令和4年8月10日
岸田改造内閣、10日発足
岸田文雄首相(自民党総裁)は10日、内閣改造・党役員人事を行う。
経済安全保障担当相に高市早苗政調会長(61)、防衛相に浜田靖一元防衛相(66)、デジタル相に河野太郎党広報本部長(59)を充てる。
初入閣組では、総務相に寺田稔首相補佐官(64)、法相に葉梨康弘氏(62)、文部科学相には永岡桂子氏(68)の起用が固まった。
初入閣は9人。
寺田氏ら3人のほか、西村明宏筆頭副幹事長(62)は環境相、谷公一氏(70)は国家公安委員長・防災担当相、
小倉将信氏(41)は少子化担当相、秋葉賢也氏(60)は復興相にそれぞれ就く。
参院の2人も初入閣で、岡田直樹参院国対委員長(60)は地方創生担当相、野村哲郎氏(78)は農林水産相への起用が内定した。
加藤勝信前官房長官(66)は厚生労働相、西村康稔前経済再生担当相(59)は経済産業相として再入閣する。
山際大志郎経済再生担当相(53)、公明党の斉藤鉄夫国土交通相(70)は続投する。
松野博一官房長官(59)、林芳正外相(61)、鈴木俊一財務相(69)も留任する。
政権の骨格は維持しつつ14人を入れ替え、新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰などの懸案に取り組む。
党執行部では、麻生太郎副総裁(81)、茂木敏充幹事長(66)が続投。
総務会長に遠藤利明選対委員長(72)、政調会長に萩生田光一経済産業相(58)、
選対委員長には森山裕前国対委員長(77)が新たに就任する。
高市氏は銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相と思想信条が近い。
高市氏の後任となる萩生田氏は最大派閥の安倍派に所属する安倍氏側近として知られる。
重要ポストを任せることで党内の保守系に配慮する狙いがあるとみられる。
一方、森山氏は菅義偉前首相や二階俊博元幹事長に近い「非主流」の重鎮。
首相は挙党態勢の構築を目指す。
首相は人選で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係も考慮。
自民党議員とのつながりが相次ぎ発覚したことを受け、長崎市での9日の記者会見で「自ら点検し、
厳正に見直してもらうことが新閣僚、党役員においても前提となる」と強調した。
自民党は10日の総務会で役員人事を正式決定。
首相は臨時閣議で現閣僚の辞表を取りまとめた後に組閣本部を設置。
新たな閣僚名簿の発表、皇居での認証式を経て改造内閣が発足する。
◇内定した人事
【自民党役員】
副総裁 麻生太郎 81 麻生派(留)
幹事長 茂木敏充 66 茂木派(留)
総務会長 遠藤利明 72 谷垣グループ
政調会長 萩生田光一58 安倍派
選対委員長 森山 裕 77 森山派
国対委員長 高木 毅 66 安倍派(留)
【閣僚】
総務 寺田 稔 64 岸田派(初)
法務 葉梨康弘 62 岸田派(初)
外務 林 芳正 61 岸田派(留)
財務 鈴木俊一 69 麻生派(留)
文部科学 永岡桂子 68 麻生派(初)
厚生労働 加藤勝信 66 茂木派
農林水産 野村哲郎 78 茂木派(初)
経済産業 西村康稔 59 安倍派
国土交通 斉藤鉄夫 70 公明党(留)
環境 西村明宏 62 安倍派(初)
防衛 浜田靖一 66 無派閥
官房長官 松野博一 59 安倍派(留)
デジタル 河野太郎 59 麻生派
復興 秋葉賢也 60 茂木派(初)
国家公安 谷 公一 70 二階派(初)
地方創生 岡田直樹 60 安倍派(初)
経済再生 山際大志郎53 麻生派(留)
経済安保 高市早苗 61 無派閥
少子化 小倉将信 41 二階派(初)
※敬称略。名前の右側は年齢、所属派閥・党など。留=留任、初=初入閣
◇10日の流れ
【自民党人事】
午前9時半ごろ 新役員呼び込み
10時 臨時総務会で新役員了承
10時20分 初役員会
10時45分 新役員記者会見
【内閣改造】
11時半 臨時閣議で閣僚辞表取りまとめ
午後1時 与党党首会談
組閣本部設置・新閣僚呼び込み
新閣僚名簿発表
皇居で閣僚認証式。第2次岸田改造内閣発足
6時 首相会見
初閣議