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1か100の世界。/セメルパルス 第四話「壊獣」 感想(コミック百合姫2020年4月号)

2020-02-22 | 荻野純
信じるしかない。







正直、面白い。
めちゃくちゃ面白い。
要するに1を選ぶか100を選ぶかって事ですよね
壊獣は人間のエネルギーを電池にしていて彼らを滅すると人間は死んでしまう
しかし、だからと言って放置していたらこの世界そのものがめちゃくちゃになってしまう・・・
非常に難しい問題だと思う
答えはあるようでない
個人的に敢えて命乃に死んでいった人々のデータを見せた演出が良かったですね
ただ漠然と死んでいる~って設定があるよりも、もっとリアルな痛みが伝わって来て秀逸でした







「この世界そのものがめちゃくちゃになってしまう~」って今書きましたけど、
それは確かに意味合い通り多勢の人間にとっては死活問題であり守らなければいけない命題だと思う
しかし、個人個人で考えるといくら世界が守られたって自分の世界が終わったら意味ないですよね
だから、
単純に分母の違いだけで正解を見い出せる問題でもないのが厄介であり悲しいところ
確かに、彼女らのお陰でこの世界は保たれていて今日も平和な日々が続いている
しかしその平和の陰に何も悪くないのに死んでいった人たちが居る
しかも、その行為をしたのは自分たちである・・・という
圧倒的罪悪感
かといって、
逃げても侵略という最悪の結末が待っている故に“責任”という問題も付いてくる
あの友達たちの普遍性を維持する為には自分が(色々な意味合いで)身を削らなければならない、
その物語性が辛くもすごく面白くて正直言って自分好みの作中観だと思いました。







ただ、
個人の世界は終わる~と言っても、
その代わりに誰かの今日あるはずだった世界を守ったのも揺るぎない事実
そして、 その罪も憎しみも全部自分らが背負って地獄に行く。という決断をした、
そんな二人の相様が最も覚悟に満ちていて読んでて切なくもグッと来た
亡くなった身内や親友の死に意味を持たせる、という意志も、
個人的な感情も棄ててなくて素敵に映りました
何かを手に入れる為には、
何かを失わなければいけない。
誰からも好かれたり嫌われない生き方は決して有り得ない。
そんな人生の本質を突いていると感じる物語性がやっぱり荻野純さんの作家性が滲み出ていて大好きだと、
そんな風に純粋に感じてしまった4話目、百合とか抜きにしても読んで欲しい漫画だな~、って思いました。
 
様子先輩のセリフも凄く良かった。そりゃ、狂わないとやっていけないですよね。
その上で二人抱きしめ合う~という顛末も凄く自然で素晴らしかったと思います
必然性のある百合、というか、結果的に百合、というか。
今までの話で一番面白かったように思います。







展開を予想すると、
死んだ人らは男女年齢一切関係なく無差別のように感じたので、
先月友達になった二人とかヤバいですよね・・・
そうなった時とかに、
どういう風に描写するのかも気になるところです。百合姫を買ってでも読む価値あると思うので是非。