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先日、車の整備関係でお世話に成っている人と話をした・・・
彼は何年か前に胃がんの手術をしたと聞いていたので、少々気には成っていた。
思い切って、「手術をして何年経ったの?」と・・・彼曰く、「5年経った」と
身体は至って快調だと仰っていたので安心しました。
彼は私と同い年だから、他人事のようには感じられなかったので、本当に嬉しかったですね。
今朝は、胃の切除をした人が経験する後遺症対策を紹介した記事を転載してみます。
~以下、6月9日読売新聞朝刊より抜粋~

胃切除後の体重減対策は
消化酵素薬と運動で回復
日本の胃がんのしんりょう水準は高い。6割の患者は再発しないため、数あるがんの中では比較的「治るがん」と位置づけられつつある。一方で、胃を切除した人の多くは様々な後遺症を抱えており、その一つが極端な体重減少だ。どのような対策が可能なのだろうか。■ 後遺症悩みの半数(野村昌玄)
胃がんの治療は、ごく早期では口からカメラを入れてがんを切除する内視鏡治療が可能だが、標準的な治療法は胃の3分の2以上を切除する外科手術だ。
胃を切除すると、めまいや動悸と言った「ダンピング症状」や、貧血などの後遺症が起こりやすい。体重減少も多く、胃を全摘した患者の9割以上が5年以上経ても手術前の体重に戻らない、との報告もある。
胃がんなどで胃を切除した人達で作る患者会「アルファ・クラブ」が2004年、手術後3年以内の患者約320人に行ったアンケート結果(複数回答)によると、主な後遺症としては「おなら」(55%)、「やせ」「疲れ」(ともに49%)、「ダンピング症状」(38%)などがあり、体重の減少に悩む人が半数を占める。
横浜市の主婦A子さん(49)は、08年に胃がんの手術で胃を3分の2切除した。退院後は、指導された通り、好きな物を少しずつ食べたが、下痢や貧血がひどくなり、体重は1年で8キロ以上減った。下痢止めを使っても改善しなかった。
■ 「グレリン」が欠乏
東京慈恵医大客員教授の青木照明さんによると、胃を切除した後に体重が減るのは、単に胃が小さくなるからではない。大きな要因は、胃での分泌量が9割以上を占めるホルモン「グレリン」の欠乏だ。
グレリンは、脳下垂体からの成長ホルモンの分泌や、食欲増進、エネルギーの保存などを、脳と通して促す司令塔。最近の研究で、脳を経由せずに直接、臓器に作用する可能性があることもわかってきた。
胃を切除すると、胃酸やペプシンなどの消火液も分泌されなくなり、共に働く膵液や胆汁などの消化液の作用も急激に下がる。下痢が頻繁になり、小腸での栄養の吸収が妨げられる。このため、筋力や骨量の低下などにつながる「病的なやせ」に陥る恐れがある。
よくかんで/流動食型の栄養補助食品も有効
■ 筋力低下は禁物予防には何が必要なのだろうか。
青木さんはまず、唾液中の消化酵素を生かして小腸での吸収を助けるため、食べ物をよくかむことを勧める。そのうえで、胃が分泌していた消化液を補う消化酵素薬を医師に処方してもらい、食事と一緒に常に服用する事が大切と言う。
必要な栄養をバランスよく摂取できる流動食型の栄養補助食品も有効だ。薬局で手に入る市販品もあり、積極的に活用したい。
また、術後の体力の低下を心配して筋肉を十分に使わないければ筋力が落ちる。すると、骨の強さを維持するためにかかる負荷が減り、結果的に骨も弱ってしまう。このため、最低でも1日1回は、少し汗ばむ程度の運動を継続しよう。
A子さんは10年春から、医師が処方する消化酵素薬を毎食後飲み、一日5000歩以上歩くようになった。ストレッチや筋力トレーニングなども、無理をしない範囲で続けている。今ではほとんど下痢もせず、体重も3キロ増えた。
青木さんは「胃を切ったから体重は増えない、と決してあきらめずに、食生活の工夫と運動を実践してほしい」と勧めている。