
アンタレス周辺(再録) Photo by かんと氏
われわれの祖先である洞穴の住人が、火を手なずけることができるようになってから幾万年が過ぎたのだろうか。ここへきて燃焼にともなう二酸化炭素の排出が原因とされる地球の温暖化は、生命を育む特異なこの星の未来に、暗い影を落とし始めている。
太陽はまだ50億年もの寿命があるということだが、われらの地球は億年もすれば膨張する太陽に焼かれ、やがてもっとずっと遠い未来には、のみ込まれてしまう運命にあるらしい。そんな未来まで、人類が存続するとはとても思えないが、そのことは思えても思えなくても、どうでもいい。しかしもし、もし、人類の名残である知性がしぶとく存続していたとすれば、それがどんな姿であろうと(肉体を脱ぎ捨ててしまっているかも)、億年はある。われわれには想像もつかないような方法でそんな問題も解決して、孤独な銀河の構成員の身分を保持している、と思っていたい。
しかし現在のわれわれが直面し、模索していることは、そんな桁外れの次元のことではない。地球の温暖化を防ぐための対策であり、知恵である。その候補のひとつが久しく有望視されてきた原子力だが、さて人類はかつて洞穴の住人が成し遂げたように、原子力を「手なずける」ことができるようになるのか否か、その答えはまだ出ていない。
それにしても万年の人類の歴史において、相も変わらず地球のあちこちで、争いは絶えることがない。人間の本性はあまり進歩できないまま、どこへ行こうとしているのだろう。
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