サブカルチャーマシンガン

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本当の勝利。/アクタージュ act-age scene99「勝者」 

2020-02-03 | アクタージュ








お話としては、
所謂評論家の評価は得られなかったが、
刺さる人には刺さった・・・といういかにもこの漫画らしいものになった
でも、正直芸術なんて本来そういうものですよね~とも個人的には思うのもまた事実
実際自分も最大公約数狙ってる作品よりもこういうタイプの作品の方が好みなので(笑
そういう意味合いでは、あながち「負け」とも言えないんじゃないか、と思う
少なくとも、
“あの時”の景ちゃんの演技は紛れもなく本物だった
しかも、それがちゃんと伝わる人には伝わっていた・・・
それだけでも、十分価値がある公演だったように感じられました
ちなみに、先週の自分の希望通り、あの小さい女の子にまんまと想いが伝わっていて、
何気に自分の予想っぽいもの?が当たっていてそれもちょっと嬉しかったです(笑







一方で、
花子さんは、
夜凪景が「その先」を描ければ、
自分も苦しみから解放される・・・と思っていた
しかし、実際は、救われたのは景ちゃんだけで、
花子さんだけが取り残された形になってしまった。
皮肉にも、
役者同士にしか分からない絆によって、
花子がむしろ疎外感を受けてしまう・・・というある種「動揺を招いた罰」のような終わりになりました
でも、花子さんも悪意があってそうした訳ではなく、自分の中で色々考えた末に出した答えがあれだった訳だから。
それが例え間違いだったとしても、「これから」は、間違えないように、もう一度正しく歩けば良い。
その為の代償であり、
結果的に呪いから解き放たれたのは景ちゃんだった訳だから、
さり気にマイナスからプラスに転じてるのがこの漫画の巧い所なんですよね
その上で、主人公の景ちゃんが、一人救われなかった花子さんに救いの手を差し伸べる、、、というオチで、
これはこれで趣のある、、、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ救いが感じられるラストで良かったと思う
願わくば、今回の経験が、今回の景ちゃんのように、花子さんの今後に於ける「何か」に繋がっていって欲しい。
そんな事を感じた99話目でした。素晴らしかった。







一方で、
千世子もまた葛藤の中に居た
このまま無難にこなせば、一般的な評価がマイナスなので、
何の労もせず千世子の勝ちを演出出来る
でも、
それは客観的な意味合いでの「勝利」に過ぎなくて、
千世子の主観的な意味合いの「勝利」には程遠い事を彼女自身が分かっている
いくら世間的な評価を得たとしても、
最後のあの景ちゃんの“本当の笑顔”に勝てない事は既に知っている。
そして、それは形式上は勝利でも、本質的な勝利とは呼べないことも。

千世子もまた、
究極のバランサーから、
ただの「求道者」に変化しつつある、という事でしょう
本当の意味合いで勝ちたい
あの最後の芝居に勝ちたい
でも、今の自分では勝てない事を知っている
だから、本気で悩んでいる・・・そんな千世子のストイックさが大好きです

「あれ」に勝てたと思えた時、
本気で千世子自身が千世子を許せる、
認めれる、
偽物という十字架を外せる・・・
そんな想いが去来しているのかもしれません。 千世子の「リベンジ」にも、注目ですよ。






しかし、
次回で100話ですか・・・(っていうかscene100)。
初期は早々に最下位付近に落とされてた事を考えると実に感慨深い
出来れば、この先も夜凪景というキャラの物語を追い駆けたいので、
出来るだけ末永く続いてくれればいいな。と思っています
2周年の表紙巻頭に期待です!!