1960年代のレコード制作スタジオにはALTEC #612A(604E)が殆ど設置されていました。#612Aを爆音に近い音量でモニタリングされていたそうです。私が思うに、低音が出難い箱なので、低域を出そうとしてして音量が上がっていたのではないだろうか?
1970年代はJBLの#43シリーズが#612Aに取って代わる様な普及を始めます。#4311のコンパクトモニターや#4320、4331、4333、4343,4345,4350等の非常に大きなバリエーションンが出来ました。”612Aとの大きな違いは、「低域側への周波数帯域の拡大」(より低音が出るようになる)だと思います。その分SPユニットの能率が100dbから90db代に下がりました。
1980年代には、ウーレイモニターやATC等、モニターSP全盛時代になり、各社モニターSPを出して来ます。YAMAHAのNS-1000Mやリファレンスコントロール3A等の小型のSPも出て来ました。
モニタースピーカーは「プロ用」で有る事が、「耐久性・音質」等で優秀だと勘違いされて一般ユーザーに浸透して行った様に思う。1970年代の国産SP達は、チョッと入力を入れすぎると「ツィーターが飛ぶ」故障が多かった。その為「故障しない」丈夫なSPが優秀なのだと勘違いしていた処が有った様に今思うと感じる。実際。自分もその頃は「壊れないSP」としてJBLのL-100を選択した。
「丈夫で壊れなく、高音質」であるとして「モニターSP」礼讃の風潮が出来た様に感じる。しかし、モニターSPにアレルギーを起こすベテランのマニアがいたことも事実である。自分もこの年(60歳以上)になって、「モニターSP」はもう要らないと思う様になった。それよりも「音楽を楽しませてくれる」SPの方が良いと思う様になって来た。
つづく。