サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

Theピーズ「30周年日本武道館」@日本武道館 17.6.9

2017-06-10 | LIVE
                                           
                                           この日を待っていた。












高校生の頃、syrup16gとTheピーズばっかり聴いている時期があって
あの頃は相当自棄的な生活を送っていたのでかなり助けられた記憶があるんですけど
大人になったら聴かなくなる・・・なんて事もなく、未だにライブ行ったり音源聴いたりと
気持ち助けられたりしてるんですよね こうして冷静に考えると、高校の頃の(自分的)2大バンドの晴れ姿を
両方ともリアルタイムで観れた。。っていうのはある種幸運なことなのかもしれないですね

この日は、まずチケットがソールドアウトっていうのが凄すぎました
ピーズの武道館が完売ですよ完売!!
これの意味分かります?
ピーズはCD出してもオリコン100位にも(一時期)入らなかったバンドなんですよ
それが、武道館公演打ったらチケットが売り切れちゃったんですよ
これって凄いことだと思いませんか。明確な大ヒットがなくても、一人一人の心に重い楔を打ち付けていれば、
武道館すら完売させちゃうほど支持を得る事が出来るっていうことなんですよ!!!
こういうやり方もあるんだ、っていうか、
浅く広くではなく
深く狭くっていうやり方で
しっかりと毎年続けて来たからこその「勝利」・・・
いや、トータルで考えれば勿論勝利なんてしてないんですけど笑
職場とかで「ピーズのライブ行って来た」とかいっても誰にも理解されないでしょう
だけど、武道館は完売した。その事実と光景に終始震えてしまってましたね。個人的に。

例えば、同世代のロックバンドで武道館をやるバンドが増えて来ましたが、
それらのバンドと比べてもピーズは違う。
決して明るい人間が聴くような音楽ではないと思うし、
所謂「みんなで盛り上がろう」的な要素は正直言って無いに等しいバンドですから
同じソールドアウトでも意味合いが違うように個人的には感じたんですよね
今風の言い方で言えば「陰キャ」とか言うんでしょうか?
そういうノリでキャパ1万人のこの会場を埋め尽くした・・・っていうのはね、凄い感動的なものがありますよ
なんせ
あの客数で「死にたい奴は死ね」って歌を歌ったり合唱なんかしちゃってる訳ですからね(笑

なんだかんだみんな生きてるし、まだ生き延ばしている・・・そういう事実を、
比喩とかではなく現実に見せつけてしまった尊すぎる一夜でした
一生忘れられない一夜が、また増えましたね。









仕事終わりでクタクタになりながら武道館に到着
でも不思議とそんなクタクタの状態で聴く方がピーズはいいや。って感覚もありました
実際に席に行くと本当に周りがギッシリ埋まっている、それも本当に後ろの方、
2階席の末の方の席だったのに既にスシ詰め状態だったのが逆に嬉しくてニッコリしてしまいました

ライブ自体は、電飾や時折派手目の照明等もありましたが、
基本的には普段通りのライブを普段通りにやって普段通りに帰る、という
「いつものTheピーズをここ(武道館)で刻み付ける」って方向性のライブだった気がする
「ノロマが走っていく」「とどめをハデにくれ」「鉄道6号」・・・いつも通り最高のロックンロールが
やたらと音響が良いこの空間で響き渡っている、、、というだけで特別感がありましたね

そうやってライブを観ていくと、
観客席がギッシリと埋まっている&メンバーが米粒レベルで見える、という事実も加味して
まるで大人気バンドを観ているような感覚になっていました
いや、実際ソールドさせているわけですから
人気がないわけはないんだけど、
音楽性はもう完全にダークな訳ですから
そこの奇妙で愉快な違和感が面白過ぎて終始夢のような気分だったなあ。。という感想です


新曲もきっちり武道館に持って来てくれる演出もニクかったですね
「ブラボー」って曲だったんですがこれがまたえらい良くて
はるさん印のグッドメロディが光っているオルタナの匂いも感じさせる新曲
いまだ現役の力を示してくれる手さばきも格好良いなあ、、、と痺れつつ、
「映画(ゴム焼き)」には流石に泣きそうになりました
高校生の時飽きるくらいに聴いた曲だったので、
あのイントロが鳴らされた瞬間に高ぶってしまいました
また安孫子さんのギターが絶妙でシックに決まっていて、こういう音楽性で武道館が埋まっている。。という
そんな事実に嬉しくなった、という感情に於いてもこの曲はトップクラスにそれを感じてたかもしれません


苦しめばいいさ
一人きりでずっと



↑この音楽性で武道館が埋まってて、しかもこういうダークな曲を平気で組み込んで来るんですよ?
もう堪らなかったですよ・・・なんかね、「暗くても生きてていいんだよ。」って言われた気がしてね・・・
今のフェスなんかの「盛り上がろーぜ」ってテンションとは真逆と言ってもいいこういう曲を、
堂々と、それもアンコールではなく本編のど真ん中に組み込んで来たのが本当に嬉しかった
盛り上がるだけがライブじゃない、
一人一人の心にしっかりと沁み込んでいく。。
そういう「ライブ」の形もあるんだよ。とピーズが提示している気がしました
この曲は特に個人的に嬉しかったし、最高だったと思いました。


格好良くロックにキマっていた「脱線」、
ポップに響かせた「でいーね」など
オルタナだけではない引き出しの多さも見せつけた構成もまた見事でした
「いちゃつく二人」の安孫子さんのギターソロも最高だったし、
シンイチロウさんのドラムも末席にいながらもガンガン響いて来てやっぱりイイな。と思えた
シンイチロウさんは既にthe pillowsで武道館を踏んでいる為、はるさんアビさんと比べるとテンションが落ち着いてましたね
アビさんは終始ニッコニコの笑顔で、こういう晴れやかなステージが苦手そうなはるさんですら嬉しそうな表情で・・・
それがまたいちファンとして嬉しかったですし、それを後ろからしっかり支えるシンイチロウさんも素敵でした

「普段はしないんだけど」というコール&レスポンスも披露
しかも、よりによってピーズでも最大の鬱曲である「シニタイヤツハシネ」で敢行(!!!!!!!)
正直、それやるにしてもよりによって明るさの欠片もないこの曲かよ!?って内心思いつつ、
逆に「らしいねえ。」って感じる気持ちもあったり・・・笑

今振り返ると、本当に涙が出そうになります
この曲で合唱、それも武道館で、、、っていうのは、
本当に最もこのバンドの「勝利」を感じさせる瞬間だったかと
鬱屈した感情で、くたびれながら生きていても、それでもこうやって幸福だと感じれる事がある
そんな感情を持ちながらも、みんなぜえぜえ言いながらここまで生きて来ている、、、という
「証明」を比喩ではなく、事実として(武道館だからこそ)示せた気がして
それがまた感動的だったというか、
鬱屈した感情で生きていた10代後半~20代前半の日々も無駄ではなかった気がして・・・
実直に救われた気分になりました
「死にたい」と思いながら生きてたっていいんだ!
無理矢理前向きに、ポジティブを装わなくたっていいんだ!!

ってのを、事実として証明出来たこの一曲のパフォーマンスは、
ここでしか生み出せなかったカタルシスであり、
改めて武道館でやる意味合いや意義は大きくなかったようで実は物凄く大きかったんだな。。と
あくまで個人的な感想ではありますが、そんな風に強く強く感じてしまいましたね
本当に本当にグッと来てずっと糧になってくれるようなワンアクトでした。

「実験4号」はその楽曲のメロディの良さ、強いワンフレーズ(君と最悪の人生を消したい)も相俟って
まるでヒット曲のように響いてたのが面白かったし、この曲もまた沁みましたね
っていうか、この曲でも泣きそうになりました
何度涙腺揺さぶられてんだよ。。って自分でも思いますが笑

東京のコンサートでありながら、「ちばらき」の誇りを観客にアピールした「トロピカル」、
山中さわおさんが歌ってくれたお陰でいつも以上に観客の受けが良かった「オナニー禁止令」、
一曲一曲がハイライトみたいな最高の流れが続く中、
長丁場のライブという事もあって
観客を座らせてアコギコーナーでクールダウン。
美メロが光る「黒霧島」、渋いテンションの「異国の扉」とじっくりと聴かせつつ、
「3度目のキネマ」から再びロックンロール・モードに突入!
「生き尽くしてく」と力強く歌った「絵描き」、
ご機嫌に鳴らされた「ハニー」、
ピーズ印のオルタナメロディが響き渡った「喰えそーもねー」など一曲一曲いちいちグッと来る流れが続く
「喰えそーもねー」みたいなテーマ性の曲をこういう晴れ舞台的な場所でやるのも凄いな、と思いつつ(笑
逆にそれが嬉しかったり。。最近モヤモヤする事も多いのでね。


はるさんが「今日は仕事辞めた人もいるでしょうね。」と語りつつ(笑
ソールドアウトを実直に喜ぶアビさんの姿もまた印象的だった
よくよく考えれば、平日だったんですよね。。
そんな所にもピーズの凄さを感じつつ、
「どっかにいこー」「線香花火大会」と矢継ぎ早に往年の名曲を連発
その流れでデビューシングル「バカになったのに」を堂々と披露、
この曲もメロの良さ、バッチリだったユニゾン、そして満員御礼のお客さんのお陰で
聴いてると「これヒット曲だよね?」ってヒットもしてないのにそんな気持ちになってしまう(笑)
不思議な印象になっちゃう楽曲として最高に格好良く響いていました

また、途中でこれまた大好きな「みじかい夏は終わっただよ」のワンコーラス分挿入してくれたのも嬉しかったですね
あの曲個人的に大好きなんで。具体的に書くと、“どこへ向かってるわけでもねーだよ”って歌詞が大好きです
あの楽曲の歌詞は自分そのものだと思ってるんで・・・。

はるさんが「こんなにたくさんのお客さん、(普段)どこにいるの?」的な事を呟いてましたが、
自分も正直同じことを思いました笑 リアルでピーズの事を知ってる人に出会った事もないですもん
それが、武道館公演やったら完売になっちゃうくらいに集まるんだからなあ。。
なんでしょう、
ライトな層に浸透するほど売れてないしチャートアクションも良くないけど、
その分一発一発が重い分、根強いファンを生みやすい音楽なんだなあ・・・・・、と。
そのスタイルを崩さなかったからこそ、武道館ソールドに繋がった。。と考えると
やり方だとか伝わり方でさえ全く正解なんてものはないのかもしれません
ぶっちゃけ一時期ちょっと流行ったバンドなんて目じゃないくらいに
安定して活動出来てますからね・・・・。


重いビートを叩き付けた「日が暮れても彼女と歩いてた」、
そして個人的に大大大好きな「サイナラ」をこの場所で聴けたのは本当に嬉しかったし、


すれ違っていけ
死ぬまで

好きな方へいけ 
死ぬまで



という歌詞をあの音質でこんな大箱で、高らかなボーカルで聴けたのも本当に幸せでした
聴いてて「そっか・・・。」と自分自身と対話しながら聴けるような歌詞の作中観が素晴らしいなあ。と思いつつ、
単純にメロディが本当に良いので、やっぱりこの曲は一つの代表曲だなあ。と
(実は)大きいと思えるスケール感と共にしみじみと実感
また、
こういう曲を武道館で朗らかに歌い切った、というのも
ピーズ的には意味があったんじゃないかなあ・・・って個人的に思いました
ピーズもお客さんも死ぬまで誰にも媚びず、好きな方へ好きな方へ行って欲しいな。
そんな勇気を貰える大切な一曲でした。


「ドロ舟」「真空管」とバッキバキのロックンロールを鳴らして、
男らしいピーズの良さもアピールしつつ(後者は真っ赤な照明も格好良かった!)、
最後はやっぱり「生きのばし」
最後の、


精々 生きのびてくれ


の伸びやかな絶唱にまた泣きそうになる。。と
何回も涙腺刺激ポイントがあったなあ笑
って振り返るとそう感じる
みんなさほど生きる事自体に価値を感じてなくても、
常に空しさなんかと隣り合わせの日常であっても、
くたくたになって、
既に周回遅れの人生をなんとか走っていて
こんな風にたまに笑ったり喜んだり・・・・・っていう
そういう、、、滲むような生き様がバンドだけではなく会場全体を覆っているような気がして
なんかそれも凄い良かったなあ、というか、普通のロックバンドの盛り上がり方とはまた違う、
「個々が個々で、個々の感じ方ややり方でしっかりと楽しんでいる」
そんな独特でありながら正しい光景がそこにはあった気がしてね
それもまた何よりも最高だったかと思います
この日このライブを観れて本当に良かった
それが俺個人の偽りの無い本音であります。ピーズ、スタッフ、そしてお客さんも含めてどうもありがとうございました・・・!!








1.ノロマが走っていく
2.とどめをハデにくれ
3.鉄道6号
4.焼めし
5.ブラボー
6.映画(ゴム焼き)
7.脱線
8.でいーね
9.いちゃつく二人
10.シニタイヤツハシネ
11.クズんなってGO
12.実験4号
13.トロピカル
14.オナニー禁止令
15.黒霧島
16.異国の扉
17.3度目のキネマ
18.絵描き
19.ハニー
20.喰えそーもねー
21.どっかにいこー
22.線香花火大会
23.バカになったのに(途中、「みじかい夏は終わっただよ」)
24.日が暮れても彼女と歩いてた
25.サイナラ
26.ドロ舟
27.真空管
28.生きのばし

29.底なし
30.ゴーラン
31.デブジャージ
32.君は僕を好きかい
33.脳ミソ

34.何様ランド
35.グライダー










この日は6月9日、
俗にいう「ロックの日」でしたが、
ピーズの音楽はただ格好良いだけの「ロック」ではない
本当の意味で転がり続ける人生を表現している「ロックンロール」そのものなんです
「ロック」ではなく、「ロックンロール」なんです
それをアンコールでも強く感じました
「次だ次」と叫びながら歌い切った「ゴーラン」、
シンガロングまでした「デブジャージ」のシュールな光景、
ドリーミーに決めてみせた「君は僕を好きかい」も美しい演出も相俟って贅沢な気分にさせてもらった

ダブルアンコールの「何様ランド」がまた圧巻だった
ここへ来て今ライブ始まったの?ってくらいの圧倒的な熱量!
「夢の中で夢をみるんだ」というこれ以上ないくらいにロール感を刻み付けたこの曲は
本当にラスト付近に持って来て大正解!だと思いましたし、この日にもこの場所にも最高に似合ってた気がしました
最後の最後は「グライダー」を高らかに響かせて終了、ギリギリでありながら、ずっと飛び続ける事を歌うこの曲は
ヒストリー的にもグッと来る渾身の名曲として響いていてこの曲にもまた気持ち泣きそうになりました
このバイオグラフィーで、
この音楽性で、
決して入口が広いとは言い切れないこのバンドで、
ここまでの景色を観れるんだ、ファンとして幸福な気持ちになれるんだ——————

そんな空気感に、すっかり陶酔させられてしまったいちファンとして記念碑的な一夜に仕上がっていました
毎日毎日死にたい気持ちと空しさは常に肥大していくばかりですが、
それでも「まあ、生きのばしてみっか。」と思える、
そんな・・・
普通のロックバンドとはまた違う類の音楽のエネルギーが間違いなくこの夜にはありました
それが何より嬉しかったし、尊かったし、オリジナルだったなあ。と思いましたね。
また、いつものテンションでライブ観に行きますよ。大感謝です。