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【みんながいたから】今村朝希「つくろぐ。」 第15話(最終回) 感想(コミックキューン2017年7月号)

2017-06-09 | つくろぐ。/今日D(鹿子木灯)
                                       
                                       やりきれない。










ブログを長く続けてる人は、多かれ少なかれ自分の文章に自信を持ってる部分があると思う
日本人の悪い癖で謙遜こそが正義~みたいな風潮があるけれど、ぶっちゃけ嫌いなら続けられないでしょう
では自分が自分の文章で好きなところは何なのか、というと、「嘘がない」事なんですよね
つまりその時その時のリアルな感情を出し続けられてるとこは自分でも認めてあげられてるんです
いきなりこんな始まり方で何を言いたいかというと、この最終回を読んで実直に落ち込んでしまった・・・という話なんです。

まず、、、
「単行本の続きが出ない」というのがやっぱり何よりも大きかったですね
物語が打ち切りという不本意な形で終わったのもショックなんですが
連載の努力の結晶である単行本が出ないのは更にショックでした
アンケートを欠かさず出す~っていうのも応援の方法としてはかなり大きいと思いますけど、
ぶっちゃけ単行本を購入する方がよりダイレクトに作品や作者の力になる行為だと感じてるんですね
それが一切出来ないっていうのはね・・・。

また、1巻の終わりが週刊連載の漫画のような「引き」が強いものに(結果的に)なっちゃったのも悲しいです
「この子たちは一体何者?」ってところで終わってるんですけど、2巻が出ないという事は、
単行本派の人やこれから単行本を手にする人達はその続きを知れないまま終わってしまう訳で・・・
そもそも、「中途半端に単行本が打ち切られてる」作品を積極的に購入する層がいるのかも疑問ですし、
この処遇によって「つくろぐ。」という漫画に触れてもらえるチャンスが減ってしまった事は大いに残念ですね。

どんなに素晴らしい最終回を書いても、
雑誌派という限られた層にしか読んでもらえない・・・
というのはやはりファンとしてもやりきれないですし、
そう考えると相当部数が絞られてたっぽいとはいえ、
ちゃんと最後まで出してくれた「ぼっち日和。。」は有難かったんだな。。と

元々、「みんなのお陰」という成立しやすいオチだったので
作品としては(まだまだ掘り下げる余地はあったとは思いますが)成立してるんですよ
それだけに、きちんと“単行本で”最後まで読んでもらえないというのはね。






では一体何が悪かったのか?と言えば、
センターカラーで最終回なあたり、それなりの人気はあったんじゃないか、、、って思いますけど
・・・いや、そもそも単行本の発売すら渋る作品の最終回がなぜカラーなのか?という疑問があるんですが。
個人的にそんな例は今回が初めてですよ それはそれで意図を問いただしてみたいけれど(笑
本当に人気がない作品だったらそんな処置はしないでしょう、という推測ですね。

だとすると、1巻が相当厳しかったのか・・・?という結論に行きつく
それはそれでいち読者としてはどう仕様もない問題なので悲しいですけれど
まあ人気商売ですし慈善事業でやってる訳じゃないのでしょうがなくはあります
単行本発売に合わせて大幅に作画修正とかやったり、努力の跡は物凄い見られる作品だったんですけど
なんか分かりやすいセンセーショナルさが足りなかったんですかね。

作画は毎月読む度に洗練されて来ていた、、、と断言出来ますし、
キューン作品らしい「キャラの色気」もだんだんと磨かれている最中だったんです
何より、ここ最近は1話1話毎に「キャラの成長」が垣間見られる作りになっていて
漫画としてどんどん良くなって来ていただけに悔しい気持ちの方が大きいですね

最終回としては、
足りない部分を補える関係性が素晴らしい。という結論と
華の個人的な成長を描いた、これまで「つくろぐ。」を読んできた読者にとっては納得のいくクオリティの
そんな最終回に仕上がっていてストレートに良かったです ただ、ストレートに良かった~と思えた事が逆に
「・・・さみしいなあ。」って感情を引き起こさせたのもまた事実
人間一人では決して辿り着けない境地があり、
誰かと化学反応を生むことで、
初めてそんな場所に辿り着ける・・・というのが
この漫画の最終的な結論になっているなあ。って個人的に感じたんですが
そのようやく辿り着いた答えを雑誌派という限られた層にしか読んでもらえないのはやっぱり寂しい
これが読み終えた時の嘘偽りない正直な気持ちであり、せめて誰かに伝えたくてこの感想を書こうと思いました

個人的には、大好きな菓子さんが最後まで美しかったのも素晴らしかったかと(笑)ドヤ顔もまた素敵なんだなあ。



またぶっちゃけてしまうと、
この最終回を読んで泣きそうになりました
なんかすごくさみしくてね。。
ってさっきから物凄く女々しい内容になってますけど(笑
いち読者として懸命に応援して来たつもりだったけど、結局こうなっちゃったな。。。っていうか、
正直かなり落ち込んだ部分はありました

ただ、終わり方としては想像以上に達成感を含んだものであったと思うので、
最終回としてのクオリティは高いと思います
華の充足した表情、
「みんながいるから」というテーマ性、
あと5ページ目の「苺狩りパーティだよ」のコマにさり気に前作の金ちゃんがいたり、
扉絵のカラーページにおしゃれアイテムのウッドピンチがあるところなんかも良かったです
散々単行本が出ない事に関しての恨み節みたいな感想になっちゃって申し訳ないんですけど(笑
ただ、最後まで素直に「好きだ」って思える作品で在り続けてくれた事には作者の今村朝希さんに感謝をしたいです
次回作にもめちゃくちゃ期待しています。そんな訳で1年以上書き続けた「つくろぐ。」の感想もこれで終わり。
また次回作の感想で同士(朝希さんファン)の方に再会出来たら嬉しいです。信じてます。








今村朝希さんの漫画で好きなところは色々あるけれど、
個人的には画面から「体温」まで伝わって来るのが特に大好きですね
それを今回最も強く感じました
出来れば、「ぼっち日和。。」も読んでもらいたいです
そしていつか同人などで「つくろぐ。」の最終回が出ますように・・・笑
ぼっちと比べて明るめの作風だったので、今の絵柄でまた気持ちダークなものを描いても面白いかもなあ。