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【ただのともだち】天体のメソッド 第12話「円盤のない街」 感想

2014-12-22 | 天体のメソッド
その笑顔が観たかった。










今回のお話でようやく汐音と乃々香が「ただの友達」に戻れた気がしました
願いを叶えて、でも後遺症を残さない為か機密的存在だったのかノエルの存在は誰の記憶からも抜け落ちて
文字通り「誰も知らない」状態になってしまっていました
ただ、記憶が抜け落ちていても
仲間は仲間
その忘却がなかったみたいにこはるとも湊太とも柚季ともあっさり昔のように友達に戻れました
あの異様な距離感の無さや乃々香に対する気持ちそのものが無意識に与えられた恩恵だったのかもしれません

だけど、そうじゃないよねって
友達に戻れればいいってだけのもんじゃないよね
あの積み重ねの日々は、絆は、救ってくれた存在は
簡単に忘れ去ってしまっていいほど軽いものではない
そう、ノエルこそみんなの絆の象徴であり、繋げてくれた感謝すべき存在だから。
ノエルさえ思い出せばみんな“すべて”を思い出すはず
何よりも彼女の存在を「なかったこと」にしたくない
「ここにいたよ」って少なくともこはる達には認識していてもらいたい
だから、乃々香はあんなにも必死になってみんなに助けを、救いを求めた
ねえ、思い出してよ。って
あの涙は、誰にだって忘れて欲しくない。
あの瞬間、確かにみんなは深く繋がって一つになれたのは紛れもない事実だったのだから。
そうでないと本当の意味で“みんなで”ニッコリし続ける事にはならないと思う。
だから―


汐音は、初めから乃々香の事が大好きで、今でも忘れられないのは痛いくらいに伝わって来ていた。
具体的に書くと最初の再会の時から、あれは完全に「大好き」の裏返し的行動でした
本当は自分の事を思い出して欲しかった
約束を叶えに来たと言って欲しかった
でもそれは幻想だった
話せば話すほど距離感の違いに幻滅した
「私はこんなに想ってきたのに・・・」って気持ちも間違いなくあったと(個人的に)思う
素直になれなかった
素直にならなかった
だけど、今でも約束の場所に行くくらいに未練タラタラで
結局は乃々香という存在からは離れられない様子は色々な手法を使ってしっかりとこちらに伝わって来ました
「本当は大好き」
「本当は笑顔を見せたい」
だけど、それが出来ないもどかしさに何度も苦しんで何度も涙して・・・

ただ、それが“本来の姿”かと言えば全然そうじゃないよね
あまりにも外的要因が多過ぎてそうなっていただけ
乃々香は変わったようでその実何も変わっちゃいない
「あの頃のまま」の乃々香は何度だって自力で自分の傍にいてくれた
燻ってる心を救ってくれた
記憶は違っていても
最初は距離感が違っていても
自分に対して誠実で、一緒にいたい。と願ってくれる優しくて彼女が大好きだった乃々香は何一つ変わっていなかった
そして、こんなに不器用で不得手な自分をズレなく理解してくれる頼り甲斐のある友人でもあった
「私の気持ちを分かってくれる」
「私の側にいてくれる。」
遂にそんな想いは確信を伴って今、ここで現実のものとなった
汐音が素直に一緒にいたい、なんて思えるような存在、要するに「ただの友達」に戻る事が出来た
実はこの話数の最大のインテンションはそんな部分にあったんじゃないかと思いました
勿論ノエル関連の事も重要ですし、最後の大きな仕上げにかかってくると感じてます
最後はきっと誰もがニッコリで終わってくれると信じています
ただ、この話数の肝は汐音だった。

汐音もまた「変わった」んじゃない
ある意味そのままっちゃあそのままだったし(具体的に書くと「乃々香依存症」なとこがね 笑)
ただそれを素直に吐き出す勇気も根性も確信も信頼も最初は全然なかっただけで
本当はずっと、こんな笑顔を乃々香の前で見せたかったはず
これが汐音の嘘偽りない、
防御壁もない、
ただの真実の姿。言ってしまえばそれだけの話
でも、それだけの事にここまで遠回りしてしっかりとお互いが歩み寄って「ただの友達」に戻れたという事実
それが俺にとってはとっても尊い事のように感じられるし、ストレートなジュブナイル模様に素直に感動したっていうのが本音です。
汐音の笑顔が観れて良かった
汐音の「本当の姿」が観れて良かった
最早余計な疑念も自身の弱さも関係なくなって
正真正銘「ただの友達」
そんな光景はなんて美しくて、胸に来るんだろう・・・そんな風に思えた第12話に仕上がっていましたね。

それは散々汐音の弱さ、意地っ張りなとこ、それらを集約すると“人間くささ”を見せつけられて来たからこそ感じた事です
何も語らずとも(まあちょっと言葉は掛けてたけど 笑)、表情だけで気持ちが伝わって来るラストシーンは相当の好カットの連続だったかと
乃々香が自力で汐音に会いに来てくれたように、汐音もまた自力で乃々香の元に会いに来てくれた。
その顛末こそ俺が心底観たかった情景のひとつであり、あと感想読んでくれてた方なら分かるとは思うけど
初期から汐音に感情移入してきただけに本当に嬉しい!と心から思えるワンシーンでしたね。
素晴らしい作品だと思います。





このカット、何気に凄くシュールですよねえ(笑
柚季もトラウマさえなければ全然良い娘だったんだよね
だけど、トラウマがあったからこそ乗り越えて更に絆が深まった、とも思えたけど。
是非ね、全部じゃなくてもいい、最後まで何も知らないままのみんなじゃなくて
少しでもいいから「何か」を思い出して欲しい
そして、みんな仲良く
みんな楽しく。
今はそういう気持ちなんですが
先週がボロ泣きしちゃった回だっただけに、今回パッと観ていて「えっ!?」とショッキングな内容ではありました
ただ、観続けていくと「あっ、こりゃ必ず好転するな」とふと思ったりもしたのでその意味でも秀逸な回でしたね
俺自身“ただ幸せな人”よりももがいて足掻いて「何か」を掴み取る人のが観ていて好き、っつーか面白いと感じるので
その意味じゃキャラも可愛くみんな基本的には良い子という事も手伝って非常に俺好みなアニメだったのかもしれません
柚季も、こはるも、湊太も、そして・・・乃々香もとっても人間くささが随所から感じられるキャラクターでした
些細な事で迷って、悩んで、失敗を繰り返して
でもその分成長もして。
どこか歪だけど、その分愛着を持てるキャラクター達。
そういうものに触れ続けられた幸せを噛み締めつつ、最終回を心待ちにしたいと思います。
もう涙は先週でいっぱい出し尽くしたんで(笑 最後はみんな笑顔で終われるハッピーエンドが良いですね。
そんな事を祈りつつ。
















やっぱり汐音みたいに物凄く不器用で、でもその分想いの強さは伝わって来るキャラクターが
俺は凄く好きなんだなあ・・・ってこの「天体のメソッド」を観続けて再確認しました
例えば「俺妹」の桐乃なんかもベクトルは違えどこのタイプですよね。
表面的には厳しいけど、内面的には情がいっぱい。
改めて好みなキャラ造詣だな~、と。




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