市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

姫のデタラメ政治資金に係る説明責任の取り方の酷さを報じた10月22日発売の週刊新潮の記事

2015-10-24 23:30:00 | 政治とカネ
■1年前の10月16日に、初めて「姫」こと小渕優子元経産相の政治資金収支報告書のデタラメぶりをすっぱ抜いた週刊新潮ですが、先日10月22日(木)発売の週刊新潮2015年10月29日号の33ページ目に、この1年間の経過で、説明責任を果たしていないとする記事を掲載しました。


**********週刊新潮2015年10月29日号(10月22日発売)
20151022shukan_sincho_obuchihime_kiji1.pdf
20151022shukan_sincho_obuchihime_kiji2.pdf
[ワイド特集]唇寒し秋の風
 秋の風は寂寞を孕んでいる。生命力に溢れた、過ぎ去りし夏への郷愁を誘うからに違いないが、世の中には、そんな風をものともせずに、「血気盛ん」な人たちが存在する。不用意な言動で災いを起こす、物言えば唇寒しの元総理、元大臣、元三冠王……。秋の只中の世間を騒がせる、傍迷惑が奇譚集。
1年経って説明責任を果たした「小渕優子元経産相」のデタラメ
 あれから1年が経ったが、何も進歩していなかった……。小渕優子元経産相(41)のデタラメ政治資金が本誌報道で明るみに出たのは昨年10月、元秘書2人に有罪判決が下されたことを受けて、今月19日小渕氏側が独自に政治資金問題を調査するために立ち上げた「第三者委員会」が記者会見を行ったのだが、浮き彫りとなったのは相変わらずの「お嬢様体質:だった。
「ひどい会見でした。これで説明責任を果たせたと思っているのでしょうか」
 と呆れるのは、さる大手メディアの記者だ。
 「そもそも小渕さんが出席しなかった上に、『(小渕氏は不正を)全く知らなかった』と片づけられた。弁護士らで構成される第三者委員会が報告書を読み上げた後の質疑応答も、『上から目線』で不愉快極まりないものでした。
 例えば記者から、第三者委員会を設置したのは小渕氏個人なのか、それとも事務所なのかとの質問が上がると、第三者員会側は、
「小渕代議士の意を受けてのこと。それ以上にあります?」
 こう、つっけんどんに答え、記者が続けて、
 「第三者委員会の先生方はボランティアではないはずです。報酬の問題もある」
 と突っ込むと、
 「金銭的なことについて、答える必要はないのでは。いつも、第三者委員会にはそれを聞くんですか?」
 事件に手を染めたのは小渕氏サイドであるのに、あたかも追及する報道陣が悪いかのような「でかい態度」を見せたのである。
★すべきだった3点セット
 ベテラン政治ジャーナリストが解説する。
 
「結局、総理経験者を父親に持つ小渕さんの『高いプライド』は、秘書が有罪になっても変わらず、その影響で彼女の周りも偉ぶっているということですよ」
 実際、彼女が所属する平成研(額賀派)のある議員秘書が、こう耳打ちする。
 「政治資金問題が発覚した2か月後の昨年12月に総選挙が行われましたが、自民党本部は、選挙の前に小渕さんを議員辞職させるか、あるいは離党させるのかの検討をしました。そうすれば、一応、責任を取ったことになりますし、彼女は圧倒的に選挙に強いので、現職の多比場で戦わなくても、また無所属として戦っても当選は間違いなかった。そのため党本部は“親心”から議員辞職するか離党するかしたほうがいいと判断したんです」
 ところが小渕氏には、
 「そのつもりが全くなく、結果、今に至るも何も責任を取っていないとの批判に晒されています。お嬢様育ちの彼女は、自分が傷を負うことは亡父の名前を傷つけることにつながるという感覚を持っていて、『挫折』を異様に嫌うんです。
 政治評論家の浅川博忠氏が断じる。
 「小渕さんがすべきだったことは、まず何度でも記者会見を開いて説明責任を果たし、次に大臣辞任、そして議員辞職の3点セットでした。しかし、彼女は大臣を辞任しただけ。説明をしなくても、時の流れが問題を解決してくれるだろうという安易な考えが透けて見える対応で、小渕さんは若くして一生の負の遺産を背負ってしまった」
 第三者委員会の会見翌日、ようやく小渕氏本人が会見を行ったが、「(説明不足に)忸怩たる思いがある」と、やはり説明責任は果たされなかった。とことん、唇の開き方を知らないようだ。
**********

■当会としても、やはり、「姫」は、今回の責任を取って、議員を一旦辞職してから、再起を図るべきだったと思います。

 いくら第三者委員会による中立な立場に基づく調査だといっても、ここまでお手盛りで杜撰だとなると、国民の理解を得るのは困難です。かえって、逆に政治への不信感を増幅させてしまいました。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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高崎市の知的障害者通所施設清涼園の虐待疑惑に関して高崎市長に行政文書公開請求書を提出

2015-10-23 23:00:00 | 高崎市の行政問題
■清涼園の元施設従事者のかたから今年6月に報告のあった高崎市の清涼園における利用者虐待問題に関して、当会は高崎市に対して、今年3月までに3回にわたって虐待に係る通報があった件について、その後、どのような対応を高崎市がとったのか、公開質問状を出したところ、高崎市は、「個別に通報者には結果を報告しない。結果を知りたければ、情報公開請求をするように」と回答してきました。そこで当会では、先日10月9日に高崎市障害福祉課を訪れ、中西課長補佐に、「そろそろ情報開示をしても、不存在ということにはならないでしょうか?」と打診を行いました。

 その結果、同課の回答として「情報公開請求をしてもらっても、現地点ではそちら(当会)が期待されている情報は、まだ出せる状態には無い」ということでした。既に最後の通報から半年以上経過している為、当会では、「これ以上待てないので、あと1週間から10日した後、もういちど電話をし、その後の進捗を確認したうえで、依然として中途段階であったら、有無を言わずに郵送で情報開示請求書を提出するつもりです」と伝えておきました。詳しくは次のブログ記事を参照ください。
○2015年10月10日:高崎市の知的障害者通所施設清涼園の虐待疑惑に関して高崎市障害福祉課から現状ヒヤリング↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1753.html#readmore

■それから、2週間が経過したため、10月22日午後、同課の高井係長に電話で確認をしたところ、「開示請求をしても不存在通知を出すことにはならない」という話でしたので、同日付で次の行政文書公開請求書を高崎市長宛に郵送しました。

**********
ssjisj2015.10.pdf
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
 平成26年6月、同27年2月及び3月に高崎市内の社会福祉法人明珠会清涼園の施設従業者(当時)から障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(いわゆる待防止法)に基づく通報が行われたと聞くが、その通報を受けて、貴市の関連部署が清涼園に対して行った調査、指導等に係る一切の情報(調査結果を記した報告書類、施設関係者、利用者からの聞き取り内容情報、虐待にかかる有無、類型、態様等についての判断の過程を結果などが分かる情報を含む。
<行政文書の公開を必要とする理由>
 虐待の態様を示す具体的な情報に照らして、貴市の関係部署が虐待の通報を受けたあと適切な対応を取ったことを確認し、もって、貴市の福祉行政の健全な事務事業を担保することが目的であること。
<公開の実施方法>
① 閲覧   ② 写しの交付   3 視聴
(希望する公開の実施方法の番号を○で囲んでください。)
**********

 高崎市がどのような対応をしたのか、それともしていないのか、半月後に高崎市から通知される決定書を待ちたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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スラグ膨張による道路損傷問題で名古屋市民オンブズマンが名古屋市に情報公開請求

2015-10-23 21:35:00 | スラグ不法投棄問題

■大同特殊鋼渋川工場から排出された有毒スラグの長年にわたる大量の不法投棄問題で、現在大同や、スラグを独占的に扱って砕石採石を偽装して出荷していた佐藤建設工業への群馬県警による捜査が行われていますが、この問題に関連して、大同特殊鋼の本社がある愛知県でも、昨年10月に名古屋市内やその周辺で、得体のしれないスラグを水道管の埋め戻し材に使用したのが原因とみられる道路の損傷が多数発生しました。

 この件で、当会は、今年9月5~6日にかけて神戸市内で開催された第22回全国市民オンブズマン兵庫大会で、名古屋市民オンブズマンの関係者と歓談した際、スラグによる名古屋市市内での道路損壊事件について、情報提供を行いました。

 その結果、名古屋市民オンブズマンでは、この問題について強い関心を示して作業を進めた結果、この度、10月22日、名古屋市に対して情報開示請求を行いました。

 なお、愛知県名古屋市におけるスラグ問題に関しては当会の次のブログを参照ください。
○2014年11月22日:名古屋で発生した水道管埋戻し材にスラグが混入し舗装が破損した事件に見られる役所の事なかれ主義
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1468.html
○2015年10月13日:大同スラグ問題を斬る!…10月9日群馬弁護士会館でのスラグ汚染問題に関する毎日新聞記者の報告(その1)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1757.html
○2015年10月14日:大同スラグ問題を斬る!…10月9日群馬弁護士会館でのスラグ汚染問題に関する毎日新聞記者の報告(その2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1756.html

■名古屋市民オンブズマン事務局から当会への連絡によると、同オンブズマンが名古屋市上下水道局に対して行なった情報公開請求の内容は次の通りです。

**********
http://ombuds.exblog.jp/22375658/
鉄鋼スラグ特集
名古屋市上下水道局発注の工事(千種や南など7区と北名古屋市、清須市)で、禁止されていた鉄鋼スラグが使われていました。
情報をお寄せください。
・メール office@ombudsman.jp
・メールフォーム http://form1.fc2.com/form/?id=267388
・FAX 052-953-8050

15/10/22 名古屋市上下水道局 埋め戻し材に鉄鋼スラグ使用の件を情報公開請求名古屋市民オンブズマンは、名古屋市上下水道局発注の工事で埋め戻し材に禁止されている鉄鋼スラグを使った業者がいた件で、15/10/22に以下情報公開請求を行いました。
名古屋市は、業者が誤って鉄鋼スラグを混入したと判断しましたが、原因までは確認しておらず、業者名も公表していません。文書により注意したのみです。名古屋市によれば、補修工事は業者負担とのこと。
市民に対して詳しい説明を求めます。

・上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事区間一覧、施工業者一覧
・①上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事について、鉄鋼スラグの有害物質の含有量の分析結果が分かるもの。
 ②分析発注先と契約書、金額が分かるもの。
・①上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事について、補修工事の内容(全面入れ替えか、部分改修か)。
 ②費用負担が分かるもの
・上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事について、施工業者に対する注意文書
・上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事について、
 受注者が行った聞き取り調査の結果が分かるもの(高炉スラグ・転炉スラグ・電気炉スラグのいずれか。
 また、鉄鋼スラグ作製業者名)
・上下水道局が把握している、埋め戻し材に鉄鋼スラグを使った工事について、補修工事の費用負担に関し、弁護士と相談した内容がわかるもの

----------------
・市民オンブズマン群馬 スラグ不法投棄問題
http://pink.ap.teacup.com/applet/ogawaken/msgcate20/archive

---------------------------
・平成26年12月2日 名古屋市議会本会議 丹羽ひろし氏議案外質問
http://www.kaigiroku.net/kensaku/nagoya/nagoya.html
**********

■名古屋市が情報を開示したら、当会にも情報の内容を知らせていただけることになっています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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姫の第三者委員会の中立性に疑義あり

2015-10-22 23:26:00 | 政治とカネ
■「姫」こと小渕優子元経産相が、自身の政治資金の不正会計を巡る諸問題が発覚した1年前から、「説明責任を果たしたい。そのために第三者委員会を立ち上げたい」と言い出したのはいつだったのでしょうか。姫の発言履歴を検索してみると、2014年10月20日午前9時40分ごろから経済産業省で記者会見に臨んだ記者会見で、次の発言のなかで第三者委員会のことを示唆したのが、公式には初めてだったと思われます。つまり、10月16日にスクープ記事が発表されてから、4日目に姫が辞任会見をしたのですが、この間、既に幕引きに向けたシナリオが早くも作られていたのかもしれません。

「このように収入と支出の双方にその実態があったのか否か、私自身大きな疑念を持ったところであり、収支報告書の内容のすべてを関係政治団体の報告書を第三者的な観点から調査して頂く必要があると考えています。そこで関係ない外部から弁護士や税理士などの専門家を入れて客観的な調査をして頂くことにしました。政治団体間の資金のやりとりも収支報告書上あったとされているので、その収支と支出が真実あったのかも含めて調査をしていただくことにしました。ただ、調査範囲は多数の団体、個人に及ぶことから、相応の調査期間を必要とする状況にございます」

 その後、一向に第三者委員会の設置の過程も、活動内容も分からないまま、1年が経過しようとする時、突然10月19日(月)の午前中にマスコミ向けの記者会見が行われました。

 この時、A4用紙14頁の報告書がマスコミに配布されました。当会ではこの報告書の入手をマスコミ関係者に依頼していますが、まだ入手できていません。地元紙の記者は、「在京の記者は持っているが、地元のこちら側にはまだ届いていない」というだけです。

 そのため、姫のホームページにアクセスしてみましたが、2015年1月1日に「年頭のご挨拶」のあと、同29日にプロフィールを更新して以降、全く更新されていません。もちろん、不起訴処分になったことや、第三者委員会の活動ぶりや、国家老こと元秘書らの有罪判決など、重要な情報は全く掲載していません。

■この第三者委員会による10月19日の記者会見の内容をもとに、姫は翌日の10月20日午後、渋川市内で行われた自分の後援会幹部向け報告集会でも、その日の夕方、前橋市内で行われたマスコミ向けの記者会見でも、もっぱらこの第三者委員会報告をよりどころとしていました。

 しかし第三者委員会の報告書の内容が未確認のため、何がどうなっているのかわかりません。そこで、10月19日の午後以降の新聞記事を見てみましょう。当会のコメントは青字で示してあります。

**********NHK 10月19日 13時01分
政治資金事件 小渕氏設置の第三者委が報告書

 小渕元経済産業大臣の政治資金を巡る事件で、事実関係を調査してきた弁護士らは、19日、「不正行為は元秘書の判断や指示の下に行われたことは明らかだ」としたうえで、小渕氏の責任も軽微とは言えないなどとする報告書を公表しました。
 この事件で、小渕元経済産業大臣は、弁護士や税理士で作る第三者委員会を設け、独自に事実関係の調査を進め、19日、弁護士らが東京都内で記者会見して、報告書を公表しました。
 それによりますと、一連の不正経理について、「関係する政治団体の事実上の責任者である、元秘書の判断や指示の下に行われたことは明らかだ。小渕氏を守り、政治家として大成することを願っていた元秘書らが、世間体を重視して、つじつま合わせを行ったものだ」などとしています。
 一方で、小渕氏については、「本人の関与は認められなかった」としながらも、「監督責任があることは当然で、その責任は軽微とは言えない」などと指摘しています。
 弁護士によりますと、報告書は小渕氏にも手渡したということです。
 小渕氏は20日夕方地元の群馬県で記者会見することにしています。
 この事件で、東京地方裁判所は今月9日、小渕氏の資金管理団体などの収支報告書にうその記載をしたなどとして、小渕氏の元秘書で群馬県中之条町の前町長と、元政策秘書の2人に対し、執行猶予のついた有罪判決を言い渡しています。
★事件の経緯は
 小渕元経済産業大臣の政治資金を巡る問題は、去年10月に明らかになりました。
 「小渕優子後援会」などが主催した観劇会の収支が大きく食い違っていたことなどが問題となり、小渕氏は大臣就任から僅か1か月半で辞任しました。
 大臣辞任の10日後、東京地検特捜部は小渕氏の後援会事務所などを一斉に捜索し、強制捜査に乗り出します。
 そして、ことし4月、小渕氏の元秘書で群馬県中之条町の折田謙一郎前町長(67)と加邉守喜元政策秘書(62)が、小渕氏の資金管理団体などの収支報告書にうその記載をしたなどとして、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴されました。
 東京地方裁判所は今月9日、「収支報告書の虚偽記載や不記載は4つの政治団体で総額3億2000万円余りと多額で、政治活動への国民の監視と批判の機会をないがしろにする悪質な犯行だ。折田元秘書は虚偽記載の金額などを具体的に指示し、一部は裏金の捻出を目的としていたと認められ、責任は重い」と指摘し、折田元秘書に禁錮2年、執行猶予3年、加邉元秘書に禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡していました。

**********毎日新聞 2015年10月20日 地方版
小渕衆院議員:政治資金問題、第三者委調査 小渕氏の関与否定、追認 オンブズマン「出来レース」 /群馬

記者会見する佐々木善三委員長(テーブル中央)ら第三者委員会メンバー=東京都千代田区のホテルニューオータニで↑ ←※当会注:姫は議員会館からほど近いHニューオータニがお気に入りらしい。だから第三者委員会の会見もここを使ったのだろうか。また国家老の折田謙一郎被告は、1年前に地元から雲隠れした当時「東京・赤坂のホテルニューオータニで自民党に缶詰めにされて」(週刊現在2014年11月4日)いたようです。
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の政治資金規正法違反事件で、小渕氏の依頼を受けて調査していた「第三者委員会」が19日、記者会見し「小渕氏は関与しておらず、法律上の責任はないが、監督責任は軽微ではない」との調査結果を公表した。記者会見で佐々木善三委員長は「今後、政治家として頑張っていただきたいという気持ち」と言及した。一方、小渕氏を刑事告発したオンブズマンは「出来レースのようだ」と不満を表明した。
 東京都内のホテルで記者会見した佐々木委員長は、元最高検検事の弁護士。報告書要旨を約40分かけて読み上げ、「会場が1時間しか借りられない」ことを理由に、質疑応答は15分程度で打ち切った。←※当会注:H ニューオータニが1時間しか貸してくれなければ、なぜ記者クラブを使わないのだろうか。
 9日に東京地裁で有罪判決を受けた元秘書の折田謙一郎・前中之条町長(67)の行為について、第三者委の報告書は「(秘書)退職までに自己責任で(政治資金収支報告書と実際の残高との約1億円の)乖離(かいり)を処理しようと決心して虚偽記載に至った。責任感が強くなければ乖離を放置した可能性もある」と指摘。乖離した原因について、佐々木委員長は「関係資料を全て特捜部に押収されている状況で、しかも古い話なので(調査は無理)」と述べた。←※当会注:関係資料を押収されているといっても、既に1年経過しており、不起訴処分になってからも既に半年が経過しており、この言い訳は有り得ない。
 地裁判決が「裏金捻出も目的としていた」と指摘した観劇会については、第三者委が2009〜13年の「本物」の収支表を示した。毎年、約60万〜392万円の剰余金が出ていたが、秘書の人件費や交通費などが含まれていないことを理由に、「特に高額とは言えず、適正に運営されていた。実質的な余剰金は相当低い」と結論づけた。←※当会注:当会の指摘通り、観劇会では2000人の参加者から1万2千円を参加費として徴収したが、バス代や明治座の観劇料等が団体割引のため、半値程度で済んだと考えられる。地裁判決で「裏金捻出」とされたことから、当会の指摘が正しいと証明されたことになる。第三者委員会も年最大392万円の剰余金が出たことを認めざるを得なかったわけだが、秘書の人件費や交通費が含まれていないという訳の分からない理屈は、裏金捻出を裏付けている。
 立件されなかった贈答品の問題では「選挙とは無関係と認められる」と強調した。ただ、公職選挙法が有権者の買収だけでなく利益供与(寄付行為)も禁止している点には触れなかった。←※当会注:選挙の有無にかかわらず、有権者への金品の供与は公選法違反の筈。
 贈答品の中で特に問題となったのが、小渕氏の顔写真ラベルが貼られたワインだ。昨年10月に毎日新聞が報じ、明るみに出た。第三者委は「特製なので選挙区内の支援者も欲しがるなどしたため担当秘書が独断で手渡した」と判断したが、ワインを受け取った選挙区内の男性は小渕氏の支援者ではなく、ワインを欲しがったわけでもない。男性は「慶事の祝い品として地元秘書から受け取った」と証言している。このワインは不問に付されたことになる。←※当会注:当会は、「ワイン配布は公選法違反だ」として特捜部に告発したが、なぜか不問にされた。第三者委員会も佐々木弁護士が特捜部出身のヤメ検なので、同じ結論をこじつけている。なお、今後、候補者は誰でも金品を選挙民に配っても不問になるのか、東京地検特捜部や法務省、地元自治体の選挙管理委員会に確認する必要がある。
 小渕氏は第三者委のヒアリングに対し、収支報告書の作成や、残高の乖離について「経験豊富な秘書らに安心して任せており、全く知らなかった」と回答したという。小渕氏の責任の取り方について考えを聞かれた佐々木委員長は、こう答えた。「小渕議員の責任は重いが、今後、政治家として頑張っていただきたいという気持ちは、調査結果を全体として読んでいただければ感じ取っていただけるかもしれません」【尾崎修二】←※当会注:これは第三者委員会の佐々木弁護士の率直な気持ちなのだろうが、中立性を自ら放棄する発言でもある。
 ◇「これからも応援」地元の声「道義的責任ある」
 「第三者委員会」の報告書提出を受け、小渕優子衆院議員は20日、前橋市内で記者会見する。渋川市で後援会幹部と自民党県議の合同会議に出席した後、問題の経緯を説明するとみられる。
 小渕議員の後援会員で、観劇会にも参加したことがあるという中之条町の女性(65)は「折田(謙一郎前町長)さんの判決ですべて終わりだと思う。優子さんに責任はないでしょう」と擁護する。「地元の集まりにもきちんと顔を出すし、仕事も頑張っている。これからも応援する気持ちに変わりはない」と言い切った。
 一方、昨年の町長選で折田氏後継の現町長と戦った原沢今朝司町議(64)は「法律上問題はないというが、国会議員として道義的責任はあるはず。小渕さんは敬老会や成人式でこまめに地元に帰ってくる。でも『お騒がせして申し訳ない』と言うだけ。有権者は納得できない」と批判する。
 小渕氏の説明責任について、原沢氏は「皮肉な話だが、今も折田さんが秘書だったら、こんなことはなかっただろう。『それなりに説明しないとまずい』とアドバイスしたのではないか」と指摘した。【高橋努】
 ◇「政治家として資質問われる」 市民オンブズ代表
 小渕優子衆院議員を東京地検特捜部に刑事告発した「市民オンブズマン群馬」の小川賢代表(63)は19日、第三者委員会が「小渕氏に法律上の責任はない」との調査報告書を公表したことを受け、「本人に責任が及ばないようにするための出来レースのような印象を受ける」と述べた。担当秘書らが政治資金収支報告書を提出する際に小渕氏は中身を確認していなかったとされる点については「いくら忙しくても、事実ならば政治家としての資質が問われる」と指摘した。
 小渕氏は20日に記者会見する。小川代表は「小渕氏が秘書の監督責任をどの程度重く考えているのか注視している。収支報告書の問題だけでなく、有権者へのワイン贈答などについても本人の口から説明を聞きたい」と語った。
【田ノ上達也】
==============
 ◇「第三者委員会」報告書の要旨
 ◆2006年末時点で資金管理団体「未来産業研究会」の実際の預貯金残高が収支報告書上の残高より約1億円も少なくなっていた点について
 一定期間をかけて積もり積もって1億円になったようだ。前年の繰越額を上回る繰越額を決め、それに見合うよう調整して報告書を作成していた。また、慶弔費や陣中見舞いなどの支出を記載していなかった。それらの支出の具体的な内容は古い話で、裁判でも問題視されていないので調査の必要はない。←※当会注:慶弔費も陣中見舞いも本人以外の秘書が配れば立派な公選法違反行為。本来なら、これだけでアウトの筈。
 ◆収支報告書への虚偽記載の原因
 未来研の残高の1億円の乖離を解消するための、つじつま合わせが目的だった。折田氏は世間体も重視していた。地元新聞で公表される群馬県選出国会議員の政治団体の収入額についての評判を気にし、小渕優子後援会の収入額が他議員の団体と比べて突出して多かったり少なかったりしないよう配慮するのが自分の役割と考えていた。←※当会注:世間体というより、八ッ場ダム関連の土建業者らからの献金が多額なので、目立たないようにするのが主目的だったはず。
 ◆女性支援者向けの観劇会について
 2012年の収支報告書には記載がない。折田氏は「12年は選挙(衆院選)があり、こういう内容を記載すると供応接待ではないかと疑われると思って書かなかった」と説明している。←※当会注:記載しないことが、裏金のマネーロンダリング行為そのもの。
 ◆折田氏らの悪質性について
 虚偽記入は悪質だが、部外者との間で不正献金や支出があったと断罪されたわけではない。違反の原因となった未来研での残高の乖離は折田氏とは無関係。乖離を知った折田氏は、責任感や義務感の強さから虚偽記入に至った。←※当会注:これが第三者委員会のいうことか。
 ◆小渕氏に違反行為への関与や認識があったか
 小渕氏本人や秘書らは関与や認識はなかったと説明している。小渕氏は当時非常に忙しかったという状況も客観的な裏付けだ。←※当会注:全く説明になっていない。
 ◆実姉の夫が経営する東京都内の服飾雑貨店での多額の物品購入について
 海外出張などの際に要人にプレゼントしていたもので政治活動そのもの。小渕氏によると、親族経営のショップの商品と言えば話題作りになり、相手と打ち解けることができたという。秘書らが個人的に商品を購入して代金を支払った後、領収証を政治資金収支報告書の支出に流用したものもあった。これは問題がある。←※当会注:同じ嘘をつくならもっともっともらしいウソをつけ。
 ◆有名洋服店からの衣類購入について
 小渕議員の洋服を購入した際の領収証を、経理担当ベテラン秘書が預かっているうちに、誤って未来研の収支報告書の支出に記載したものがあった。←※当会注:確信犯なのに、よくまあこんなウソを信じるものだろうか。第三者委とは到底思えない。
 ◆「小渕ワイン」の贈答について
 選挙区外の支援者に配っていたが、特製のため区内の支援者も欲しがるなどしたため、担当秘書が独断で贈ったものがあった。選挙とは無関係。←※有権者にワインを配ったことがこれでハッキリした。さっそく東京地検特捜部の見解をあらためて確認したい。
 ◆ふるさと振興支部の会員に対するジャガイモ贈答について
 毎年贈っており選挙が動機ではない。地元産のジャガイモを贈るので、ふるさとの振興にも寄与している。←※当会注:地元の農産物を有権者に贈ったことがこれでハッキリした。まさに買収だ。昨年12月の衆院選で2万票減らしたのは、農産物を贈らなかったのが原因かも。
 ◆高崎事務所のパソコンのハードディスク(HDD)破壊について
 以前からパソコンがサーバーにつながらないなど不具合があったところ、(週刊誌が観劇会の収支のずれを報じた2日後の)昨年10月18日に異音がしたり動作が止まるなど状況が悪化した。19日に業者が新品に交換し、古いサーバーを引き取った。24日ごろに東京地検から提出を求められたため27日に業者を呼んだが、すでに業者がHDDにドリルで穴を開けていた。バックアップしたデータを検察官に提出したので捜査への支障はない。←※当会注:週刊誌がスクープしたらパソコンが不調になったのではなく、パソコンを強制的に不調にしたのではないか。使途不明金がバレるのを防ぐのが目的だ。高崎事務所はとくに疑惑の支出が多い環境なのかもしれない。

**********東京新聞2015年10月20日
政治資金事件できょう会見 小渕氏に真意求める声

小渕優子 元経済産業相
 二十日に前橋市内で記者会見する小渕優子元経済産業相。関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件についてどんな言葉で説明責任を果たすのか。市民からはきちんと説明するよう求めたり、政治資金の流れを透明化する方策を示すよう求める声が上がった。
 十九日に発表された、小渕氏側が設置した第三者委員会が小渕氏が不正に関与していなかったなどとする調査結果などについて後援会幹部らに説明した後に会見に臨む。この問題で経産相を辞任したのは昨年十月二十日。その際、「説明責任を果たす」としていたがこれまで自ら説明することはなかった。
 小渕氏の地盤の中之条町に住む無職男性(63)は「説明責任について言及した時には期待したが一年間何もなく失望した」と言う。「第三者委も監督責任は指摘している。会見で議員辞職を表明しまた選挙で当選を目指すぐらいの覚悟を見せてほしい」と話した。安中市の六十代の女性も「関与は無くても責任はある。本人の説明が遅かった」と指摘。同市の女性(37)は「彼女が不正を知らなかったことはないと思う。金の使い方が市民感覚と違う。はぐらかさずに市民に分かる言葉で真意を語るべきだ」と話した。
 小渕氏らを政治資金規正法違反容疑などで告発し、東京地検特捜部が小渕氏を不起訴処分としたのは不当だとして検察審査会に審査を申し立てた(審査会は不起訴相当と議決)「市民オンブズマン群馬」の鈴木庸事務局長は「会見では一定の謝罪ですますのではなく、政治資金の流れを透明化する納得できる方策を示すべきだ」と話す。

**********日刊ゲンダイ2015年10月21日
ドリル優子事件 「無罪放免」のお墨付き与えた第三者委の詭弁

まるで「小渕弁護団」だったヤメ判&ヤメ検第三者委(C)日刊ゲンダイ
 こんなデタラメな調査結果に国民は納得するのか。小渕優子元経産相(41)の政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で19日、第三者委員会の調査報告書が公表された。億単位のカネの流れを複数年にわたって意図的に隠し、パソコンのハードディスクをドリルで破壊するという前代未聞の「証拠隠滅」の疑惑が指摘された事件だ。当然、小渕氏もアウトと思いきや、報告書は「無罪放免」にお墨付きを与えていた。
 A4用紙14ページにまとめられた報告書の内容はハッキリ言って支離滅裂だ。特にヒドイのは、9日に政治資金規正法違反罪(虚偽記載)で執行猶予付きの有罪判決を受けた元秘書、折田謙一郎被告(67)らをかばう表現だ。
「折田氏の責任感・義務感の強さが虚偽記入に結びついた」
「折田氏を批判することには躊躇を覚える」
 まるで折田被告が故意犯ではなく、過失犯だったような言い回しだ。だいたい問題発覚後、町民ホッタラカシで町長職をブン投げて雲隠れした男にマトモな責任感や義務感があるワケがない。しかも、第三者委は「前年の繰越額を上回る任意の繰越額を決め、それに見合うように収入額や支出額を調整するといった方法で収支報告書を作成した」「つじつま合わせを行った」と認定しながら、「不正な収入や支出を隠したりすることに主眼が置かれていたものではない」と結論付けているのだ。カネの流れを意図的に調整したり、つじつま合わせをしたりする行為を世間では「粉飾」という。どこから見ても悪質な犯罪ではないか。
 第三者委の委員長である佐々木善三弁護士は元最高検検事。委員を務めた田中康久弁護士は元仙台高裁長官、野口光夫税理士は元東京国税局調査官というリッパな経歴の持ち主だが、判決の主文で「有罪」を言い渡しながら、理由で「無罪」と言っているに等しい報告書を作って「正しい」と考えているなら、そろって国家資格は返上した方がいい。“主犯”の折田被告がこんな大アマ扱いじゃあ、“共犯”の小渕氏も「不正に関与しておらず、法律上の責任はない」との結論に至るワケだ。
「第三者委は問題が発覚した昨年10月、小渕議員が『説明責任を果たす』と言って設置されたものですが、誰がカネを出し、どこまで客観性が保たれたのかは疑問です。設置こそ1年前だが、折田被告が特捜部にパクられて資料が押収されたため、関係者らに話を聞くことができたのは、つい最近。第三者委が会見で『調査には限界がある』と認めたように穴だらけなんですよ」(司法ジャーナリスト)
 報告書を読んだ政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。
「(報告書は)まるでツジツマが合っていない。『小渕弁護団』が書いたような内容です。例えば、陣中見舞いに使ったカネは、明らかに不正なのに、まるでなかったような評価です。配布物にしても、選挙の有無にかかわらず違法です。小渕議員の法的責任を問うのは難しいまでも、監督責任や政治的、道義的責任はある。本来は『辞職するべき』ですよ」
 小渕氏は20日、地元・群馬の有権者の前で「本当に大勢の皆さま方に、心から心からおわびを申し上げます」と頭を下げたが、謝って済む問題ではないのだ。

**********東京スポーツ2015年10月21日10時00分
本当に第三者?小渕優子氏 疑惑調査で甘い報告

 小渕優子元経産相(41)の関連団体の政治資金収支報告書に虚偽記載があったことで、調査を行っていた第三者委員会が19日、報告書の内容を明らかにした。
 この件で小渕氏は不起訴。元秘書で会計責任者だった折田謙一郎被告(67)ら2人が執行猶予付きの有罪判決を受けている。
 報告書では関連団体の収支報告書の繰越額よりも実際の預金額が約1億円下回っていたことを指摘。つまり1億円がどこかへ消えたわけだ。その原因を慶弔費や選挙の陣中見舞いなど領収書のないものを記載しなかったことが、積もり積もったと説明した。このズレを埋めるために元秘書らが虚偽記載したという。
 全体的に甘い内容になっている感は否めない。委員長の佐々木善三弁護士は折田被告について「責任感が強くなかったら(ズレを)放置していた可能性もある」と話し、報告書でも「単純に折田氏を批判することに躊躇(ちゅうちょ)を覚える」と擁護。
 また、小渕氏についても「政治資金規正法違反の件に全く関与していなかった」と結論付けた。
 選挙区内の有権者に配ったワインも「担当秘書の独断で」(報告書から)、事務所のパソコンのハードディスクがドリルで破壊されたのは、不調だったパソコンを販売業者に引き渡したら、穴を開けられたという。
 この第三者委員会とは何なのか。会見において委員会の事務局担当者なる人物が「誰が設置したがとなると小渕氏の意向」と説明していたが、事務局の実態もよくわからない。
 自民党関係者は「事務局? 小渕事務所の人間とかほかにも…。詳しいことはよく分からない」と首をかしげるのみ。
 これでは第三者というには疑問が残る。小渕氏は20日に地元で会見を開くという。疑惑を追及していた野党関係者は「当初は国会で説明すると言っていたのにウヤムヤになった」とこぼす。まだまだ尾を引きそうだ。

**********毎日新聞 2015年10月21日 13時18分
<小渕衆院議員>記者会見、おわびに終始 「今後も説明続ける」 /群馬
 問題発覚から1年、自らの政治団体の不明朗会計から閣僚辞任、元秘書2人の有罪判決にいたった小渕優子衆院議員が20日、初めて公の場での説明に臨んだ。1時間余りの記者会見は何度も頭を下げ、おわびに終始。求められ続けてきた「説明責任」に対する回答は、自らが設置した「第三者委員会」の報告内容を繰り返すにとどまった。【高橋努、尾崎修二】
 「一連の事件に関し、後援会や支持者など多くの皆さんにご心配、ご迷惑をかけた。心からおわび申し上げたい」。小渕氏は昨年10月の問題発覚以来、さまざまな場で繰り返した言葉とともに平身低頭して記者会見の口火を切った。しかし、議員としての責任のあり方を問われると、後援会の意向や「第三者委員会」の報告内容を盾に、強気の姿勢を貫いた。
 「議席をどうしていくかは私が決めることではない。(記者会見に先立つ)渋川市での後援会との会合で、今後も群馬のために頑張れとの激励をいただいた。身を粉にして働いていく」。用意した書面から目を上げ、背筋を伸ばして断言した。
 一方、昨年末の衆院選については「当選はしたが、(問題について)説明もできぬままの選挙だった。理解してもらっての当選とは考えていない」と述べ、今後も謝罪と説明を続けていくと弁明した。
 それでも、「第三者委員会」について「議員本人に寛容過ぎる。お手盛りとの批判もあるが」と問われると、「3人の委員とは面識もなく、公平公正な立場で仕事をしてきた方々。お手盛りをする必要もない。これ以上できないほど調査していただいた」と述べ、調査は終了したとの認識を強く打ち出した。
 ◇支援者「全力で応援」 渋川で説明会、オンブズは質問状
 渋川市での会合は非公開。出席した支援者らによると、小渕氏は冒頭、「1年間、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪し、「第三者委員会」の弁護士が事件の経緯を説明した。出席者から「誤解が解けてよかった」「これからも頑張って」と声が上がり、小渕氏は「地元住民のために一生懸命頑張ります」と述べ、涙ながらにお辞儀したという。
 父の小渕恵三元首相の時代から選挙運動を支えてきた自民党の南波和憲県議(吾妻郡区)は会合後、「これからも今まで通り全力で応援していく」と話した。
 一方、小渕氏を東京地検特捜部に刑事告発した「市民オンブズマン群馬」は20日、「第三者委員会」の調査結果報告書には疑問点が多いとして、小渕氏に公開質問状を出したことを明らかにした。「3億円を超える巨額の簿外支出の使途について詳細を明らかにする義務がある」「収支報告書に目を通し、秘書たちを指導・監督する政治家としての役割をなぜ放棄してきたのか」と質問している。鈴木庸事務局長は「疑念が全く晴れない。堂々と公開の場で説明すべきだ」と話した。【杉直樹】

**********日刊スポーツ2015年10月22日9時55分紙面から
【政界地獄耳】政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
心に刺さらない小渕の会見
 ★元経産相・小渕優子は本当に将来、首相の座を狙おうとしているのか。20日の地元で行った会見は、地元の選挙対策のため以外に心に刺さるものはなかった。そもそも事件自体が極めて乱暴なものだ。
 ★小渕の資金管理団体「未来産業研究会」など4団体の09年から13年分の政治資金収支報告書について、簿外支出を穴埋めする目的で、架空の寄付金を団体間で計上したり、地元支援者向けに開いた「観劇会」の収入を少なく申告したりしたとして、特捜部が政治資金規正法違反罪(虚偽記載)で、ともに元秘書で、前群馬県中之条町長と、未来産業研究会の元会計責任者を在宅起訴した。小渕については「共謀などの関与が明らかではない」などとして、嫌疑不十分で不起訴となった。しかし判明した裏金は3億円以上。パソコンはドリルで穴をあけ解析不能に。使途についても全く分からなかったと言い張る小渕に国を任せるわけにはいかない。
 ★小渕が設置した第三者委も、委員長は元最高検検事・佐々木善三。委員も元仙台高裁長官・田中康久、元東京国税局調査官・野口光夫と素晴らしい経歴の歴々だが、これでは「悪いことしたけど知らなかったから罪はない」と根拠のないお墨付きを与えただけ。権威に守られて、地元でだけの釈明で被害者のごとき振る舞いが通用するのだろうか。潔いのは閣僚を辞任した時だけ。それ以来発言は1年ぶり。
 ★結局静かに時間が過ぎ、次の選挙での当選をみそぎとするのだろう。そして何事もなかったように役職に就きキャリアを重ねる。いずれは首相にという寸法だろうか。当選さえすれば、有権者は許したかもしれないが、首相になるには国民の理解が必要だ。(K)※敬称略
**********

■姫は、「個人的に相談していた弁護士を経由して、第三者委をつくってもらった」ので、「先生は公平公正な立場で懸命に仕事をしてきた方。私にお手盛りの報告をする必要はないと思う」と会見で記者団に説明しましたが、噴飯ものとしか言えません。

 個人的に相談していた弁護士が誰なのか、関心が持たれますが、おおかた自民党群馬県連のウラ顧問弁護士のことだと思われます。弁護士が公正、中立だと姫が本気で思っているはずもなく、姫=自民党=利権だから、姫のために都合の良い結論を出してくれる弁護士が第三者委員会の委員長になったはずです。

 そこで第三者委員会の構成員である佐々木善三委員長、田中康久委員、委員についてさらに検索してみました。

 東電原発事故の国会事故調への東電の対応に関する第三者検証委員会で、東電の依頼を受けて、委員長になったのは田中康久弁護士(丸の内法律事務所)でした。同じく委員になったのは佐々木善三弁護士(晴海協和法律事務所)でした。まさに、第三者委員会のお仲間同士というわけです。

 田中康久委員の略歴は次の通りです。
 昭和15年1月1日生
昭和37年 東京大学法学部卒
 昭和37年 司法試験合格
 昭和40年 司法修習終了(17期)
 昭和40年~平成16年 裁判官(東京地裁、旭川家地裁、法務省参事官、東京地裁判事部総括、東京高裁、前橋地裁所長、東京高裁判事部総括、名古屋地裁所長、仙台高裁長官)
 平成17年 法務省公安審査委員会 委員長、弁護士登録、得意分野は民事執行、不動産登記、戸籍、破産、知財。

 また、野口光夫委員の略歴は次の通りです。
 1974(昭和49)年 立命館大学経営学部卒業
 2005(平成17)年7月 大蔵省、東京国税局、大阪国政局、麹町税務署等の勤務を経て東京国税局調査部主査で退職。税理士登録。
その後税理士法・法人税法・消費税法等の改正立案作業に携わるほか、外国法人・大企業法人の調査、特に海外取引・移転価格調査を重点的に実施。海外取引調査・国際源泉調査・地価税調査等の経験を活かし、外国法人等を含む企業の顧問や株式上場(株式公開)・ M&A などの企業再編等を得意とする。駿河台法律会計事務所パートナー。

■このようなデタラメの第三者委員会の報告を根拠に、後援会はともかく、マスコミ相手に記者会見をするなど、説明責任とはかけ離れた無謀な暴挙として、よく恥ずかしげもなくできるものだと嘆息を禁じ得ませんが、それが通用するところが、保守王国の群馬ならではの現象といえます。

 日弁連では、本来の第三者委員会のあるべき要素について、ガイドラインを発表しています。次のPDF資料を参照ください。
第三者委員会の設置のためのガイドライン(日弁連)
oukchciaj.pdf

【市民オンブズマン群馬事務局から報告】
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10月20日の姫の後援会幹部会議と謝罪記者会見を報じたマスコミの報道ぶり

2015-10-21 23:12:00 | 政治とカネ
■1年前に週刊新潮のスクープ記事で発覚した「姫」こと小渕優子元経産相の政治資金の不正会計を巡る諸問題で、10月9日(金)の国家老こと元秘書ら2人の刑事判決をきっかけに、10月19日(月)の第三者委員会の報告に続き、10月20日(火)の姫の後援会幹部会議及び謝罪会見と、明らかにシナリオを感じされるタイミングで立て続けに幕引きのイベントが続きました。このうち、当会は10月9日と20日のイベントに関与することができました。10月20日は、姫の後援会幹部会議が渋川市内で開催され傍聴参加を希望しましたが、残念ながらオンブズマンはシャットアウトされてしまい、謝罪記者会見もマスコミのみが対象でした。この模様を報じた10月20日午後から21日にかけての報道内容を時系列順に見てみましょう。

**********NHK NEWS Web 10月20日 17時57分
小渕氏「心からおわび」 議員辞職はせず

 小渕元経済産業大臣の政治資金を巡る事件で、小渕氏は20日夕方、前橋市内で記者会見し、「多くの皆様にご心配とご迷惑をかけた。心からおわび申し上げる」と謝罪したうえで、議員辞職する考えはないことを明らかにしました。
 小渕元経済産業大臣は政治資金を巡る事件について、20日午後、群馬県渋川市内で後援会の関係者に説明を行ったあと、午後5時45分すぎから前橋市内で記者会見しました。この中で、小渕氏は「今回の私の一連の事件で多くの皆様にご心配とご迷惑をかけた。改めて心からおわび申し上げる。特に後援会主催の行事で参加費をいただいたにもかかわらず、収支報告書に一部または全部を計上しなかったことでご迷惑をかけ、深くおわびする」と謝罪しました。
 また、小渕氏は、東京地方裁判所が、先に小渕氏の資金管理団体などの収支報告書にうその記載をしたなどとして元秘書2人に対し有罪判決を言い渡したことについて、「元秘書の有罪判決を重く受け止めている。私の責任も大変重いものと思っている。二度とこのようなことがないようにすることが私に課せられた責任だ」と述べました。
 そのうえで小渕氏は、みずからの進退について「先ほど後援会の総意で『地元・群馬のために頑張っていけ』と決議いただいた。身が引き締まるが思いで、誠心誠意、身を粉にして働いていきたい」と述べ、議員辞職する考えはないことを明らかにしました。
 さらに小渕氏は、監督責任について「収支報告書は、秘書が持ってくると表紙を見たり、パラパラめくる程度で返していた。収支報告書の責任は会計責任者にあるが、だからといって代表である私にないわけではない。今後はこのようなことがないよう監督責任を果たしていきたい」と述べました。

**********時事通信2015年10月20日21:01
小渕元経産相、議員辞職を否定=虚偽記載事件「心からおわび」

自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関する第三者委員会の報告書公表を受け、記者会見する小渕優子元経済産業相=20日午後、前橋市
 自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、小渕優子元経済産業相は20日、第三者委員会が調査報告書を公表したことを受け前橋市内で記者会見した。小渕氏は「一連の事件について多くのみなさま方にご心配とご迷惑をお掛けし、心からおわび申し上げる」と謝罪する一方、議員辞職は否定した。
 小渕氏は会見に先立ち、後援会関係者に調査報告書の内容を説明。会見では「後援会から今後も地元のために頑張れとの決議をいただいた。期待に応えられるよう身を粉にして働きたい」と述べ、議員活動を続ける意向を示した。
 収支報告書の虚偽記載については「事務所のスタッフに任せきりだった」と釈明。第三者委が小渕氏の監督責任を「政治上、道義上も検討する必要がある」と指摘したことなどを受け、「指摘を踏まえ、二度とこのようなことが起きないようにすることが私の責任だ。今後は専門家に経理を見てもらい、相談しながら監督責任を果たしていきたい」と述べた。

**********毎日新聞 2015年10月20日 21時24分(最終更新 10月20日 23時19分)
政治資金規正法違反:小渕議員、辞職の考えなし

第三者委員会の報告書提出を受けた記者会見で厳しい表情を見せる小渕優子衆院議員=前橋市で2015年10月20日午後6時16分、猪飼健史撮影
 ◇記者会見 事件関与を改めて否定 不明点の調査も終了へ
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が20日、前橋市で記者会見して事件への関与を改めて否定し、議員辞職の考えはないことを明らかにした。自身が調査を依頼した「第三者委員会」の報告書に沿って説明し、不明点についてもこれ以上は調査しない方針を示した。
 小渕氏は会見で「多くの皆さんに心配やご迷惑をかけた。改めておわび申し上げる」と謝罪。監督責任を認めたが、「渡された収支報告書の表紙や中身をぱらぱらめくり、『ご苦労様』と返していた。秘書を信頼していた」と自身の関与を否定した。
 2006年末時点で資金管理団体の預金残高は収支報告書より約1億円も少なかった。ズレを解消するため、元秘書らは09年から虚偽記載による「つじつま合わせ」を始めたとされる。このズレについて小渕氏は「慶弔費や陣中見舞いなど記載をはばかられる支出の不記載があったようだが、十分に分からない。地検の捜査や第三者委の調査でも分からず限界。資料が乏しく、亡くなっている関係者もいる」と述べ、追加調査はしない考えを示した。
 「今回の問題を受け『知らなかった』と言い逃れすれば刑事責任を回避できると考える人が出てくるのでは」との質問には「なんと答えたらよいか分からない。制度は私が決めるものではない」と答えた
 小渕氏は問題が発覚した昨年10月に経済産業相を辞任し、「第三者による調査後、政治家として説明責任を果たしたい」と述べてこれまで説明をしてこなかった。
 東京地裁は今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。これを受け、「第三者委員会」が19日に「小渕氏は関与しておらず、法律上の責任はない」との調査結果報告書を公表していた。【尾崎修二、高橋努】

**********産経ニュース2015年10月20日21:33
小渕優子元経産相「身を粉にして…」 第三者委の報告書公表受け会見、議員辞職は否定

関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関し、記者会見で謝罪する小渕元経産相=20日午後、前橋市
 小渕優子元経済産業相(41)の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、第三者委員会が報告書をまとめたことを受け、小渕氏は20日、地元の前橋市で会見した。小渕氏は謝罪した上で、「会見前に後援会から、『群馬のためにがんばれ』と決議をいただいた。身を粉にして働いてまいりたい」と述べ、議員辞職を否定した。
 東京地裁は今月9日、同法違反罪で元秘書2人に有罪判決を言い渡し、政治資金収支報告書の虚偽記載について、「裏金捻出を目的としていた」と指摘した。この点について小渕氏は「判決内容はショックだった。今後、収支報告書を訂正する中で、裏金の存在の有無を確認していきたい」と釈明した。
 小渕氏は虚偽記載の原因について、「(父の小渕恵三元首相と比べて)集金力がなくなった。私の力や人気がないとみられるのを恐れたのではないか」と分析。「今回のことを胸に刻み、二度と起こらないように努めたい」と述べた。
 判決によると、元秘書らは小渕氏の関連4団体の平成21~25年分の収支報告書に3億2000万円の虚偽記載をしたとされる。小渕氏については東京地検特捜部が4月、不起訴処分とした。

**********読売テレビ2015年10月20日22:05
小渕優子衆院議員「心からおわびします」

 政治資金をめぐる事件で、元秘書2人が有罪判決を受けた自民党の小渕優子衆議院議員が20日、地元群馬で会見し、「心からおわびします」と謝罪する一方、議員辞職する考えはない事を明らかにした。
 小渕議員「私が先頭に立って適切に対応し、2度とこのような事がないように努めたい。一連の事件に対して多大なる心配迷惑をかけた大勢の皆様方に、心から心から、おわびを申し上げます」
 会見で小渕氏は謝罪をするとともに、再発防止に向けてチェック体制の強化などに努めると述べた。
 一方で、不正な会計処理を見抜けなかった事については、次のように話した。
 小渕議員「信頼できる秘書ですので(収支報告書の)表紙を見る、あるいはパラパラめくる、その程度でご苦労さまと渡し返していた」
 小渕氏は、「いまだ、十分に説明できない事にじくじたる思いはあるが、調査・捜査の限界だ」と話した。
 一方で、「私の責任も大変重い。2度とこのような事がないようにする事が、私に課せられた責任だ」「今後も期待に応えられるよう誠心誠意、働いていきたい」などと述べ、議員辞職する考えはない事を明らかにした。

**********読売2015年10月20日 22時59分
小渕優子氏、議員辞職せず…監督責任認め謝罪

関連政治団体の政治資金規正法違反事件についての記者会見で謝罪する小渕優子・元経済産業相(20日午後5時48分、前橋市で)=三輪洋子撮影
 小渕優子・元経済産業相(41)の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏は20日、前橋市内で記者会見した。
 政治資金収支報告書の作成は秘書任せにしていたとした上で、「監督責任は生じる。責任がないとは全く思っていない」と述べ、謝罪した。一方、後援会幹部らが同日、政治活動を続けるよう決議したことを理由に、議員辞職の考えはないと強調した。
 小渕氏は、事件の調査のために設置した第三者委員会(委員長・佐々木善三弁護士)の3人と会見に臨んだ。冒頭、「多くの皆さまに大変なご迷惑をおかけした。心からおわび申し上げたい」と深々と頭を下げた。
 第三者委は19日、「監督責任は軽微ではないが法的責任はない」として、政治資金収支報告書の訂正や会計責任者の交代、政治資金管理にあたり専門家と相談する体制作りなどを提言する報告書を発表。小渕氏はこれを踏まえ、「二度とこうしたことがないよう努めたい」と述べた。

*********TBS2015年10月20日23:19
小渕議員が会見で謝罪「秘書を信頼していた」
 政治資金をめぐる事件で、小渕優子衆院議員が地元の群馬県で会見を行い、「秘書を信頼していた」「今後は監督責任を果たしていきたい」などと述べ、謝罪しました。
 「心から心から、おわびを申し上げます」(小渕優子衆院議員)
 小渕氏はちょうど1年前、関連する政治団体での不透明な資金処理をめぐり経済産業大臣を辞任。今月、元秘書2人が政治資金規正法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けました。
 「秘書が収支報告書ができますと、こんな感じですと持ってきますので、表紙を見る、あるいはパラパラめくる、その程度で、信頼できる秘書でしたので、御苦労さまということで渡し返していた」(小渕優子衆院議員)
 小渕氏は「元秘書の有罪判決を重く受け止めている」「今後は監督責任を果たしていきたい」とした上で、「国会議員として、地元群馬の期待や思いに応えられるよう働いていきたい」などと述べました。(20日23:19)

**********上毛新聞2015年10月21日一面

20151021lij.pdf
政治資金問題 小渕氏謝罪「責任重い」
前橋で会見 議員辞職は否定

 小渕優子元経済産業相は20日、関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、前橋市内で記者会見し、自身の関与を否定した一方、監督責任は認め、「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛け、あらためておわび申し上げる」と謝罪した。議員辞職する考えはないことを強調し、今後は政治資金のチェック体制を強化するなど再発防止に努める考えを明らかにした。
 小渕氏は会見で、虚偽記入や不記載などがあった政治資金収支報告書については「秘書が持ってきたら表紙を見たり、パラパラめくったりするぐらいで返していた」と説明した。
 問題を検証するために小渕氏側が設置した弁護士らで構成する第三者委員会の調査報告を基に、元秘書による収支報告書の虚偽記入が始まった経緯などを説明したが、詳細には不明な点が残るとした。
 関係者が死亡していたり資料がなくなったりしており、「検察にも第三者委にも時間をかけて調べてもらったが、限界があり、十分に分からない。説明が果たせず、悔しい思いでいる」と述べ、再調査はしない意向を示した。
 自身の責任については、「元秘書2人の有罪判決を重く受け止める。責任は重い」とする一方で、議員辞職は「これからも身を粉にして働きたい」と否定した。第三者委の提言に沿い、収支報告書の修正に当たるほか、専門的な第三者によるチェックを入れるなど再発防止に努めることで監督責任を果たしていくとした。
 小渕氏は会見に先立ち、渋川市で開かれた後援会幹部の会合で経緯を説明し、謝罪した。後援会からは引き続き議員として活動するよう決議を受けたという。今後、各地区の後援会に対しても一連の問題を説明し理解を求めていく考え。
 小渕氏は昨年10月20日に経産相を辞任し、「政治家としての説明責任を果たす」などと述べていた。同12月の衆院選でも有権者に謝罪を繰り返したが、事件の詳細については語っていなかった。
 事件では東京地裁が今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記入、不記載)の罪で前中之条町長の折田謙一郎被告(67)ら元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。19日には小渕側が設置した第三者委が「小渕氏は不正に関与しておらず、法律上の責任はない。監督責任は軽いと言えないが、強く問うことにはためらいを感じる」との調査結果を公表した。
★調査限界に違和感
小竹裕人・群馬大准教授(公共政策論)の話
 調査に限界があるという発言に違和感を覚える。監督責任があると言うなら、最後まで調査を続けるという姿勢が求められるのではないか。それが国民への説明責任にもつながるだろう。選挙は日頃からの有権者との関係性ではなく、掲げる政策で競うべきだ。政治資金規正法にも、候補者と一定の関係にある者の刑が確定した場合、当選が無効になる連座制のような仕組みが必要だと考える。

〔三山春秋〕
 「政治活動に対する国民の監視と批判の機会をないがしろにする悪質な犯行」「政治資金の収支をその通り収支報告書に記載しない実態を半ば当然視し、違法な手段を使ってでも、政治資金の収受について国民の疑惑を回避できさえすればよいという、法の目的とは正反対の姿勢が垣間見える。
▼小渕優子元建材産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、ともに元秘書の前中之条町長と資金管理団体元会計責任者に東京地裁が下した有罪判決はその悪質さを厳しく指弾した。
▼それから10日。この事件で問題を検証するため、小渕氏側が設置した「第三者委員会」が調査結果を公表し、不正処理について本人の関与はないとして、法律上の責任を否定した。
▼その上で「監督責任があることは当然で、その責任は警備とはいえない」と指摘しながらも、関係資料の押収などを理由に調査に限界があったことを繰り返した。
▼これを受け、当の小渕氏がようやく口を開いたのは経産相辞任からちょうど1年のきのう。事件について「多くの皆さんに心配やご迷惑をかけた」と謝罪、引き続き国政に携わる意欲を表明した。
▼本人の関与がなかったとしても、法律をないがしろにした関連団体の活動などで国会議員となった事実は消えない。小渕氏はこれから何本の法律づくりに関わるのだろう。
                  2015・10・21

**********上毛新聞2015年10月21日社会面P22

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説明できず悔い 政治資金問題で一問一答
 小渕優子元経済産業相は20日、前橋市大手町の県政会館で記者会見を開いた。主なやり取りは次の通り。
★議員継続、後援会が「決議」
 ―収支報告書の残高と実際の現金のずれの原因は、新たに調査をするか。
 今回の事件の発端となったのは未来産業研究会の1億円の乖離。私自身、疑問に思うし、皆さんが持つ疑念も当然と思う。しかし、捜査や裁判で十分に分からないというところがある。平成20年より前は関係者が亡くなっている、関連する資料がないこともある。十分に説明できないことにじくじたる思いがあるが、調査、また捜査の限界というものではないか。
 ―責任をどう取るか。
 元秘書2人の有罪判決は大変重く受け止めている。当然、私の責任も大変重い。第三者委員会の提言を踏まえ、改善できることをすべて改善し、二度とこのようなことが無いようにしていくのが私に課せられた責任だと思う。
 ―議員辞職する考えは。
 自分の身の処し方について、この1年、随分考え、悩んだ。昨年12月の選挙は疑念が晴れていない中での選挙戦だったが、当選させていただいた。その時、預かりしている議席は私1人で決められるものではないと実感した。後援会の説明会で、今後についてお預けすると申し上げた。結果、後援会の総意として地元群馬のために頑張っていけと決議をいただいた。誠心誠意、身を粉にして働いていきたい。
 ―監督責任をどう捉えていたのか。
 秘書が持ってきた収支報告書は、表紙を見る、パラパラめくる、その程度で「ご苦労さま」と渡し返していた。収支報告書の作成、提出の義務は会計責任者にあるが、代表の私に責任がないという訳ではない。このような問題が起これば、代表である私にも大きく降り掛かってくる。今後はこのようなことが起こらないように私自身もしっかり監督責任を果たしていきたい。
 ―今回の会見で説明を果たしたと考えるのか。国民へのおわびは。
 これ以上の説明ができないという状況にある中、次、またその次の説明を考えているわけではない。国民の皆様には、「政治とカネ」の問題や、政治家に対する信頼、不信感を持たせたことには責任を十分に感じている。
 ―第三者委の報告書はお手盛りとの批判がある。
 個人的に相談していた弁護士を経由して、第三者委をつくってもらった先生は公平公正な立場で懸命に仕事をしてきた方。私にお手盛りの報告をする必要はないと思う。
 ―折田謙一郎被告が今後、政策や事務所運営に関わりを持つのか。
 元秘書は2人とも定年を迎え、事務所スタッフの一員ではなくなっている。2人は責任を感じているので、私の仕事に関わってくることはない
と思う。

**********上毛新聞2015年10月21日社会面P23

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小渕氏謝罪 「いい勉強」「説明遅い」 有権者反応別れる
 「ご心配をお掛けして申し訳ない」。関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、小渕優子元経済産業相は20日、渋川市内で開かれた会合で、支援者に直接謝罪した。小渕氏側が設置した第三者委員会の調査結果が報告され、出席者は説明に理解を示し、国政での活躍を願う声が相次いだ。一方、小渕氏の選挙区の有権者からは「説明が遅すぎる」「幕引きはおかしい」と厳しい意見もあった。
 会合は同市内の結婚式場で開かれ、小渕氏は開始1時間以上前の午後2時前、会場に到着。黒のスーツ姿で、足早に会場に入った。会合は非公開で行われ、後援会幹部や自民県議計50人が出席した。
 出席者によると、小渕氏は冒頭で事件について謝罪。その後、小渕氏に法的責任はないとした第三者委の調査結果が報告された。年内に選挙区内の後援会8支部を回り、説明と謝罪をすることも決まった。出席者から激励が相次ぎ、小渕氏が感極まって涙ぐむ場面もあったという。
 後援会総連合会の柳沢本次会長は「(第三者委で)一つ一つよく調べてあり、皆説明に納得していた。逆に結束が強まった」とし、小渕氏を支援していく姿勢を強調した。出席した下仁田町の男性(72)は「今回の件は彼女にとっていい勉強。大きく飛躍できる人になるだろう」と話した。
 事件発覚から1年。地元選挙区の有権者は小渕氏の説明をさまざまな思いで受け止めた。
 甘楽町の無職、小金沢宏さん(64)は「説明責任は果たされた」と評価。中之条町の農業男性(67)も「心機一転、国のために頑張ってほしい」と期待した。富岡市の自営業男性(57)は「国政で再び頑張るのも責任の取り方だ」と前向きに受け止めた。
 一方、高崎市の無職、中島崇之さん(74)は「説明が遅すぎる。監督責任の重さを指摘されたのに『おわび』を繰り返すことで済まそうとするのは納得がいかない」と厳しく批判。吉岡町の無職、猪俣智子さん(73)は「辞職の道を選ばなかったのは残念」と話した。
 小渕氏を刑事告発(不起訴処分)した市民オンブズマン群馬の小川賢代表は渋川市の会合の会場に訪れ、「小渕氏の刑事責任が問われないのはおかしい。日本の政治の悪い前例になる」とあらためて指摘した。小渕氏に対し、事件への説明を求める公開質問状を送るとした

**********東京新聞2015年10月21日 朝刊
小渕氏、会見し謝罪 議員辞職は否定 規正法違反事件

記者会見で頭を下げる小渕元経産相
 小渕優子元経済産業相は自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件を受け二十日、前橋市で記者会見し「政治とカネの問題で国民に不信感を持たせた。多くの皆さんに心配と迷惑を掛けたことをおわび申し上げる」と謝罪した。事件に関与した元秘書二人の監督責任を認めた一方、地元後援会に理解を得られたとして議員辞職しない考えを示した。
 問題発覚を受け、昨年十月、経産相を辞任する会見を開いて以降、本人が説明するのは初めて。
 事件では、東京地裁が今月九日、政治資金規正法違反(虚偽記入など)の罪で元秘書の折田謙一郎被告(67)ら二人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
 判決が、東京・明治座での観劇会収支の虚偽記入と不記載は「裏金捻出も目的としていた」と認定した点について、小渕氏は「ショックを受けた」と明かした。
 今後、収支報告書を訂正していく中で「裏金という部類に入るかどうか調べていくことになる」と説明。自身が先頭に立って再発防止に努めることが大事だと強調した。
 小渕氏は会見に先立ち、群馬県渋川市で後援会に説明会を行っており「後援会の総意で今後も地元群馬のために頑張っていけという決議をもらった。その期待に応えられるよう身を粉にして働きたい」と述べた。

**********東京新聞2015年10月21日群馬版
規正法違反事件 「今後の調査に限界」 小渕氏、弁明に終始
 小渕優子元経済産業相の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が依頼した第三者委員会が調査結果を公表したのを受け、二十日に前橋市で記者会見した小渕氏。「おわびしたい」と何度も頭を深く下げたが、「すっかり秘書に任せていた」「今後の調査には限界がある」などと、どこか他人事とも受け止められるような弁明に終始した。(菅原洋)
 調査結果では、二〇〇六年末の時点で収支報告書の残高よりも実際にある現金が約一億円少なく、「実態は不明」と指摘。九日に東京地裁であったこの事件の判決は、元秘書の犯行の一部は「裏金の捻出を目的としていた」とも指摘した。
 会見で、こうした点を追及された小渕氏は当初、「この乖離は大変な疑問。なんとしても知りたいと思う」と明言。しかし、その後の発言では「捜査や(第三者委の)調査に限界があると聞いた」「私に監督責任はあり、全く責任がないとは言わない」とトーンダウンした。
 捜査で押収された資料が今後返却されたから第三者委などが調査することについては、「でき得ることならと思うが、調査には限界がある」「既に亡くなった関係者もいる」などと後ろ向きな発言を繰り返した。小渕氏は今後、判明した点があれば、収支報告書を訂正する意向は示した。
 また、第三者委の調査結果では、秘書がまとめた収支報告書の内容を全く確認したことがなく、「監査責任は軽微とは言えない」と指摘された。
 この点に、小渕氏は「収支報告書の表紙を見て、パラパラとめくる程度だった。報告書の責任は(規正法上では主に)会計責任者にあるが、(政治団体の)代表である私にも降り掛かる。今後は監督責任を果たしたい」と釈明した。
 小渕氏は年内をめどに、後援会などの地区別組織で事件について説明会を開く見通し。

=市民オンブズマン群馬 小渕氏に公開質問状=
 市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は二十日、小渕氏に事件の事実関係などを問う公開質問状を送った。
 質問は、後援会が開いた観劇会の実際の収支や、小渕氏の顔写真をラベルにしたワインセット作成の目的や製造、配布の経緯など八項目。
 鈴木事務局長は取材に「小渕氏に対しまだまだ詳細に追及する必要がある」と話した。
 回答期限は二十七日までとし、回答の有無や内容を記者会見や市民オンブズマン群馬のホームページで公表するという。(原田晋也)


**********毎日新聞 2015年10月21日 東京朝刊
小渕衆院議員:政治資金問題 議員辞職否定 監督責任認め謝罪

第三者委員会の報告書提出を受け、記者会見する小渕優子衆院議員=前橋市で2015年10月20日午後6時28分、猪飼健史撮影
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が20日、前橋市で記者会見して事件への関与を改めて否定し、議員辞職の考えはないことを明らかにした。自身が調査を依頼した「第三者委員会」の報告書に沿って説明し、不明点についてもこれ以上は調査しない方針を示した。
 小渕氏は会見で「皆さんに心配やご迷惑をかけた。改めておわび申し上げる」と謝罪。監督責任を認めたが、「渡された収支報告書の表紙や中身をぱらぱらめくり、『ご苦労様』と返していた。秘書を信頼していた」と自身の関与を否定した。
 2006年末時点で資金管理団体の預金残高は収支報告書より約1億円も少なかった。ズレを解消するため、元秘書らは09年から虚偽記載による「つじつま合わせ」を始めたとされる。ズレについて小渕氏は「慶弔費や陣中見舞いなど記載をはばかられる支出の不記載があったようだが、十分に分からない。地検の捜査や第三者委の調査でも分からず限界。資料が乏しく、亡くなっている関係者もいる」と述べ、追加調査はしない考えを示した。
 「問題を受け『知らなかった』と言い逃れすれば刑事責任を回避できると考える人が出てくるのでは」との質問には「なんと答えたらよいか分からない。制度は私が決めるものではない」と答えた。
 小渕氏は問題が発覚した昨年10月に経済産業相を辞任し、「第三者による調査後、政治家として説明責任を果たしたい」と述べてこれまで説明をしてこなかった。東京地裁は今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。これを受け、「第三者委員会」が19日に「小渕氏は関与しておらず、法律上の責任はない」との報告書を公表していた。【尾崎修二、高橋努】
 ◇報告書「ワイン欲しがった」 支援者は「酒飲めない」

衆院群馬5区の選挙区内で有権者に贈られた「おぶち優子ワイン」
 小渕氏の設置した第三者委員会が19日に公表した調査報告書は、著名洋服店や親族経営の服飾雑貨店への政治資金からの支出について、本人や秘書が私的に購入した際の領収書を流用したことも認め、政治資金収支報告書の修正を求めた。
 小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の収支報告書には著名デザイナーズブランドなどへの支出が計上され「政治資金ではなく個人的な支出では」と指摘されていた。デザイナーズブランドについて調査報告書は「小渕氏が購入し、領収書を預かった秘書が未来研の領収書と混在してしまい、支出として流用して記載された」と指摘。親族経営の服飾雑貨店への支出なども「秘書らの個人支出について、たまたま手元にあった領収書を記載したものが散見される」などと問題視した。
 群馬県の選挙区内で小渕氏の写真を貼ったワインを贈った問題では「選挙区外で贈っていたが、区内の支援者も欲しがるなどしたため秘書の独断で贈った」と指摘。しかし、ワインの受領を最初に認めて毎日新聞が報じた男性は「酒が飲めないので欲しがるはずはない」と証言した。
 一方、家宅捜索前に事務所のパソコンが壊されたことについては、故障したため業者に処分を依頼し、業者がドリルで穴を開けたもので問題はないとした。【杉本修作】

**********読売2015年10月21日
小渕氏「地元のため頑張る」

記者会見を行う小渕氏(20日午後6時25分、前橋市で)=三輪洋子撮影
 ◆野党から政治責任問う声
 経済産業相の辞任から1年。自らの関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕優子氏(41)は20日の記者会見で監督責任を認め、謝罪した。会見前に開いた後援会幹部の会合では、小渕氏を引き続き支援する決議が行われ、小渕氏は「地元のために頑張りたい」と衆院議員にとどまり、議員活動を続ける考えを示した。野党からは「政治家は結果責任を取るべきだ」と批判の声が上がった。
 後援会幹部役員と地元の自民党県議の合同会議は午後3時頃から、渋川市内で開かれた。小渕氏は午後1時50分頃、緊張した様子で会場に入った。会議には約50人が出席し、非公開で約1時間半行われた。
 関係者によると、小渕氏があいさつした後、小渕氏の依頼で事件を調査した第三者委員会から調査結果が報告された。
 出席者の関心が高かったのは、後援会女性部の明治座への観劇会を巡る虚偽記入についてだった。収入と支出が一致しないが、関連政治団体のいずれかの収支報告書に支出として計上されており、第三者委は「虚偽記入であることは明らかだが、明治座への支払い自体を隠蔽する意図ではない」と説明。出席者のうち5人が質問したが、批判はなかったという。
 その後、後援会として小渕氏を引き続き支えるとともに、小渕氏に政治活動を続けるよう求める決議を行った。小渕氏は「重い責任がある。地元のために、国政のために頑張りたい」などと、涙を浮かべながら語ったという。会議後は、午後5時半から前橋市内で開く記者会見の会場へ向かった。
 柳沢本次・後援会総連合会長は会議後、「本人から説明を受けるまで、一日千秋の思いだった。一致団結して応援していくことを決めた」と述べた。南波和憲県議も「明治座の件について疑念がはれ、よく分かって良かったとの声が多かった」と話した。女性支持者は「支持者も小渕氏も、大変な1年だった」と、すっきりした表情で語った。
 事件では、いずれも小渕氏の元秘書で、前中之条町長の折田謙一郎被告(67)、加辺守喜被告(62)が今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記入)で執行猶予付きの有罪判決を受けた。
 民主党県連の黒沢孝行会長は20日、「政治家は結果で責任を取らないといけない。この説明で第三者の批判に耐えうるのか疑問だ。1年経てからの説明も有権者をバカにしている」と、小渕氏を批判した。
 小渕氏や折田被告を同法違反容疑などで告発した市民オンブズマン群馬の小川賢代表は「観劇会へ有権者を連れて行くことは、公職選挙法で禁止する有権者への寄付にあたるのではないか」として、政治的、道義的責任も問う8項目の公開質問状を小渕氏側に提出した。←※(当会注:支出と収入の乖離の実態が解明されていないことから、赤字で有れば補填=寄付にあたり、黒字であれば利益=裏金にあたるということを説明したもの)

**********Reuters共同 2015年 10月 21日 00:12 JST
小渕優子氏が謝罪、「責任重い」
小渕優子元経産相、会見し謝罪


 小渕優子元経済産業相が20日、関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関して前橋市で記者会見し「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛けた。あらためておわび申し上げる」と謝罪した。自身の責任については「秘書を信頼し任せきりにしていた。私の責任は大変重い。二度と起こらないよう今後は監督責任を果たしたい」と述べた。
 議員辞職は「これからも身を粉にして働く」と否定した。記者会見に先立ち、群馬県渋川市で後援会幹部らに経緯を説明し、理解が得られたという。

**********テレ朝News 2015年10月21日 00:45
元秘書2人が有罪の小渕氏謝罪 議員辞職は否定

 小渕優子元経済産業大臣が自身の政治団体を巡る政治資金規正法違反事件について会見し、責任を認めたうえで謝罪しました。一方で、議員辞職については否定しました。
 小渕氏は元秘書2人が有罪判決を受けたことについて、「収支については全く分からなかった」としたうえで、「私の責任も重いものと思っている」と謝罪しました。一方で、進退については「後援会総意で『今後も群馬のために頑張っていけ』という決議をもらった」と議員辞職を否定しました。また、大臣辞任後、事件に関する説明が1年後になったことについて「私としても早く説明したかったが、十分に内容が分からず、検察の捜査や裁判があったため」と述べました。

**********日経2015年10月21日1:33
小渕元経産相が謝罪 元秘書に有罪判決、議員辞職はせず
 小渕優子元経済産業相が20日、関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件に関して前橋市内で記者会見し「多くの皆様にご心配、ご迷惑をおかけし心からおわびする」と謝罪した。一方で「皆さまの期待に応えられるよう働く」と、議員辞職しない考えも示した。
 小渕氏が事件について公の場で説明するのは経産相を辞任した昨年10月以来、約1年ぶり。これまで発言を控えていた理由を「私自身、事件について何も知らなかった」などと釈明した。
 小渕氏の関連政治団体の収支報告書に架空の寄付金を計上したり、観劇会の収入を過少に計上したりして規正法違反罪に問われた元秘書の折田謙一郎被告(67)ら2人が今月9日、東京地裁で有罪判決を受けた。19日には小渕氏側が設置した第三者委員会が「小渕氏の監督責任は軽いと言えない」などとする調査結果を公表した。
 小渕氏は元秘書の有罪判決について「大変重く受け止めている」と述べた上で「今後は私自身がしっかり監督責任を果たしていきたい」と話した。

**********FNN News 2015年10月21日04:43
小渕元経産相、関連政治団体めぐる事件で謝罪 議員辞職はせず
 大臣を辞任してから、ちょうど1年を迎えた20日、小渕元経済産業相は、自らの関連政治団体をめぐる事件について謝罪した。
 小渕元経産相は「あらためて、心からおわび申し上げます」と謝罪した。
 この事件では、元秘書2人が有罪判決を言い渡されたが、小渕氏側が設置した第3者委員会は、「小渕氏は不正に関与していない」との調査結果を公表している。
 小渕氏は、会見で、「二度と起きないよう、監督責任を果たしたい」として、再発防止に努める考えを強調した。
 一方、自らの進退については、「これからも身を粉にして働く」と述べ、議員辞職する考えがないことを明らかにした。

**********日刊スポーツ[2015年10月21日9時45分 紙面から]
小渕氏おわび涙会見も逃げる政治家の完全払拭ならず
 小渕優子元経産相(41)は20日、地元の群馬県前橋市で会見し、自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について「心からおわびします」と謝罪した。経産相辞任から丸1年の節目。「親・優子」の後援会幹部に「もう1度頑張れ」と後押しされたことを理由に、議員辞職は否定した。ただ、元秘書に任せきりだった政治資金の全容に関し、十分説明できない場面も。説明責任を果たすタイミングも遅れ、真の信頼回復には時間がかかりそうだ。
 経産相の電撃辞任から丸1年。小渕氏が自身の政治資金問題を、初めて詳細に語った。自民党県連で会見し「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛けた。心からおわびしたい」と謝罪した。
 19日に公表された第三者委員会の調査報告書は、執行猶予付き有罪判決を受けた元秘書ら2人が収支報告書の不正処理を「主導」したと指摘。小渕氏は「法律上の責任はない」とした。
 小渕氏は「彼らのおかげで政治家としてまい進できた」とした上で、「当然私自身の責任は重い。2度とないようにしたい」「2人は今後私の仕事にかかわることはない」と強調。「何も知らなくていいということは、なかった。すっかり任せきりだった」の言葉通り、収支報告書記載の金額のズレについて質問され、「十分分からないことが大変悔しい」と、説明に窮する場面もあった。
 議員辞職ははっきり否定した。「この1年、身の処し方を考え悩んできたが、私1人で決められることではない」。後援会の「続投要請」を理由に挙げた。
 会見に先立ち、小渕氏は渋川市で後援会幹部50人との会合に臨んだ。今回の問題を正式に説明したのは初めて。父の故小渕恵三元首相時代からの支援者も多い「親・優子派」だ。出席者によると、小渕氏の謝罪を受けて行われた約1時間半の会合の大半は、第三者委員会の報告書の説明に費やされた。批判は出ず「説明を聞き、みんな納得した」(出席者の1人)という。
 この場で「もう1度群馬のために頑張れ」の声を受け、小渕氏は涙ぐみ「地元のためにこれからも頑張ります」と表明。続投は、有権者の一部である有力支援者の声で決まった。会合後は「将来は、先代のように」と、小渕氏を父恵三氏に重ねる支援者もいた。
 会見では、一部メディアの出席を拒否した。「早く報告したかったが、報告書を待っていた」と釈明したが、説明責任のタイミングも遅れた。「逃げる政治家」のイメージは、完全に消えていない。【中山知子】

**********毎日新聞 2015年10月21日 13時18分
<小渕衆院議員>記者会見、おわびに終始 「今後も説明続ける」 /群馬
 問題発覚から1年、自らの政治団体の不明朗会計から閣僚辞任、元秘書2人の有罪判決にいたった小渕優子衆院議員が20日、初めて公の場での説明に臨んだ。1時間余りの記者会見は何度も頭を下げ、おわびに終始。求められ続けてきた「説明責任」に対する回答は、自らが設置した「第三者委員会」の報告内容を繰り返すにとどまった。【高橋努、尾崎修二】
 「一連の事件に関し、後援会や支持者など多くの皆さんにご心配、ご迷惑をかけた。心からおわび申し上げたい」。小渕氏は昨年10月の問題発覚以来、さまざまな場で繰り返した言葉とともに平身低頭して記者会見の口火を切った。しかし、議員としての責任のあり方を問われると、後援会の意向や「第三者委員会」の報告内容を盾に、強気の姿勢を貫いた
 「議席をどうしていくかは私が決めることではない。(記者会見に先立つ)渋川市での後援会との会合で、今後も群馬のために頑張れとの激励をいただいた。身を粉にして働いていく」。用意した書面から目を上げ、背筋を伸ばして断言した。
 一方、昨年末の衆院選については「当選はしたが、(問題について)説明もできぬままの選挙だった。理解してもらっての当選とは考えていない」と述べ、今後も謝罪と説明を続けていくと弁明した。
 それでも、「第三者委員会」について「議員本人に寛容過ぎる。お手盛りとの批判もあるが」と問われると、「3人の委員とは面識もなく、公平公正な立場で仕事をしてきた方々。お手盛りをする必要もない。これ以上できないほど調査していただいた」と述べ、調査は終了したとの認識を強く打ち出した
 ◇支援者「全力で応援」 渋川で説明会、オンブズは質問状
 渋川市での会合は非公開。出席した支援者らによると、小渕氏は冒頭、「1年間、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪し、「第三者委員会」の弁護士が事件の経緯を説明した。出席者から「誤解が解けてよかった」「これからも頑張って」と声が上がり、小渕氏は「地元住民のために一生懸命頑張ります」と述べ、涙ながらにお辞儀したという。
 父の小渕恵三元首相の時代から選挙運動を支えてきた自民党の南波和憲県議(吾妻郡区)は会合後、「これからも今まで通り全力で応援していく」と話した。
 一方、小渕氏を東京地検特捜部に刑事告発した「市民オンブズマン群馬」は20日、「第三者委員会」の調査結果報告書には疑問点が多いとして、小渕氏に公開質問状を出したことを明らかにした。「3億円を超える巨額の簿外支出の使途について詳細を明らかにする義務がある」「収支報告書に目を通し、秘書たちを指導・監督する政治家としての役割をなぜ放棄してきたのか」と質問している。鈴木庸事務局長は「疑念が全く晴れない。堂々と公開の場で説明すべきだ」と話した。【杉直樹】
**********

■注目すべき報道ポイントを赤色で示してあります。1年間の沈黙のあと、自分の後援会に対して説明したら理解が得られたとして、続投を正当化する今回の姫の記者会見に関する報道を見る限り、疑惑が解消されたとは到底言えません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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