サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】SHISHAMO5/SHISHAMO

2019-03-17 | アルバム感想
                           








1.ねぇ、
2.ドキドキ
3.笑顔のおまじない
4.あなたと私の間柄
5.夢で逢う
6.あの娘の城
7.BYE BYE
8.同窓会
9.ほら、笑ってる
10.サボテン
11.ロマンチックに恋して
12.水色の日々
13.私の夜明け

*赤字は個人的にお気に入りの曲





今日までの当たり前が
もう明日には無いんだって
分かったつもりでいたけれど
やっぱり笑顔だけじゃ終われなくて(水色の日々)







んー、
昨年からアルバムの感想、
特に好きな曲3つを赤字に変えて提示する~ってトピックを増やしたんですけど、
正直このアルバムから選ぶのは難しいし3曲というのが(自分で決めたくせに)シビアでした

「ねぇ、」も通勤の時に聴いてパワーを貰えるくらい大好きですし、
「ロマンチックに恋して」もシングルのカップリングとは思えないくらいクオリティが高い
「笑顔のおまじない」のポジティビティ、
「サボテン」の日常を彩る音楽性、
「ほら、笑ってる」も内省的な詞世界に惹かれますし、
「BYE BYE」の新境地なオルタナ感も好きだし・・・って事で、要約すると一曲一曲の完成度が恐ろしく高いアルバム、って感じですね。


SHISHAMOの良さって非常にシンプルで、
・単純にメロディが良い
・宮崎朝子さんの歌が上手い
・アレンジがどの曲も格好良い
っていう、
凄く真っ当なロックバンドで、
こういう圧倒的に丁寧で正しいバンドがきちんと評価されて支持を受けている・・・という
そういう事実も改めて嬉しかったし、
所謂飛び道具的な要素に頼らないシンプルで格好良いロックバンドだと個人的には感じました

実は「水色の日々」でシシャモにハマったんで、アルバムを通して聴くのはこれが初めてだったんですけど、
特徴的なのは宮崎朝子さんの多様な詞世界と表情の付け方が上手いボーカルでしょう
シシャモと言えば、恋する女の子の可愛い世界観・・・というイメージでしょうが、
意外と恋愛から日常、ポジティブとネガティブ、男性目線の歌や青春の歌などテーマが幅広い
それでいてアレンジもシンプルなロックからオルタナ風味、ガレージ、ポップス、バラッド、、、など飽きさせない
 そして、朝子さんのボーカルは基本純朴で聴きやすくてとにかくきれいで美しい良い声をしてるんですが
要所要所でその曲に寄り添った感情的なボーカルを聴かせてくれるセンスが実に素晴らしいです
例えば「あの娘の城」の最後の「バカになっちゃったのかしら?」の狂気の部分であったり、
「サボテン」の後半の「走るしかないじゃない!」って部分は必死さが良く出てて、
「同窓会」の「僕も同じだ」の良い意味で男の間抜けさが出てる部分、
「BYE BYE」の「知らないでしょ」の強めの発音・・・などなど、
ただ単純に歌うだけではなく、きちんとその歌の主人公に成り切っている色の付け方が見事で、
そんな朝子さんの歌だけでも凄いのにメロディはいちいち丁寧だし演奏もいちいち格好良いし本当に聴いてて気持ちが良い。

純粋に楽曲のクオリティお化けなんですよね
勢いとか飛び道具とか流行で誤魔化してる部分が一切無いというか、
ただただ真っ当に良い歌詞、良い歌、良いサウンド、良いアレンジ・・・を追求している、
そういう音楽として、ロックバンドとしての圧倒的な正しさに兎に角魅せられたアルバムでした

こういう云い方はアレかもしれませんが、
今の時代にシンプルに「楽曲の良さ」だけで勝負している
派手さとか演出とかキャラ性とかその他諸々の外的要素に頼らずに、
ただただシンプルにロックサウンドといい歌を追求している・・・
そういう姿勢にも感銘を受けてしまった作品でした
あくまで個人的な感想ですけど。





「なんで私ばかり」心のどこかでいつも思ってる
それでも人は言う「辛いのはあなただけじゃない」
そんな言葉が聞きたいわけじゃない
分かってるくせにな(私の夜明け)




最後に、
凄く迷ったけど、
特に好きな3曲について。
「水色の日々」はこの曲でSHISHAMOにハマった曲なんで自分の中では特別な一曲
去年の3月~4月に掛けてずっと通勤の時に聴いてたぐらい思い入れがあって先日ライブで聴けた時は本当に嬉しかった。
この曲は自分の失ってしまった青春の後悔と戸惑いに直に訴えかけてくれる曲で聴いてると堪らない気持ちになる
それと、今観てる景色もいつか終わってしまう事にも気付かされる流麗なアレンジも光る名曲
朝子さんの透き通るようなボーカルも大好きです。

「あの娘の城」は、
シシャモのイメージとはかけ離れた攻撃的なロックナンバーで、
歌もいつもよりワイルドさ重視で正直聴いてて物凄く格好良いです
歌詞も狂気と切実さが織り交ざっていて何とも言えない人間味がありますね
まるでガレージロックのような雰囲気でこんなに演奏力の高いバンドだったのか・・・と衝撃を受けました。

「私の夜明け」は、
驚くくらいパーソナルで普遍的な心境を切り取ったペーソスナンバーで、
色々な主人公の生き様を描くタイプの作詞が多いシシャモに於いて異色の楽曲になっていると思う
この曲だけ、ただ淡々と垢抜けなくて複雑な心象風景をドラマ抜きで切り取っているだけ、という気がする
その分、突き刺さって来る感覚は強く、特に上記の記述したフレーズなんかは聴いてると自然と感情移入してしまいます
正に自分そのものっていうか、凄く歌詞も生々しくて説得力があって、他人ごとには思えない何かがあります
この曲はアレンジも淡々としてるし歌もメロディも決して派手ではないですけど、
聴いていてストレートに沁みて来る感覚が堪らなくて大好きな一曲です
先日のライブでは聴けなかったので、
是非いつかこの名曲を生で聴いてみたい・・・!って強く願ってます
正直、暗い曲だとは思いますけど(笑
でも刺さる人には思い切り刺さる、はず。この曲は本当に聴いて欲しいです。








でもやっぱ、
シンプルに何かを伝えたい、って想いの衝動にグッと来る「ねぇ、」や
日常に寄り添った歌詞に良い気分になる、アレンジもめっちゃ格好良い「サボテン」も大好きだなあ
まあ、全曲良いアルバムなんですよね(笑
先日行ったライブも凄く良かったんで、
またライブに参加してレポートも書けたらな、と。

今年はニューシングル、ベスト、さいたまスーパーアリーナ公演が既に決まってるので色々と楽しみです!!
ファンになって日は浅いのでロングツアーもまたやって欲しい!