入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’16年「冬」 (16)

2016年01月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 IC434,NGC2024 (再録)                               Photo by かんと氏

  散光星雲IC434を背景に、馬の頭が影になって浮かび上がって見える馬頭星雲が分かるだろうか。冬の星座を代表するオリオン座の近くにある。牧場に上がれば、冬の星々を存分に眺めることができるが、今夜は月齢が15.1、満月かそれに近いから観測には向いていない。
 ただ、月明かりを頼りに、雪の山道を歩くのも悪くはない。風さえなければ、そしてあまり遠出をしなければ、月の光に洗われた雪原や森が、この冬の星々に負けない舞台となって、主役になったあなたを迎えてくれるはずだ。一人でもいい、共に歩く人がいてもいい。夜の深さが、万年の大古を彷彿させるだろう。

 この冬初めてスノーシューズを履いて、枯木橋から大ダオ(芝平峠)まで行ってきた。所要時間40分。このところ左足の膝が不調で、その点検が目的だったが、まあ何とか法華道ぐらいなら大丈夫だろう。大ダオまで轍が残っていたが、かなり荒れていた。さらに牧場方面にも轍は続いていたが、特殊車両でなければ無理なようだった。詳細は明日にでも。

 Nさんも負けず劣らず楽しくやっておられるじゃないですか。山もいいですが、気の合った者同士の旅は栄養価が高いですね。今日も芝平を下り、仙流荘へ行ったら、生憎と休みでした。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年度冬季営業」を、また天体写真は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
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       ’16年「冬」 (15)

2016年01月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  昨夜は降雪の予報を気にしながら寝た。4時間後、家の外で変な音がして目が覚めたら、午前5時だった。どうやら下水道工事にかかわる業者の重機が、さして積もってもいない雪を除雪する音のようだった。
 日曜日だけは、普段なら6時からと決められている小中学生の通学路の除雪作業が、やるとしても7時からとなる。そうであれば、いつもは5時半から届き始める除雪指示の連絡も、1時間遅れることが考えられた。昨夜は夜更かしをしてしまったから再び眠ってしまえば、電話でその連絡が来ても知らないでいる可能性があった。少なくも10軒の家にしなければならない電話連絡の役目を果たすことができなくなる。仕方なく床を離れて、固定電話のある隣の居間に移って、7時まで起きていた。
 この除雪作業の連絡は早朝のため、する方も、される方も大変なことなのだ。眠りが中断されてしまい、毎回、憂鬱になる。雪掻きそのものは、どうやら定年後の高齢者の仕事になっている。
 やっとウトウトしたと思ったら、女の人の声で起こされた。わざわざ着替えて出ていけば、今度は隣の家の奥さんが、前回の雪掻きに参加できなかったからといって、出不足金の千円也を持ってきたと言うのだ。除雪作業に関しては、出られなくても出不足を払わなくてもよいことになっている。一体何十年住んでいるのかと言ってやりたくなるのを、もちろん堪(こら)えた。
 ことほど左様に、除雪作業よりも、それが決まってからの連絡の方が、穴籠りを決めた1頭の老クマの身には労となり、こたえる。それに比べたら、書類の配布や集金など、これらも役目だが、どうということはない。(1月24日の記)

 芝平の集落を上っていくと、そのはずれに、写真のような重厚な山荘がある。しかし、あまり使われているようには見えない。さらにもう少し行くと左手に、かつてハイランドなどと呼ばれた別荘地に行く道がある。ちょうど、県道が市道に変わる所だ。しかし行ってみれば分かるが、大方の建物が半壊したり、放棄されたりしていて往時の面影はない。交通の便が悪すぎたのだろうか。

 今朝、我が家の午前7時の室内温度マイナス3.5度。それから2時間以上過ぎたが、依然として12度。越冬の試練は続く。

 
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       ’16年「冬」 (14)

2016年01月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  残念だが今日の写真では、何処かの冬のさびれた街道としか見えないだろう。一番奥の山が鋸岳だと言ってみても、まさにその名前が伝えるような山容を想像することはできない。しかしここに来れば、充分に迫力のある雪を被った鋸岳の、冬の姿を肉眼で眺めることができる。そして仙流荘はこの左手にある。

 山ですき焼きを食べることを山行の重要な目的にしていたYが、もう一つ大事にしていたのが休憩であった。重い荷を背負い、汗水流し疲労と闘いながら歩き続けてほっと一息入れた時の快感、いつまでもその場にいたくなるような壮大な眺めの中で味わう安らぎ、彼にはそれが山行の堪(こた)えられない悦楽だったらしい。
 しかし、多くの登山者にとっては、それはあくまでも中途の、目的の山の頂上を踏む一過程に過ぎないだろう。そこでへたりこんで快感してばかりはいられない。疲労が癒され薄れていく中でも、登行への意欲、緊張を温存していなくてはならない。そして同じ労苦と、休憩とを何度か繰り返してようやく、山頂に到達し、本当の開放感と達成感を満喫することになる。それが一般的な登山だろう。しかしYは違うらしかった。
 そんなYについて思い出すことがある。岩登りはしなかった彼も、奥又白池への急登を何度か経験している。取り付きからなら3時間ほどの行程だが、いつもばらばらになり、先頭と最終では1時間以上も差がついた。そういう時、休憩をこよなく愛するYは、当然、最終であっておかしくなかった。ところが小柄ながら常に冷静沈着なNと、登攀には抜群の力を発揮するHが、大体Yに先を譲った。
 彼らよりも先行してテント場に着いたYは、遅れてきた彼らに対してものすごく尊大で、またそうできることが嬉しそうだった。彼は、登攀具の詰まったザックの重さなど、まったく知らなかったのだ。
 そういえば、燕岳に5,6人で遊びにいったときも、なぜかYだけが霧に巻かれてどこかへ行ってしまった。また屏風の1ルンぜ押し出しの近くでキャンプしたときは、新妻は連れてきても、大切なすき焼きの肉を忘れてしまったりと、彼の”活躍”はしばらく続いた。

 F/C・Nさん、ありがとうございました。月曜日にはまた撮影の件でそちらに伺い、N氏を交え先方と打ち合わせの予定です。例のCMは、PCで確認してあります。
 今日も午後から雪。かんとさん、TBIさん、残念ながら観測機材を持ち上げての天体観測はできなくなりました。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年度冬季営業」を、ご覧ください。
 

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’16年「冬」 (13)

2016年01月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝も冷え込んだ。北半球の多くの国が異常寒波に苦しんでいる。そんな中、長野県のスキー場はようやく、どこも滑走可能だと今朝の新聞は報じていた。土、日曜日はまた雪の予報だが、同じ新聞が、予報の難しさも伝えている。晴れようと、雪になろうとこのごろは、どうでもよいという気がしている。

 昨日は、仙流荘の風呂に行ってきた。家からは20キロ以上離れている。南アルプスのスーパー林道を経由して北沢峠へと通ずるバスの出発駅もここにある。冬季はもちろん運行されていない。
 もっと近くに幾つか同じような施設はあるが、高遠を抜けて美和ダムの寒々とした湖岸の眺めや、さらには日本の山には珍しい異形の山、鋸岳の冬姿を見たくて、遠出を厭わないことにしている。
 2時少し前だったが、他に入浴客はいなかった。広い浴場を独占しながら窓越しに目をやれば、水量の落ちた三峰川やその対岸の雪と雑木林の広大で、急峻な山肌が見えるだけだ。何とも素っ気ない、温もりのない風景ではあるが、灰色の冬空が余計に生気のない、人を拒否したような風景に見せていたのかも知れなかった。
 格別やらなければならないことなどない。冬の荒涼とした風景を眺め、風呂に入り、それだけでも1日生きた甲斐があったわけで、その上この家で本を読んだり、映画を観たり、はたまたブログに妄想・幻覚を綴るのは、”おまけ”だったかも分からない。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましては、カテゴリー別の「H27年度冬季営業」をご覧ください。


 
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       ’16年「冬」 (12)

2016年01月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 川まで歩いていって水を汲んでくるだけだった。雪を融かせば済むことだが、テントから出て少し雪の中を歩いてみたかった。水温はかなり低いから、雑菌の心配などしなくてもよさそうだったし、どうせ煮沸するつもりでいた。
 人気のない単独の冬の上高地、この時は夜だった。足元の雪が崩れ、危うく暗い梓川の流れに飲み込まれかけた。登山事故で滑落はかなりの割合を占めるが、酔っぱらって川にはまるなどという事故はあまり聞かない。もう随分と昔のことだが、今でも思い返すとあの時のヒヤッとした気分が甦る。人並み(?)に事故の経験はあるが、登攀中にはない。
 
 そう、山にアルコールは欠かせない。酒類を厳選の上持っていったが、山行のパートナーだったNやHは、不真面目で飲まなかった。時々使い物にならないYが来ると、この男は酒飲みで、ばかりかすき焼きを食べることが山行の目的と言い、山は堕落した。登攀のメンバーではなかったが、たまに来たTDS君も大酒飲みで、酔うと乱れにみだれ、果てしない暗黒へと落ちていったものだ。もう一人Wというのがいたが、これはまたYにもまして使い物にならず、悪場でよく固まった。そのくせ、冬の富士山や八ヶ岳で敗退を繰り返し、もう懲りただろうと思っていたら利尻だアラスカだと。

 今はもう、重い荷物を背負うことすらしない。一緒に行った仲間も皆、山から去った。Nだけは、いまだに一人で細々と山歩きを続けているようだが、あれほど岩に強かったHの頭の中になど、山は完全に消えてしまい、ブーリン結びさえ覚えていないだろう。
 山を止めようと何度も思った。ところが下界に帰れば、そういう気持ちは嘘のように消えてしまった。しかしいつのころからか、歩行の苦しさや、山の夜の寒さが、山に行くことを足止めするようになって、久しい。

 入笠牧場へいらっしゃい、という目的のブログがよれてしまった。まだ昨夜の貞氏との痛飲の影響か。これから仙流荘へでも風呂に入りに行こう。
 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年度冬季営業」を、ご覧ください。

 
 

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