JBLの#375用のホーンは現在所有しているホーンの他に#2350やウッドホーンも試しました。それぞれに特徴のある「良いサウンド」がしていました。しかし、HL88,HL89、HL90のoldタイプ(537-・・・)が家庭用にはベストと判断し今日に至っています。
私の3大ホーンのシステムは基本的に同じようなユニットを使っていますが、その表現力はアンプ等の組み合わせも有ってか「全く違う表現力」の世界です。
ユニットはウーハーにD130(16Ω)かLE15A(16Ω)、ミッドは#375Trail仕様、高域はLE85orLE175+小型蜂の巣+#2405+デッカリボン(又はピラミッド)+ビクターリボンを統一して使っています。
HL89にシステムはバックロード箱にD130を組み合わせて低域を欲張っていません。その代り「深い」表現を求めています。普通の家庭で使えるサイズと仕様でまとめています。このシステムにはマッキンC40と3B252Bシングルアンプを組み合わせています。出てくるサウンドは「深みが有って、反応の早い軽いサウンド」がします。ヴォーカルやJAZZのピアノトリオを得意とします。クラシックもピアノトリオ等室内楽が絶品で聴けます。
HL88はオリンパスのシングルウーハー箱にLE15Aを取り付けて使っています。このウーハーが非常に悩みの種で既に4回同じ型番のウーハーをシリアル番号で聴き比べて交換しています。最も古いタイプ(シリアル番号の数の少ないもの)に落ち着いています。できれば150-4Cが手に入ればぜひ試してみたいです。他に候補はアルテックの803Aです。
C50箱の上に375+HL88(蜂の巣)はお決まりのスタイルですが、このHL88は音の出方が円を描くように広がりますので家庭で使うには非常に使いやすいホーンだと思います。ストレートに音が飛ばない処が気に入っています。でも使い方を誤ると「殺人兵器」の様にストレートに飛んできます。
オーディオ評論家の菅野沖彦氏のSPは、35年前(20歳頃)の「憧れのSP」でした。氏の箱はパイオニアの38cm用の箱にサンスイSP-707Jの格子を特注であしらってあるそうです。一般的にJBLオリンパスの箱の様に見えますので非常に興味をそそりました。自分はオリンパスの最初期型S6仕様のウーハー1発のモノを購入しています。S7RやS8Rと云ったパッシブ方式を嫌いました。実際にオリンパスの箱は容積が以外に小さくてWウーハーにはきついサイズです。またWウーハーには弊害も出ますのでシングルと最初から思っていました。
LE15Aは「粘るような低音」と表現されるように、オリジナルは決して良いサウンドでは有りません。シリアルNo20000番以降のモノは私には使えません。バタ臭さが気になります。「粘るような低音」は対策すれば消えます。訪ねてこられるお客さんの弁によれば「コルゲーションカーブ」の入っていないウーハー(アルテック515B等)の音の出方だそうです。
低域が伸びていますのでクラシックのオーケストラでグランカッサが入っていても十分再生します。その迫力は他のシステムでは出ません。
HL90は70年以上前のRCAのWフロントロード箱を組み合わせています。ウーハーはD130(16Ω)を各2発使っています。HL90はJBLホーンの中でも「最強」のホーンだと思います。音のキレ・ヌケの次元が全く違います。「生演奏」に最も近いホーンだと思います。アンプが少々非力でも「聴かせて」しまいます。このホーンを使った方は手放せないでしょう。しかし、このズータイの大きさとぶつかったら「怪我」をするホーンの形状から家庭では余程広いリスニングルームを持たないと使えないでしょう。狭くても使えますが危険と隣り合わせは「音楽」を楽しむのにはふさわしくないでしょう。
独断と偏見で簡単にまとめて見ました。まだまだいろいろな観点から書いてみたいと思います。