「鳴らし込み」の重要性は判っていたので、500Hrの鳴らし込みは必ず必要だとは判っていたが、既に800Hrを超えてもまだたどり着けない。けっして「鳴らし込み」を舐めていた訳ではないけれど、ここまで時間がかかるとは認識を新たにしなくてはならない。
従来の認識は、「ケーブルのグレードアップ途上」に有ったので、階段を一歩づつ上る過程での経験則であった。今回は「新規導入」した機器を使ったので、この推測が当てはまらない結果となっている。一般的な性能のケーブルならば500Hrで完全に仕上がっていると思う。自分としては「最終形」のケーブルに仕上げて、機器(1台)、のみ入れ替えを実施した事で、これまでとは比べ物にならないほどのギャップが生じた現象だと捉えざるを得ない。
現在の「オリンパスシステム」ではサウンド的にはほぼ合格のレベルだが、音楽の「琴線」に触れる「質感」が出ていない。低域も高域ももっと伸びても良いはずだが、一応バランスは取れている。中域の厚みもあり分解能にも不満はない。だが「琴線」に触れる感覚がない。まだ「チャンデバの音」の状態。毎日鳴らし込みを続けていて、毎日少しづつ良い方向に変化をしている。500Hr前後で一応ひとつのエポック点が来た事は確認できた。本当の鳴らし込みはこれからなのだと再認識している。
一般の住宅(オーディオ的な対策をしていない)で、ハイエンドクラスの再生は可能かを検証するのもひとつの目的としている。だから電源系を「壁コン」以上に手を加えるつもりは今のところない。2インチスロートのドライバーを使ったシステムが「和室の7畳半」程度で使えることになれば、6畳程度でも鳴らせるめどが立つ、更に広いと部屋ではかなりのアドバンテージを見て鳴らすことが出来る。
ここが我慢の為所だと思う。じっくり腰をすえて「鳴らし込んで」行こうと考える。「琴線の音」が出れば合格である。