入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’16年「冬」 (14)

2016年01月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  残念だが今日の写真では、何処かの冬のさびれた街道としか見えないだろう。一番奥の山が鋸岳だと言ってみても、まさにその名前が伝えるような山容を想像することはできない。しかしここに来れば、充分に迫力のある雪を被った鋸岳の、冬の姿を肉眼で眺めることができる。そして仙流荘はこの左手にある。

 山ですき焼きを食べることを山行の重要な目的にしていたYが、もう一つ大事にしていたのが休憩であった。重い荷を背負い、汗水流し疲労と闘いながら歩き続けてほっと一息入れた時の快感、いつまでもその場にいたくなるような壮大な眺めの中で味わう安らぎ、彼にはそれが山行の堪(こた)えられない悦楽だったらしい。
 しかし、多くの登山者にとっては、それはあくまでも中途の、目的の山の頂上を踏む一過程に過ぎないだろう。そこでへたりこんで快感してばかりはいられない。疲労が癒され薄れていく中でも、登行への意欲、緊張を温存していなくてはならない。そして同じ労苦と、休憩とを何度か繰り返してようやく、山頂に到達し、本当の開放感と達成感を満喫することになる。それが一般的な登山だろう。しかしYは違うらしかった。
 そんなYについて思い出すことがある。岩登りはしなかった彼も、奥又白池への急登を何度か経験している。取り付きからなら3時間ほどの行程だが、いつもばらばらになり、先頭と最終では1時間以上も差がついた。そういう時、休憩をこよなく愛するYは、当然、最終であっておかしくなかった。ところが小柄ながら常に冷静沈着なNと、登攀には抜群の力を発揮するHが、大体Yに先を譲った。
 彼らよりも先行してテント場に着いたYは、遅れてきた彼らに対してものすごく尊大で、またそうできることが嬉しそうだった。彼は、登攀具の詰まったザックの重さなど、まったく知らなかったのだ。
 そういえば、燕岳に5,6人で遊びにいったときも、なぜかYだけが霧に巻かれてどこかへ行ってしまった。また屏風の1ルンぜ押し出しの近くでキャンプしたときは、新妻は連れてきても、大切なすき焼きの肉を忘れてしまったりと、彼の”活躍”はしばらく続いた。

 F/C・Nさん、ありがとうございました。月曜日にはまた撮影の件でそちらに伺い、N氏を交え先方と打ち合わせの予定です。例のCMは、PCで確認してあります。
 今日も午後から雪。かんとさん、TBIさん、残念ながら観測機材を持ち上げての天体観測はできなくなりました。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年度冬季営業」を、ご覧ください。
 

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