サブカルチャーマシンガン

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新・syrup16g全曲レビューその9「開けられずじまいの心の窓から」

2020-02-19 | 新・syrup16g全曲レビュー
                          







I was longing for mad kindness
ただどうしようもない格子で
I was longing for mind's holiday
窓越しの






この曲のレビューは、書きたいような、(ある意味)書きたくないような・・・笑
初期の楽曲で「(I can't)change the world」って曲があるんですけど、
その曲の中で「広い普通の心をくれないか」と歌ってるんですね
で、
この曲はあの曲に通じるものがある、、、と個人的に感じてるんです

「ただどうしようもない格子」っていうのは、自分と他者の間にある変えられない事実、
確かな断絶を意味すると思ってるんです。分かり合うとか、歩み寄るとか、口で言うのは簡単ですよ?
でも、どうしても許容出来ない事だったり、それを認めると自分も濡れてしまう事って絶対にあるから。
分かり合えるのも、歩み寄れるのも、正直努力でどーこー出来るもんじゃなく、
ぶっちゃけ“才能”でしかない、と自分ははっきりと思ってます
その許容量が多い人間こそ、
「広い普通の心」を持った人間であって、
だからこそそうなれない自分を「ただどうしようもない格子」ってワードで飾っていると思うんです
つまり、言い方を変えてるだけで歌ってる事はほぼほぼ同じだと感じてるんですよ
その表現技法が違うだけで、ここまで違う曲になるのか・・・っていうのが面白いですし、
それと同時にsyrup16gの歌っている楽曲の不変も感じられる名曲に仕上がってる、と思いますね。


ただ、
先述の曲が切実っていうか、それなりに湿っぽいのに対して、
この曲は割と達観してるというか、悟ってるというか、
「ちゃんと諦めてる」そんな気がしてます
色々雑踏を進んだ末の風景というか、
それに関して詰まってしまったからこそ、「mind's holiday」・・・直訳で心の休日、を望んでいる
要するに「もう疲れたよ。」っていうストレートな心情吐露を感じさせる曲でもあるんですよね。
それは一見悲しい事かも、淋しい事もかもしれませんけど、
同時にある種の希望でもあるんですよね
サウンドもメロディも、
ディープってよりかは割とサラッと聴ける乾いた音像に仕上がってるので、
余計にそう感じるんだと分析しています だから、テーマとしては過去の曲と似通ってても、聴き応えはかなり違う。
その辺りに五十嵐さんの才能の健在っぷりを感じる達観の良い部分を直に伝えているお気に入りの一曲です。

冒頭で、
書きたくないような・・・と記述したのは、
正に最近この曲のような気分が(ずっと)続いていたからです笑
近年は自分の雑魚メンタルをあんまり見せびらかしたい気持ちになれなくなって来てて・・・
でも、まあ、別に嘘ついても仕方ないので、素直に共感を形にしてみました。
冒頭の4フレーズに関しては本当に自分の近況そのまんまです。
だから素敵で大好きな一曲なんです。