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天体のメソッド 第7話「私のなくしたもの」 感想

2014-11-23 | 天体のメソッド
いつもは「素直な良い子」である乃々香が親父だけに見せるツンツンっぷりが好きです(笑









私は“素敵なもの”を見せてくれる作品が好きなんですが、
この回の「天体のメソッド」は正にそんな“素敵なもの”を存分に表現し切ってくれた傑作回だったと思っています
乃々香の胸の内にずっと眠っていた贖罪にも似た想いが深く、情感たっぷりに描かれていてまたもや涙線くすぐられたんですが
お墓の前でしけた顔をせずに、彼女らしく笑って母親の前で元気な姿を見せる事が出来た、そこに強い意義があったんじゃないかと思います
まだ何もかもが戻って来た訳じゃない、総ての溝を埋められたわけじゃないし、そもそも総てが埋まるとも限らないけど
だけどここにある“友情”は本物で、誰が何と言おうと乃々香自身が掴んで離さなかった“今”でもある
色々あって、辛い経験もしたけれど、ただ心から笑い合って認め合える親友が今乃々香の元にいるのも確かな事実
母親の教え通り自分からまた歩み寄って壊れかけていた距離感を修復して、またそんな「乃々香らしい」姿を見せにここに“戻って来た”
その顛末こそが最も感動的で、また「あの頃」のように何の隔たりもなくはしゃぎあう3人の姿が尊くもあった
そういう情感が水面下で漂ってビシビシ伝わって来たのでやっぱ何度観返しても確かな傑作回だったなと
そんな風に思えたのでした。

“忘れる”という行為は正直後ろめたい行為ではあります
本当は自分の事を覚えていて欲しいのに、辛いから忘れる為に苦心した
でもふと気が付けばそれは申し訳なく感じるくらいにやってはいけない事だったと気付いた
それが今となっては辛い事として乃々香の感情ラインにのしかかったわけですが
ただ、乃々香自身はちゃんと反省も出来るし“待たない”強さのある少女である事もまた事実なんですよね
迷いながらもお墓まで来た事自体がそんな乃々香の「誠実さ」の一番の証しだったんだと思う
今までの感想内で記述した通りにやっぱり柚季たちを忘れていたのは母親絡みだったわけですが
忘れても、柚季たちに対する“想い”だけは絶対に忘れる事はなかった
幼さ故の未熟さでさえ、
取り返そうとするくらいに「あの頃」から誠実なままの乃々香は今もここにいるんですよね
記憶はこじれても、乃々香の人間性だけは今も昔も変わらず愚直で真っ直ぐで、そして誰よりも意志が強くて―
そんな乃々香の変わらない姿を見れてお母さんも嬉しかったんじゃないかな・・・とか思いつつ
彼女の人を想う気持ちが直に伝わって来て観終えた後のカタルシスも本当に高かった回でもありました
無事に贖罪を果たしつつある乃々香の物語にすっかり夢中な私ですが
この後にはある意味ラスボス級の汐音が待ち構えています
彼女の想いは相当深さを感じるだけに(恐らくは乃々香が汐音にとって初めての友達だったっぽいし)
この贖罪を、あの日の“約束”を果たすのにはかなり骨が折れる事になりそうですけど
でも最終的にはそんな歪んでしまった汐音の気持ちさえ動かせるぐらいの誠実さを見せてくれると信じています
本当は今でもちょくちょく乃々香を意識するくらいに乃々香の事を想っている(はずの)汐音
その時を楽しみにしつつ、
情感たっぷりで正しく心にグッと来る話数をどうもありがとうございました、と。
なんだか普通にクスクス笑えばいい序盤のコメディパートですら過程を思うと物凄く尊く感じられるような・・・
そう考えると本当脚本の流れ、構成がしっかりしているアニメだなあってまじまじと感じてしまいましたね。

また「あの頃」のように素直に笑って、純粋に楽しんでいる3人の描写がめちゃくちゃ面白かったし、それこそが心にグッと来る回でした。
本当に良いアニメですわ。







それにしても柚季は豊崎さん演じるキャラらしからぬツンツンっぷりが新鮮で可愛いキャラでしたが
ここに来てすっかり豊崎さん演じるキャラらしくなって来たなあ、と思いました(笑
牛を観て「うし!?」ってキラキラしながら牛を眺める姿だったり
相変わらず3人娘の中で一番体力がなかったり、
お店のメニューをただ詰め込んだだけで自分の手柄にしようとする可愛くもある浅はかさがいかにも中学生っぽくて良かったですね(笑
なんか憑きものが落ちたみたいな感覚っていうか・・・。それでいて肝心な時に乃々香を後押ししてくれたりホントに良いキャラですね
凄く人間くさいっちゅうかね。
こはるはこはるでちょっと褒められると恥ずかしがるウブさがいいですね
あと何気にタフっちゅうか確かに肝が据わってる部分は強いのかもしれないです
その分好意に鈍感っていう弱点も抱えてますけどね 逆にその辺は柚季のが敏感っていうのも面白いなあ、と。

それにしても、本来の姿で遊んだりはしゃいだりしている3人を観ていて、
ある意味3話目のリベンジだなあ。っていう風にも個人的には感じました
あの時はまだ真実を知らなかったし、途中でこじれましたからね
しかもあの時よりも素直な笑顔で・・・
そういう変化した、成長した部分も垣間見れたのが余計に大きかったのかもしれません
やっぱりこじれている、いがみあってる過程の末に素直に笑い合うって方向性の話大好きだなあと再確認。
とっても素晴らしい前半のコメディパートの数々だったとはっきりと思いました。


一方でノエルと湊太の絡みも良かったです
今のところ柚季・汐音・湊太と各々とガッツリ絡んでますけど
今回の絡みも微笑ましいものでしたし顛末含めて面白かったな、と
円盤から離れる事が出来ない・・・っていうのも思い出作りの数々も何かの複線だったりするんだろうか・・・と思いつつ
最後にはドラマチックな「何か」が待ってそうで色々と期待もしています
今のところ自分の感じてるままのフィーリングで観れているのでとっても楽しいですね(笑
また、5人みんなで笑い合える時を拝めるのもそう不可能なことでもなさそうです。
そして、その時をいちファンとして待っています。














それにしてもサブタイトルも雰囲気たっぷりでとても良いですね
まあ先週は精神的にずっと落ちてて感想を書くようなモードでなく、この感想も8話の放送直前まで遅れちゃったんですが
でもやっぱ何度も観ててこの回も是非書きたい、と思えるような内容だったのがとても嬉しかったです。
乃々香の深い想いと誇れる今の姿と、あの頃のままの3人の笑顔と絡みと。素敵でした。




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