Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

JBL#4343A SPの思い出

2016年03月12日 | ピュアオーディオ


久し振りに「スピーカー」の話題を続けましょう。オーディオの花は「スピーカー」だと思う。置き場所的にも一番スペースを取りますし、部屋の大きさともスピーカーのサイズは絡んできます。また憧れのSPを手に入れた時の喜びも大きいと思います。自分が使ったSPの中でJBL#4343は27年間も一緒にいました。

1976年頃に「4343」を手に入れたと記憶しています。当時20代半ばの私には大きな買い物でした。それも結婚して間もなくの事で子供もいました。ローンで買う予定でしたが。奥さんが自分の貯金を出してくれて、一括払いで購入しました。奥さんに感謝しています。今でもその念は変わりません。

当時はJBLの#43シリーズのモニターSP全盛時代で、デザイン的にもシンメトリーなユニット配置の「4343」に人気が集中していました。#4343は高嶺の花で初めは買う予定ではなかったのです。#4320を買う予定でオーディオショップに行ったのですが、4320は製造が終わっていて入手困難な状態で、代わりに#4343・・・になった訳です。

当時使っていたアンプは、タンノイアーデン用にしていたLUXMAN SQ38FDⅡでした。これではさすがにアーデンも出力不足でしたので4343も鳴る訳が有りません。しかし、そう簡単にアンプが買える訳でなく、20年計画でシステムを作り上げる様に考えていました。3年ほどしてビクターのラボラトリーシリーズのプリ+パワーアンプにして、ようやく体裁が取れる様になって来ました。しかしサウンドは惨憺たるものでした。まず「ソプラノ」等の歌が入っている曲はまず耳をつんざくような音で、とても聴けたもんじゃなかった。ボーカル物は避けて聴いていました。

40歳頃にマッキンのC29+#2500の組み合わせにして、何とかまともなサウンドになって来た。しかし相変わらず「ヴォーカル」はダメでしたね。ソース機器もアナログLPからCDに変わっていました。

その後、自宅を建てた借金も完済し、子供も手がかからなくなって来たので、2ウェイマルチアンプを導入しました。チャンデバにアキュフェーズF5、クロスは410Hz(?)だったと思う。高域用アンプにM-60×2台とマッキン2500とハイパワーアンプの組み合わせでした。M-60は低域のドライブでは#2500には到底かないませんでした。その代わり、高域の美しさは特筆するところが有りました。菅野氏が高域で使っていたのが理解できました。

「#4343」のSPはJBLの失敗作だと思います。当時は4ウェイだとか広帯域だとかでもてはやされていましたが、例えば「女性ヴォーカル」の場合、声が25㎝ミッドバスと中高域の2420ホーンから出て来るのです。帯域が低いとミッドバス、高くなるとホーンから。ミッドバスは「コーン型」、中高域は「ホーン型」ですので、質感が大きく違います。いつも違和感を覚えていました。また#2420は1インチスロートのドライバー。1インチのスロートでは「原寸大」の再現は不可能です。#375等の2インチスロートのサウンドを聴いてからは「ミニチュアサイズ」に聴こえてがっかりしました。

この4343に「手を入れて」良くしようとも考えたのですが、ネットワークの配線部が華奢で強度不足の様なので諦めました。そして現在の#375を使った「オリンパスシステム」や「SP-707Jシステム」に取って代わられました。

JBLはプロ用よりコンシュマー用の方が「音質」は上ですね。多分ユニットのコストダウンがされているのだと思います。1972年頃を境に出て来た「プロ用シリーズ」の前のユニット類の方がグレードは上だと思います。ただし、ホーン型SPは使い手に有る程度のスキルを要求します。万人向けでは有りませんが、うまく調整した時のサウンドは万人向けのシステムとは一線を画すサウンドになります。

自宅でSP-707Jシステムに取って代わられた4343は、その後息子宅に行き、ウーレイ813Bシステムに取って代わられました。