて2)に追い詰められたことは、共産党が躍進している中で極めて象徴的な出来事となった。

 (6)やはり、当時の社会党村山連立政権で保守系野党にかつがれての連立政権に向かったことが大きく分岐点となって、その後紆余曲折はあっても社会主義革新党からの現実主義転換が国民の支持を失っていった結果の今回の姿だ。

 理論的で理論武装して、疑惑追及の実証力もあり、切れ味鋭い論客の議員の多かった社会党だっただけに、教育に偏向を持ちこんだこと、路線の間違いの末路はあわれではある。

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人と公約の投票権。 right of vote against the personality and a public promise

2016-07-10 20:13:12 | 日記
 (1)近年は特に選挙無関心層が増えて投票率が伸びない。今回の参院選から投票権が18才までに引き下げられてその有権者層が240万人といわれてどうでるのか注目される。

 今月3日に選挙日程でまず最初の18才投票選挙となった福岡県内市長選では19、18才有権者の投票率が30%台となって、全体50%台を大きく下回った。

 (2)投票率の低下は政治への無関心、あきらめが大きい。今回の参院選でも選挙前には参院の改憲勢力3分の2以上獲得なるのかが焦点となったが、安倍自民党、与党は改憲アレルギーの残る国民の反発を懸念してか経済政策一辺倒で改憲問題を語らずに、野党は一斉に与党の争点隠しとして批難している。

 相手が何を語ろうと語らないと国民に政策、課題、問題を訴えることが選挙では大切で、野党のいう与党の争点隠し批難は自民党1強時代の中ですでに野党の力不足を実感させるだけのものにしか映らないものだった。

 (3)国会審議にしても、予算委員会にしても、党首討論にしてもどれもが議論がかみあわずにそれぞれの主張が平行線に終わり空虚な政治の現実を露呈している。これを見せられて政治に関心を持てといわれても土台無理な話だ。

 いつの時代でもこういう政治を見せつけられる、期待に応えられない政治家が悪いのか、こういう政治家しか選べない国民有権者が悪いのかの堂々巡りだ。

 (4)こうして選挙の無関心と合わせて「あきらめ」もある。1票が政治を変えるというのはそのとおりだが、1票の積み重ねが政治勢力を形づくるもので、しかし1票で政治が変わることもないのが議会制民主主義政治の現実でもある。

 投票しても何も変わらなければ政治へのあきらめが強くなる。

 (5)投票しないことも意思表示といわれて、近年はこの層が過半数近くを占める。しかし選挙制度としては無投票者(率)の意思を評価する方法論になっていないので、結局は無投票層は優勢に選挙を進める政権なり政党に有利に働く構図になっている。

 (6)国民の総意をより反映する選挙投票方法論に変える必要がある。現在は「当選者」(personality)を選ぶ選挙になっているが、これに選挙前の各党の「公約」(public promise)を義務付けて有権者は各党の公約にも判断投票する。

 世論調査と同じ構図だが、対象項目が各党の「選挙公約」であること、「すべての国民有権者」が権利として判断投票することで責任の範囲がまったく異なるものだ。
 
 (7)その中にこれだけはやってほしくはない反対項目(選挙前公募)も入れて、国民有権者がそれぞれに判断投票して上位比率項目は政権与党に対策、対応を責任づけることとする。国民主権制度としては当然の権利、要求だ。

 候補者には投票したくなくても、政策、課題には投票したい有権者もいるのではないのか。投票率低下、無投票埋没の中での考えどころだ。

 

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