サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

天体のメソッド 第5話「光の花」 感想

2014-11-03 | 天体のメソッド
実は誰よりもナイーブで臆病だった柚季・・・。









今回は流石にちょっと涙線ヤバかったですね
ここ数週で大きくフィーチャーされていた「柚季問題」が一応の解決を迎えた訳ですけど、
彼女は彼女でただ単純に円盤を憎んでいた訳じゃなく、円盤を憎む事によって彼女の中に巣食っていた罪悪感を消したかった
本当は円盤を憎む事に何の意味もなく、そして“自分が悪い”って事も自ら理解していたのにそうせざるを得ないくらいに追い込まれていた
だからこそあの2話で乃々香が何も言わず手伝ってくれた時にあんなに泣きそうなくらい嬉しそうな表情を見せたんでしょうね
柚季の中ではもしかして「湊太の足をダメにしたのは柚季じゃないよ」って、そんな風に言われたかのような一時的な安らぎがあったのかも
「誰か」が円盤反対運動に参加してくれる事自体が柚季にとってはそんな罪悪感を薄めてくれる処方箋のように感じていたのかもしれません
そして、そんな彼女の心境を想像すると個人的に気持ち泣けるなあ・・・っていうのが本音ですね
心のどこかでは「助け」を求めてたのかもしれない。

だけど、そんな風に未だに、進んでいるようでその実「逃避」を続けていた柚季に対して
乃々香はあの日と同じように、柚季が“一番観たかった景色”を彼女に見せる為に毎日頑張っていた
乃々香だけじゃない、こはるも湊太も一緒になって「2007年の秋のあの日に叶わなかった風景」を蘇らす為にそれぞれの役割をこなしていた
そして、柚季はノエルから渡された昔のアルバムを観てあの日も今と同じように乃々香は約束を果たす為にあの場所に来ていた事を知る
振り返れば、あの日も今も“みんなとの約束”を果たせなかったのは自分のせいじゃないか―
そう感じた柚季があの日から重く閉ざされた「扉」を彼女自身でこじ開けまた再びみんなの元へと帰る・・・
その美しい顛末と感情の流れに思いっ切り泣きそうになってしまったのが正直なところで、何度も観返しては泣きそうになってる自分がいます。

柚季がずっと湊太の足を気にして悩み続けていたこと
若さと罪悪感の所為で「それが自分のせい」だと認めるのが怖かったこと
その想いすら凌駕するくらいに強い気持ちで柚季が“みんなとの約束”を7年越しで叶えに行ったこと
そして、今も昔も乃々香は真っ直ぐに柚季とも交わした約束を“本当のこと”にする為に頑張ってくれたこと―
あの日と何も変わらない二人がそこにいて、柚季はようやく罪悪感から解き放たれ素直な彼女の心境を涙を流しながら打ち明ける事が出来た
“7年越しの「ごめんなさい」”を乃々香に、こはるに、そして「お兄ちゃん」に告げる事が出来た・・・
その背景も相俟って涙線がヤバい状態になったのかもしれないですね
それも手伝ってくれたこはるや湊太の尽力があり、
何よりも素直な心でただただ純粋に、みんなのために自分のために、そして“柚季のため”に頑張った乃々香の想いがあったからこそ
棚ボタでも時が解決した訳でもない、乃々香自身の手でそのわだかまりを解消させたからこそ物凄く感動的だったんでしょうね
乃々香は確かに別れを告げられない「弱さ」があったし、母親の事もあったんだろうけど忘れてしまった「罪」もあった
だけど、あの日も今も友達に対する、自分にとって大切な人に対して向ける姿勢は何一つ変わってない―
それを改めて確認出来た、という意味合いでも胸に来ましたし大切だと思える話数になってました

自分の「弱さ」を認めて「素直さ」を手に入れる事が出来た柚季
少年少女の成長物語、思春期物語として正しく面白く感動的だったなあ、と思いました
特にノエルに見せてもらったアルバムから自分だけが約束を果たしてなかった事実に気が付いて涙してから後は本当にヤバかったっす
ここまで「天体のメソッド」を観続けて来て良かったなあ、と素直に感じる事が出来たのが何より嬉しかったですね
柚季が最初に湊太に謝られた時の「え?」っていう演技の相当のリアリティだったり
彼女の感情の揺らぎを丹念に表現された豊崎さんの熱演も非常に光ってましたね
なんだか元気そうに見えて一番ナイーブだった柚季が更に可愛く思えました。



こういう表情だったりも凄く良くて、
ただ単純に無鉄砲でおてんば娘ってだけじゃない一面を上手く表現されているなあ、と
長年ぎこちない関係性が続いてただけに未だにちょっとツンツンしちゃう妹っぷりも含めて可愛かったですね
この柚季は観る度に色々な一面が出てくるのでそういう意味でも観ていて飽きないキャラクターです
でもちょっとプリプリしてる時も個人的には「それはそれで可愛い」なんて思ってたり(笑
最終的には彼女がまた笑顔になれて良かったですよ。ええ。



今回は柚季の問題が解決して良かった、彼女の繊細な心情の流れが泣けた、って収穫だけではなく
みんなとの絆だったり、乃々香がしっかりと主人公らしく柚季を助けてくれた、ちゃんと変わらない誠実さを見せてくれたというのがありましたが
それに加えて汐音とノエルとのやりとりの描写も印象的でしたね

あのやりとりで汐音はノエルと乃々香の仲の良さだったり関係性を気にしてましたけど、
そこからちょっと嫉妬的なものも入ってるんじゃ?とか本当は何だかんだで気になるのでは?だとか
色々想像出来るようなやりとりにもなっていてただ可愛いだけじゃ済まない感情が水面下で漂ってました
まあ、単純に汐音に奢ってもらって大喜びで食すノエルも暴走しがちなノエルにタジタジになる汐音もどっちも可愛かったんですけど(笑
でも汐音が未だに乃々香に対して「未練」のような感情を、拭い切れない感情を抱えてそうな事は確かだと思いました
乃々香は変わったようで実は何も変わってない、あの頃のような純粋な気持ちを持てているキャラクターなので
いつかそういう気持ちが汐音にも伝わってくれるといいなあ・・・と期待しつつ
何気にすぐヘッドフォン被って逃げようとする彼女も彼女で抱えてる葛藤があるのかも、ですね

っていうか、その癖はちょっと「可愛いな」とも思いますがね(笑
彼女の感情の片鱗も垣間見えたのも個人的にはプラスでした。



可愛い云々で言えば、素直に優しく乃々香をサポートしてくれたこはるも天使レベルでしたし
彼女の乃々香のやることを信じる、信じてるよとはっきり言ってくれた性格の良さもまたすっごく良かったと思います
でも先週の泣き崩れるシーンもあれはあれでこはるの「弱さ」が出てて人間くさくて良かったですけどね
そしてノエルも相変わらず可愛くハンバーグを望んだり花火にワクワクするシーン等
思春期中心のストーリーの中で良い癒し役になっているなあ、と。
割と素直になれないキャラが多い分、
ノエルのような素直さの塊のようなキャラが逆にアクセントになっているのでしょうね
そういえば今月の電撃大王に付いてたクリアファイルでノエルちょっとせくしいな格好しててその記事も書いてるのでそっちもよろしく(宣伝)。
そういう風に感動的なお話の流れにグッと来つつもキャラの可愛さも十二分に味わえた傑作回に仕上がっていましたね。
元々ここまで好印象が続いてましたが正に本領発揮という言葉が相応しい、強く心に残る回になってるかなあ、と。
これ観てから過去の話数観返すとまた感じるものもありそうですね。素晴らしいです。
















これからは汐音の違った一面も観れそうな予感。



また、こんな笑顔を向けられる彼女が“戻って来て”くれて本当に良かったです。




最新の画像もっと見る