音楽を聴くために必要な帯域は20Hz~20KHzと云われています。これは「可聴帯域」と云って人間の耳に聞こえる周波数帯域の事です。これはオーディオをやられている方ならどなたでもご存じのことです。問題はその「質感」に有ります。
例えば「中音」を例にとってお話しましょう。仮に500Hz~10KHzとします。その帯域を再生させるユニットにコーン型、ホーン型、リボン型、ドーム型等々のユニットの方式の違いが有ります。
同じ周波数帯域でもコーン型やドーム型の奏でる音とホーン型やリボン型では質感が全く違います。それぞれのユニットでも高価格な高級品と低廉なユニットでも質感に違いはありますが、周波数帯域的には「満足」させる事が出来ます。
最近のSPにはホーン型ユニットが少なくなっているのが気になります。低廉なユニットに移っている様に思えます。
色々なSPを聴いてきた結果「良く出来たコンプレッションドライバーとホーンの組み合わせの質感に勝るものがない」と云うのが私の結論です。
コンプレッションドライバーの良い点として、「能率」が桁違いに高い事があげられます。100dBどころか#375クラスの2インチドライバーに至っては118dBも有ります。同じ音圧を得ようとすればコーン型SPの1/10以下のアンプ出力で使えます。
古いオーディオファイルの方なら一度は#375に挑戦された方も大勢いると思いますが、このドライバーの演出する音の世界は「卓越」した音の世界を予感されたはずです。しかし、残念ながらこのドライバーを使いこなした方が以外と少ないのが現状で、「咆哮」にヘキヘキして投げ出した話もあまた聴きます。
私もこの#375を最初に導入した時は「どうなるものか?」と思ったものです。3年たった今、この#375をてなづけてしまいました。うるささをほとんど感じないで#375の良い部分のみの音を使えるのです。
自宅の707Jシステム、事務所のオリンパスシステム、RCA箱システムのいずれも「荒々しいトゲトゲしい」サウンドとは無縁です。ヴァイオリンソロでは艶やかな音色を奏で、オーケストラを部屋に持ちこんだ様な演奏を体験できます。
先日の日曜日に同じオリンパスをお持ちのお客様をはじめ4名の方がお見えになりましたが、8畳の部屋でウーハーのパワーアンプの表示が40Wを指しているような状態で楽しんでいただきました。
結局はオーナーの「情熱」と使いこなしのノウハウが有れば誰でも使いこなす事が出来るのだと思います。