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責任としての自死。/青年少女よ、春を貪れ。 第四十六話「みっともない」

2022-02-03 | 山田シロ彦









全てが明かされ・・・
勿論、
散々他人に責任の所在を追求し暴れ回って来た音無さんの処遇、、、というか、
どうケリを付けるのかが気になってた訳なんですけども、選んだのは「自殺」という道でした。

これ、個人的には結構意外で、
もっとみっともなく足掻いたり言い訳するかな~って予想してたんですが、
皮肉にも自分の発言が引き金になったと分かるや否や、もう迷い無く自死を選んでましたね
こういう言い方はおかしいかもしれませんが、正直見なおした・・・否、自死を肯定する訳じゃなく、
音無さんはハルを殺した犯人を徹底的に酷い目に遭わせようと苦心してた訳でしょ?
それが本当は自分だって理解して真っ先に自分を一番酷い結末に追い込もうとした~っていうのは、
何気に筋が通ってるな、というか・・・
ホントに、
ハルに純粋に恋して救われてただけなんだな。っていう。
ああ、勿論、あんな暴走した事自体には流石の西京さんも怒ってますけど笑
でも正直「ピュアだな・・・」って感じてしまったのも事実ではある
彼女の目的は最初から復讐オンリーだった訳で、
それがああいう真実に因り手前に矛先が向くっていうのは自然っちゃあ自然なんですよね。。







ただ、
それを許さなかったのが勝之の「愛」であり「厳しさ」でもあった
確かに、ハルを(ある意味)誰よりも愛し誰よりも執心して来た音無さんだったので、
ある種の矜持というか責任の所在を自分に置いてそれを果たそうとする想いも分かる
正直、
ハルと同じとこに行きたいのなら、
ハルが死んだ時点で後を追っているはず
なので、セリフには無かったけど、これって 音無さんなりの「ケジメ」だった様にも思うんですよね。

でも、
それって見方を変えればある種の「逃げ」というか、
多分本当の意味での贖罪には成り得ないと思う
自分が考えるに・・・
やっぱ本当の贖罪って「生きる」事だと感じるんですよね
過去を受け入れて、消化して、貰った物を受け継いで、新しい「何か」を創造する
それがホントの罪滅ぼしだと思うから、、、正直頑張って欲しいですね
ま、
「頑張って欲しい」なんて気楽に言えないし、彼女がこれからどうするのかも想像付かないけど・・・。
助けた事は勝之の優しさであり、一つの手厳しいメッセージの様にも感じました

しかし、
勝之の言ったセリフは気持ち泣けるね~
っていうか泣きそうですね
初恋はみっともないもの・・・か。
未だに机の中に高校時代好きだった人の写真を入れて時々眺めてたりする身からすると、
痛いくらいに響いて来るセリフですが、、、ホント、よくみんな正気保ててると思っちゃうよ。
恋って死にたくなるくらいに本当は辛いもんだよ。でも、そんな体験をみんなが共有出来たのは真実。
哀しい想いは哀しい想いのままで、それを抱えながらいきてゆく。それもまた人生ですよね。
何も解決してないようで、見事に「何か」が解決してしまった。
そんな、
過剰に漫画っぽくなければ、
ドラマとかともまたちょっと違う、
オリジナリティ溢れる最後が非常に素晴らしいって思いましたね。
ぶっちゃけ知名度はあんまり無い漫画だとは思うんだけれども(申し訳ない)
もうそんな事はどうでも良くて、自分にとっては大切な傷を確認出来る尊い作品の一つでした。
このみんなのこれからの人生に幸が多いと良いなあ・・・って純粋に感じました。
まあ俺はもう疲れ切って色々諦めてますけどね←←←
それでも「日々は続いていく」
答え、でした。