Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

マルチアンプシステムを成功させる極意

2013年09月19日 | ピュアオーディオ

長年オーディオをやっておられる方は、一度は「マルチアンプシステム」を考えたり、トライしたりした事が有ると思います。

マルチアンプシステムのメリットは何だろうか?私の経験則では、
①音数が極端に増える
②低音・中音・高音のバランスを細かく調整できる
③アンプとSPユニットの組み合わせが自由で質感アップが出来る。
④トータルとして大きな「音質アップ」が出来る。

しかしデメリットもある。コストアップする。
A)アンプの数が増える(コストアップ)
B)当然アンプが増えると電源ケーブル、ラインケーブル、SPケーブルも増える(コストアップ)
C)設置スペースも必要(コストアップ)
D)調整箇所が多くなるので、バランスを壊しやすい・・・初心者は避けたほうが良い

メリット・デメリットにはまだまだ他にも有ると思いますが、ここではこの辺で止めておきます。

マルチアンプシステムを成功させる極意とは? 私の経験則で述べてみたいと思います。

1)ケーブル類は電源ケーブル、ラインケーブル、SPケーブルを各々同じ物で統一する事。
   伝送を同じ条件にする事が非常に大事。・・・質感やエネルギー感を揃える

2)SPユニットにあわせたパワーアンプにする事。
  SPユニットの許容W数と能率を考えて、壊れないシステムにする。

3)一通り完成したら、「鳴らし込み」を毎日2時間以上で累計500時間以上する事。
  「苦行」になります。初めは部屋中がビビリまくり、中音・高音からピーキーな音が出ます。
   累計500時間くらいになりますと、各機器が活性化して、段々聴きやすくなります。

4) 3)が完了しても更に鳴らしこみます。・・・更に機器が活性化します。
  サウンドの質感が上がってきます。
5) 4)までが導入編でこれからが本格的なマルチアンプシステムの始まりです。
  ケーブルやアンプ、CDP等のグレードアップをして「求めるサウンド」に近づけていきます。
  新しい機器(新品・中古でも)を導入したら、また500時間の鳴らし込みです。
  ここまで来ますと先の経験が生きてきますし、ストーリーが見えていますので我慢できるでしょう。

マルチアンプシステムを作る事は「苦行」の連続です。最初の500時間(2時間/日以上で約半年以上)を我慢できるか?出来ないか?で、成功するかしないかが決まると思います。

500時間以上になりますとサウンドが落ち着いてきますので、今度は「音質アップ」を実感できて楽しくなるでしょう。

今までマルチアンプシステムにトライして失敗した方の多くは、この累計500時間の「壁」に跳ね返されていたのだろうと個人的には推測します。

長い一生の中で、たかが1年程度の我慢でその後の「音質」レベルを高い状態に出来るのですから、メリットは十分有ると思います。プリアンプとチャンデバの選択は非常に重要です。

  

オリンパスシステムの進捗

2013年09月18日 | ピュアオーディオ

毎日朝9時頃から夕方6時頃まで鳴らし込んでいます。管球プリ1号も使い出して約1ヶ月になり、ボリューム位置も11時の方向で目一杯だったものが12時の方向まで使えるようになりました。

サウンドもバランスが随分改善されてきましたがまだ中音を強く感じます。この中音が目立たなくなれば更に聴き易くなるのでまだ鳴らし込む必要が有ります。

C-290から管球プリに換えた理由は「音の厚み」と「滑らかな音」の確保です。オーケストラの演奏では、音の厚みは演奏者の数が増え、滑らかさは弦楽器群の質感が良くなります。その意味では非常に好ましいのですが、一方、打楽器群のキレが少し落ちるように感じています。なかなか全てを満足させる事は難しいのかも知れません。


失敗が有って成功がある。

2013年09月17日 | ピュアオーディオ

最近は「失敗を恐れて冒険をしない」方が増えている様に感じます。仕事でも「失敗=減点」みたいな銀行の「減点方式」の考え方が幅広く浸透した時期が有りました。「減点方式」は現在が100%で失敗(ミス)が有れば減点されてしまいます。加点は有りません。こんなのが世の中にはびこったら「進歩」は有りません。新規のモノへの改善も出てこないでしょう。

個人的には加点方式」の考え方をしています。人間はだれでも「経験不足」、「考え不足」があると思っています。自分の知らない事に挑戦するからこそ「存在意義」が有るのであって、人まねばかりでは能が有りません。模倣から始まって、自分の世界を切り開いて行くバイタリティが大切だと思います。「失敗から学んで成功を導きだす」プロセスも非常に大事です。

オーディオも「アーダコーダ」と考えて何もしないより、自分にできる事をコツコツと積み上げて行く方が着実に進歩すると思います。「絵に描いた餅」では何も始まりません。行動が伴ってこそ実存的です。


今回の挑戦は失敗だったかも・・・

2013年09月16日 | ピュアオーディオ

オリンパスシステムの鳴らし込みを続けています。現在では楽しめるサウンドになっていますが、この先鳴らしこんで何処まで行くだろうか?と予測した時、どうも思惑とは違う方向に治まるように感じます。

オリンパスシステムは「モニター」として使うつもりですので、JAZZもクラシックも高い水準で再生する事を目標にしています。今回プリアンプを自作管球式プリにした事で、「クラシック向き」のサウンドになって行く様に感じます。

旧事務所時代にはプリアンプにアキュフェーズのC-290を使っていました。アキュフェーズくささの排除と、弦楽器の表現の質を高めたくて管球プリを選択しましたが、デバイスとしての真空管は「弦楽器」や「ボーカル」の再生には、艶やかでさざなみの様な弦楽器の再現で非常に良いのですが、ピアノの音やドラムス・シンバルの音のキレと、低音のパワー感や押し出し感では半導体のアンプにかないません。

特に低域は出てくる音の70%を占有しますので、ここの質感が全ての音の基音になります。この基音に倍音が乗りますので非常に大事なのです。

管球式には管球式の良さが有り、Tr型プリにも特長的なよさが有ります。折衷型が良いと思われるかも知れませんが、なかなかそうは問屋がおろさないのが現実です。

このまま管球プリ1号は鳴らしこんで「自宅専用」になるかも知れません。自宅のシステムに求めている質感です。


まだまだ変化している

2013年09月15日 | ピュアオーディオ

オリンパスシステムの鳴らし込みを続けています。チャンデバも活眼したはずなのですが、この先が有る様なのです。

システム内での伝送のネックは「チャンデバ」に変わりは有りません。が、しかし、プリアンプも使い始めたばかりでまだ本領発揮していなかった様です。現在はプリアンプが活性化した分へチャンデバが対応している状況で、サウンドが良い方向へ変わって来ています。

予測していた「重心が下がる」方向と「ケーブルの質感」が出始めています。同じCDを午前中と日々の終了間際の比較では変わっている事を認識できます。

少し後悔もしています。7年間も鳴らし込んだC-290を2台も手放してしまった事。「こんな音直ぐに手に入るさ」と思っていましたが、時間のかかる事。「苦行」の鳴らし込みの時間は非常にもったいなく感じる。


使いこなしたシステムにしか出ない音が有りそうだ

2013年09月14日 | ピュアオーディオ

旧事務所時代にオリンパスシステムはかなり良い状態にまで仕上げていました。今回プリとチャンデバを交換して鳴らし込んで思う事は、「良いシステムは一朝一夕には出来上がらない」と云う事。

機器やケーブル類を2~3年程使い込んで、しっかり鳴らし切ったシステムは、開放された様な鳴り方をしていると思う。一度出来てしまえば、復元は簡単だと考えていたのですが、なかなかそうは問屋が下ろさない。鳴らし込みの時間がいかに大変かを痛切に感じています。

現在のオリンパスシステムは、旧事務所時代とはプリとチャンデバは変わっただけなのに、500時間以上鳴らし込んでいるのにまだ「ふん詰まり感」を感じる。この「ふん詰まり感」を抜け切るにはどれくらいの鳴らし込みが必要なのだろう。

旧事務所時代のオリンパスは8年間ほどグレードアップを続けました。その間づーっと毎日5時間ほど鳴らしっ放しでした。この無意識のうちに鳴らし込んだ時間が非常に重要だと感じる様になっています。


チョイ聴きでの判定は避けた方が良い

2013年09月13日 | ピュアオーディオ

今回チャンデバの活眼の為に100日を要しました。毎日5時間以上鳴らし込んでの100日(500時間)です。一般の方なら2時間/日ぐらいが限度でしょうから、500時間を逆算すると8ヶ月ほどかかるのではないか?

良い電源ケーブルや良いラインケーブル、良いSPケーブル(伝送容量が大きい)程、「ふん詰まり」し易くなります。それは相対的なモノで、現在使っているケーブルに対して性能差が大きい程「ふん詰まり」の症状も重く、ヌケルのにも時間がかかります。「ふん詰まり」のサウンドを聴いて「これは性能が悪い?」や「合わない?」等の判断は拙速にはすべきではない。

今回のチャンデバ導入で「ふん詰まり」の初期の音は、それはそれはひどいサウンドでした。低域は出ない、高域も出ない、中域はピーキーで音のバランスは大崩。活性化及び活眼する事が判っていたからこそ我慢できた点でも有ります。この経験を以前にしていたので今回は待てたのです。こう云った経験をお持ちでない方は「拙速な判断」で、マルチアンプを投げ出したり、機器を投げ出したり、ケーブルの性にしたりと誤った行動に走る可能性が有ります。マルチアンプに挑戦された経験をお持ちの方なら、既に体験済みかもしれません。

旧事務所ではケーブルの開発をしていましたので、ステップBYステップで階段を上がる様に音質アップをしていましたので、ギャップの小さい状態で使用できた可能性が有ります。今回は、ケーブル類は完成していて、チャンデバのみ新規導入となったので、「ふん詰まり」が顕著に出たのだと思います。

この点から、「ケーブルの買い替えの無駄」は有る程度必要との認識が出来ました。初めから「最高級クラス」のケーブルを購入すれば無駄が少ないと云えるでしょう。しかし、導入過程で「ふん詰まり」の音で「苦行」の時間も長くなり、それに耐えられなくなると思います。大よそ1年間も「苦行」を続けるなんて、常人では我慢の限界になると思います。でも「音質アップ」をしたいならこの「壁」を乗り越えないと「次元の違う世界」は手に入りません。

1週間に1回程度や月に数回程度の使用頻度の方は「ふん詰まり」の解消はほぼ絶望的な「壁」になります。好きで毎日聴かずにはいられない・・・と云う音楽マニアしか到達するのは難しいのかもしれません。


鳴らし込みはこれからが本番

2013年09月12日 | ピュアオーディオ

ようやくチャンデバがヌケて、システムトータルとしての鳴らし込みに入ります。これまでは新規導入したチャンデバが他の機器と大きな伝送差を持っていたので、「正常化」する為の鳴らしこみでした。システム全体として「伝送」の最低ラインが確保された事になります。これからは更なる可能性への鳴らしこみになりますので、「苦行」は有りません。現状でも音楽を聴くのが楽しくなるくらいです。

音数的には旧事務所時代も含めて今までで最高の水準になっています。艶やかさや余韻も非常に多く、左右のバランスも揃って、奥行き感もよく表現しています。これからの「鳴らし込み」は可能性を開拓する事になります。

プリアンプを管球式にした事によるメリット・デメリットが有ります。現時点では質感的には最高水準で非常に良いのですが、「生音」の観点からはチョッと離れています。「ただの音」にこれからどれだけ近づけるかが「鳴らしこみ」のポイントです。音のヌケ・キレ・ノビがこれからはもっと改善できると思います。それに「音の重心が下がっていく」と思います。

今までもこれからも「鳴らし込み」をして、「結果」も求めますが、その「過程」でどのような変化をするのか、観察していく事も大変重要な事です。経験則を重ねる事で次の変化を予測できます。


管球プリアンプ1号・2号の完成

2013年09月11日 | ピュアオーディオ

ようやく管球プリアンプ1号と2号が完成しました。今年3月時点で2台とも一応完成したと思っていましたが、良く良く聴きこんで行くと不具合点が有り対策していました。パーツがなかなか手に入らない事や取り付けが一工夫必要な事も有り、時間がかかりました。

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上の写真のプリが管球プリ1号。内部は全て手配線。MC昇圧トランス内蔵。不具合点は、ボリュームコントロールが出来ない点でした。

ボリュームはアーレン・ブラッドレーの250KΩを使っていましたが、同じアーレンの500KΩに変更してボリュームコントロールを確保しました。こちらはパーツを手に入れるのに時間がかかりました。先月の8月12日には完了しています。当初はクラロスタットの500KΩを考えていたのですが、購入したモノのシャフトの長さが10mmぐらいしかなく、取り付けが出来ませんでした。せめてあと3mm有ればこのアンプに使えたのですが・・・。現在オリンパスシステムのメインで使用中。

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こちらが管球プリ2号。指定では100KΩですが今回500KΩのクラロスタットのボリュームを使いました。こちらもシャフト長10mmでは取り付けできませんが、工夫して何とか取り付けました。250KΩでもボリュームコントロールが難しく、1号と同じ500KΩになりました。現在自宅SP-707Jシステムで使用開始。しばらく使って見てオリンパスでも使って見たいと考えています。

1号も2号も自宅とオリンパスで音量を確認した時に、ゲインはほぼ同じだと感じましたが、同じ500KΩでもアーレンとクラロスタットではボリューム位置が大きく異なります。メーカーによる違いなのでしょう。出てくるサウンドもバランスが違うので印象が大きく変わります。2号は昨日完成したばかりなので、しばらく自宅で使って安定化させます。


チャンデバの「ふん詰まり」が完全にヌケた

2013年09月10日 | ピュアオーディオ

今日朝一番に曲をかけて見ると、昨日までとはまるで違う。完全にヌケている。「見通しの良さ」が出ているので、今回は「電源ライン」がヌケたと判断出来る。

前回8月27日にも同じ「ふん詰まりがヌケた」と書いたが、こちらは信号ラインがヌケていた。「ふん詰まり」は、以前から云っている通り「信号ライン」と「電源ライン」が有る。どちらかと云えば「信号ラインの方が早い。電源ラインはどうしても複雑にからんでいるので遅くなる。

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「見通しの良さ」は電源ラインが良くなると改善される。上の写真の様に真ん中に背の高いラックが有り、音場を邪魔すると思われるが、完全に「ヌケ」るとSPやラックの存在が消えるのです。これから更に鳴らし込んで行けば、「サウンドが柔らかくなって行く」と云うのが私の経験則です。

今回プリアンプとチャンデバを入れ替えしましたが、並行して行っていた自作管球プリアンプ2台共に「完成品」に仕上げています。現在は1号をオリンパスに使っていますが、2号も試してみたくなります。どちらのプリもボリュームを交換していますので、音量コントロールが良くなり、更に音質の印象もかなり変わりました。