
Photo by かんと氏
星の狩人なら、もちろん要らざる説明だが、それでも、冬の大三角形やオリオン座を実際に見たことのない人のために、かんとさんの助けを借りて少し説明しておきたい。
落葉松の先端が尖った黒い影、その真上に輝いている星が全天で一番明るい星、シリウス(大犬座)。冬の大三角はこれを頂点にして上方に広がり、美しい二等辺三角形を構成する。右斜め上の黄色く見える星に注目しよう。これが、オリオン座の四つ星の一つ、すでに消滅の可能性まで疑われているベテルギウスで、三角形の右の一角になり、もう一つの角はそのまま視線を左へ水平に移動していくと見える白い星、これが小犬座のプロキオン。
これで冬の大三角形が分かったと思う。かんとさんの説明によれば、その逆三角の底辺の中間あたりの赤っぽい微光の集合がバラ星雲で、そこを冬の天の川銀河が流れている、と説明してくれている。銀河は夏は左方向へ、冬は右方向へと変わって見える。
今見たベテルギウスを四角形の左上と考えれば、オリオン座やその三ツ星、またオリオン星雲も分かりやすいと思うが如何か。この星と斜め下方に対抗する星、この写真ではシリウスに負けないような明るい光を放つ星だが、これがリゲル。オリオン座の右下の一画になり、この星は冬のダイヤモンドを構成する6個ある星の一つでもある。
バーナードループも写っているが、ムーこれはカテゴリー別の「入笠牧場からの星空」で見てもらうことにしたい。
星空の魅力は、美しさだけでなく、その神秘性にもあるのだと思う。先ごろ、初めてブラックホールの撮影に成功したことが、大きなニュースになった。その光さえも閉じ込めてしまう天体、その暗黒の天体が、しかし太陽の65億倍もの質量を持つと報じられては、度肝を抜かれ、言葉を失ってしまう。10倍、100倍なら何とかついていけるかも知れないが、太陽の65億倍である。それも巨大な星が、凄まじい密度に収縮した結果で、といっても太陽から海王星までの距離の9倍近い大きさ(400億キロ)、そんなものが大宇宙にはゴロゴロと存在しているのだろうか。怖しい話だ。
というふうに、星空を眺めることは、われわれの日常をはるかに超えてしまった世界を垣間見ていることになるのだろう。138億年であり、ウン億光年の世界をである。たった100年すら生きられないわれわれが。
かんとさん、ありがとう。海老名出丸さん、今回の星景写真はどうでしたか。
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