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炎天下の情事、思春期の衝動・・・きい「イレギュラー」 感想

2016-02-06 | 快楽天(きい)
                                  
                                  大人になる季節。











学生時代のアンニュイな雰囲気、
そんな日常からSEXという「非日常」に移るタイミングの高揚感と背徳と、
胸の中に焼き付くような深い愛情・・・それらが絶妙にミックスされて一つの「作品」として体を成している傑作と思いますきいさんの現時点での最新作「イレギュラー」。
タイトルは恐らく試合の中でのイレギュラーがまずあって、
レギュラーとマネージャーの二人が居ない、というイレギュラーと
その二人の関係性がふとしたきっかけから変わってしまったというイレギュラーって意味合いのトリプルミーニングなんだと思います(たぶん)

「官能的である」という事を真面目に突き詰めるとそれはもはや芸術であり、
ただ単に性欲発散のアイテムってだけじゃ済まされない良さがあると自分は思ってます
そう書きながらも今作にもしっかりとお世話になっているんですが・・・
でも、それも(当然ながら)成年漫画の魅力ですよね
お世話になれるし、
確かな芸術性がある
きちんと「思春期の情事」の衝動と中毒性を見事なまでに描き切っている本作は正にきいさんの本領発揮の一作であり
単行本発売直後の掲載としては完璧に近い出来栄えの新作と言い切れるでしょう
(ちなみに未だに単行本の感想書けてなくて少し後ろめたい・・・笑)。
(過去作の感想はちょいちょい書いてるので書けるまではそちらを是非カテゴリから読んでもらいたい)


きいさんは恐らく(ギャル文字からしても)女流作家だと思われるのですが
男の描き方が男から見ても半端なく上手いんですよね
ちょっとした格好付けと
拭い切れない女体への興味と、
一度火が付いたら抑え切れない性的欲求・・・
女性の繊細な可愛さを描くだけでも上手いのに、
ここまでリアルな男の子を描かれると正直凄味を感じてしまいますね
題材はなんと高校野球、っていうか前日ミスをしてしまった少年と励ますマネージャーの少女・・・という「青春」を描くにはピッタリなテーマでした
個人的にリアルタイムで読んだ時は「きいさんが野球をテーマに成年漫画描いてる!!」って妙な衝撃があった訳ですが・・・
また描いて欲しい
意地っ張りだけど、どこか繊細で憎めない宮琵に
とっても素朴で、さり気ない言葉の一つ一つが可愛い二篠さん
なんかもうキャラ設定の時点で完全勝利してるし、日常パートの時点で面白い訳ですけど(笑
そう、俺が成年漫画に求める「いいキャラ」と「感情移入出来る背景」をしっかりと兼ね備えている所もまた素晴らしい
パンツが見えて恥ずかしがる光景、しかもモロではなく座った時にちらっと見えてしまったというリアルさを含めて「ああ、いいなあ」と思えるものだったんですが
なんでしょうね、後半でガッツリと官能を繰り広げてるにも関わらず、前半でこんなにもほっこりニヤニヤ出来るラブコメ描写を挟んで来るテクニックが凄いです
しかも、ケツも相当良かったし・・・2016年はきいさん的にはケツ推しなんでしょうかね?笑
なんかね、俺は性癖に関してはとにかくどストレートというか、「いいケツを眺めていたい」「柔らかい胸を見ていたい」って二つだけなんですよね
いや・・・掘り下げればもうちょっとあるかもしれないですけど笑
咥えてる姿も大好きだしね
ま、そんな事はさておき(オイ)
一番象徴的だったのが一番最初のカットです
後輩ちゃんに(最中に)呼ばれてドキッとしている場面ですね。

二人とも「信じられない」「えっ・・・?」って感じの表情ですが
二篠さんはともかく、衝動的に襲った宮琵くんまでそういう表情をしてるのがまたリアルというか
みんなが練習している最中(さなか)に、そしてただの友達という関係性であったにも関わらずコントロール出来なかった衝動に
自分自身で驚いてる、ハッとしているあたりに強い生々しさがあり、それもまた本作の素晴らしいところなのだと思います。
そして呼ばれて話してる時に二篠さんの足が震えているのも細かくていいなあ、って感じますね。



甲子園ではなく、楽園にイっちゃってた模様。


更にこの作品の芸術性を高めているのが最中での演出です
ただ普通に情事に勤しんでいるだけではなく、
「ただの友達だった頃」の
何気ない風景をちょこちょこ挿入してくるお陰で
余計にただたわいもない話をしてるだけだった「日常」から
お互いの性欲を無我夢中でぶつけ合っている「非日常」に溺れている感覚が読者に伝わって来ます
上記のカットからの滑稽な小賢しい言い訳も生々しいですし、その後の「待ってて・・・」はエロシーンでもないのにやたら官能的でヤバい
ただ単純にバカ話、たわいもない話をするだけだった間柄が一瞬にして情事を共に励む関係性に変わっていく
その瞬間瞬間の背徳的であり陶酔してしまうような高揚感の描き方、それを盛り立てる演出には
ちょっとやそっとじゃ真似出来ない凄味とセンスが滲んでいます
はっきり書きますけど、きいさんの才能は本物です

ちなみに自分がお世話になったのは22ページのフィニッシュのシーンです(そんな事書かんでいい!)
その後の、さっきまであんなに無邪気に「友達」してたはずの二篠さんが
すっかり“オトナのオンナ”へと変わっている相様は
正に芸術的な官能と形容するしかない
猛暑の中練習しているメンバーには悪いんですが(笑
一足先に二人は大人の階段を昇ってしまった模様です
それも、かなりドラマティックに、
そして、あっけなく。
(そのあっけなさも思春期っぽい)

ちなみに宮琵くんはその後の練習には出たんですかね?SEXにハマり過ぎて野球が疎かになってない事を祈るばかりです(笑
でもなんでしょう、繊細な彼にはあっけらかんとした二篠さんが案外誰よりも似合うのかもしれませんね。
最後まで照れ屋だった宮琵くん、「どう」って言葉で済まそうとしている男の小賢しさも描いてる辺りきいさんの才能半端ない笑
全体的に、きいさんの持っている武器を総動員しつつ細部まで気合いが込められている現時点での最高傑作だと思いました
単行本の感想はこれから書く予定ですけど、まずはきいさんの才能を理解出来るという意味合いで(収録されてはないけど)名刺代わりに丁度いいんじゃないでしょうか
そんな訳で改めて本作の魅力を噛み締めたり、興味があればバックナンバーなんかで是非チェックよろしくです。











あと本作には関係ないんですが、
未だに「ソルトペッパーチョコレート」の記事に大量のアクセスがありとても嬉しく思ってます
これからも過去作も新作も自分なりの視点と感じ方で掘り下げたいと考えていますし、
かなり遅れてますが単行本の感想もUPする予定なので
きい先生応援ブログとしての本館も是非よろしくお願いします。




・・・っ最高。(超笑顔)




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