市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

自らの言葉による説明責任の場となる「姫」の説明会で後援会がオンブズマンの傍聴参加を拒否

2015-10-20 22:48:00 | 政治とカネ
■本日10月20日午後3時から、渋川市内の渋川ホワイトパーク(〒377-0007 群馬県渋川市石原1600-1、TEL 0279-23-4122、URL http://www.okashinoshiro.jp/)で、小渕優子後援会によるイベントが開かれました。目的は、小渕優子・元経産相の政治資金に関する不正会計問題発覚から1年目のこの日に、後援会関係者を対象に説明するというものです。

ホワイトパーク周辺に大挙集まった報道陣ら。

正面玄関を入ると目前にあるInformationカウンター。

 市民オンブズマン群馬では、開催場所と時間に関する情報を八方手を尽くして調べた結果、上記の日時、場所で開催することを突き止め、代表、副代表、事務局長の3名で現地に向かいました。

 午後2時半ごろ現地に到着すると、既に30人前後のマスコミ関係者が詰めかけていました。聞いてみると、既に小渕代議士は到着済みで、現在、後援会幹部らが三々五々来場している状況だという事です。

 しばし玄関前で様子を見ていると、正面玄関の右手から一人の参加者が歩いてきました。そこで、その男性のあとについて、中に入ってみました。





■正面にInformationと書かれたカウンターがありましたが、その前に数人の男性が並んで、こちらにどうぞと誘導され、記帳台に案内されました。「後援会関係ですか?
」と聞かれたので、「いえ、市民団体の者です」と答えると、「えっ、どのような?」というので、「地元のオンブズマンですけど」と言った途端、「警護!警護!」という声がロビーに響きました。すると、2名の大柄な男がやってきました。聞いてみると警察官だと名乗りました。

 来客を仕切っていた後援会の小暮という担当者が「本日は、後援会関係者か党関係者だけに限らせていただいてます」というので、「えっ、有権者で一般市民でも参加できるのではないのですか?新聞記事で説明会があるから、わざわざ出かけて来たので、ぜひ出席させてくれませんか?」とお願いしました。

 しかし、何度もお願いしても出席させてもらえないことがわかったため、やむを得ず、「実際に本人からこれまでの経緯や我々の疑問点を説明してもらいたかったのですが、それが出来ないとなると、公開質問状を作ってきたので、それを本人に渡してもらえませんか?」と切り出しました。すると、小暮と名乗る担当者は「そういうことは外で話してください」と言って、当方を外に押し出そうとしました。

 当方は、「ちょっと待ってください。別にここで皆さんに迷惑をかけようというつもりはありませんので・・・」と言って、脇にある椅子に持ってきた鞄をおくと、中からファイルを取出し、あらかじめ準備してきた公開質問状を取り出し、「いくつか質問があるので、それらを列挙したものです」と質問内容を簡単に説明しました。

小暮氏は「ちょっと上に聞いてくる」と言って、中に入っていったので、当方はそこで5分ほど待っていました。すぐ前には警察関係者が2名見張っています。次々に、後援会関係者らが入ってきます。隣のテーブルには灰皿が置いてあったので、受付を済ませた男性がやってきて、タバコを吸い始めました。

 「ご苦労さんですね」と声をかけたところ、その男性は「なんか、永田町みたいだねえ」と感想を言いました。「たしかに、こんなにマスコミが集まっているとは思いませんでした」というと、その男性は「やはり小渕の事件で、良くも悪くもこんなふうに注目されるんだねえ」と語りました。

 まもなく小暮担当が戻ってきて、「やはりこれはここでは預かれません」というので、では「この後、前橋市内で記者会見をする予定だと聞いていますが、いつどこでやるのですか?」と聞きました。すると同担当は「自民党県連本部の県政会館の予定だが、時間はまだ分からない」と言いました。

 そこで「では、このあと県連に行って、幹事長か、事務局長に渡せばよいでしょうか?」と提案しましたが、「預かっても、関係者は多忙なので、紛失すると困るので、郵送で事務所あてに送ればよい」ということで、やはり公開質問状を受け取ってもらえませんでした。

 しかたがないので、正面玄関から外に出ると、マスコミ関係者らが、興味深そうに近寄ってきました。そこで、さきほどの顛末を話し始めたところ、またたく間にテレビカメラと記者らに取り囲まれ、インタビューを受けました。その要旨は、公開質問状に記載の事項を要約したものです。

 マスコミ関係者は、皆さん、公開質問状の内容に関心がある様子だったので、地元の幹事社に原稿を渡し、それをコピーして各社に配布することになりました。

■ちなみに公開質問状の内容は、次の通りです。

*********
                          2015年10月20日
〒370-3521 群馬県高崎市棟高町439-1
小渕優子 高崎後援会事務所 気付
衆議院議員 小 渕 優 子 様
                    市民オンブズマン群馬
                     代表 小川 賢
        公 開 質 問 状
 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
 当会は、群馬県において、行政を外部から監視し、行政による税金の無駄遣いや関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
 さて、貴殿の政治資金を巡る不正会計処理にかかる今回の不祥事について、当会はこれまで公職選挙法及び政治資金規正法等の違反容疑で、東京地検に告発をしてまいりましたが、最終的には現在、旅行業法違反を除き、既に貴殿に対する不起訴処分が下され、東京第6検察審査会によっても、当会の審査申立ての結果、不起訴処分相当の議決が下されております。
一方、貴殿の元秘書2人は在宅起訴をされ、政治資金規正法による違反行為を法廷で全て認め、先日10月9日の東京地裁の判決言渡しで、執行猶予付き有罪判決が下されました。
そして、本日、貴殿は地元群馬で、今回の不祥事に関する説明を始めて行う機会を持たれるそうですが、貴殿を告発してきた当会として、この不祥事についての事実関係の確認を行う必要があると考えております。
 つきましては今回、本日の貴殿の説明の中で触れる予定の事項と重複するものもあるかもしれませんが、次の質問をさせていただきます。

1.公職選挙法違反容疑について

質問1-1
 今回貴殿がメディアや国会で追及された中には、貴殿の後援会が毎年行っている観劇会の収支が2000万円以上も政治団体の持ち出しになっていることが挙げられました。観劇会費用の肩代わりは公職選挙法で禁じている「有権者への寄付」に当たり、直ちに刑事事件に関わり、秘書が貴殿の名義のもとに実行したとしても、畢竟、連座制の適用を受け、貴殿の議員資格に関わってきます。貴殿はこの問題について、国会の答弁で、詳細を把握していなかったことを認め、「事実を調べる」としていましたが、「知らないで済む問題ではない」とも述べていました。また、昨年10月20日の辞任会見で貴殿は、それまでの調査の結果だとして、観劇会に参加した人からは1人1万2000円の参加費を徴収していたという銀行預金の通帳のコピーを示して、報告書の記載が正しくなかったと話し、寄付行為や買収ではないと強調しました。結局、この件は、司直によって、秘書による収支報告書への虚偽記載・不記載として片づけられてしまいましたが、実際の収支はどうだったのでしょうか? 参加者への寄付行為はあったのでしょうか? それとも、黒字で参加者から寄付を受けた形になっているのでしょうか? 領収書などの証拠とともに、昨年10月に開催した観劇会を含め、できるだけ過去に遡って、毎回開催毎の詳しい収支の内訳を明らかにしてくださいますか?

質問1-2
 貴殿の写真をラベルにした、いわゆるオブチワインのセットを選挙区民に送った疑惑について、貴殿は、辞任会見でこの件に触れて、当該ワインの存在は知っているが、選挙区内にワインを配ったことはないと否定しています。一方でマスコミ報道もされているように、地元選挙区内の有権者、それも複数の者に配布したことが確認されています。この食い違いを含め、ワインの作成の目的、製造、配布の経緯について説明して頂けますか?

質問1-3
 貴殿の元秘書らの判決では、裏金捻出について触れています。3億円を超える巨額の簿外支出の使途はいったい何だったのでしょうか? 貴殿には詳細をあきらかにする義務があると思いますがいかがでしょうか?

質問1-4
 貴殿はそうした巨額の簿外支出のことは知らなかった、司直に説明しているのでしょうか。もしそうであれば、終始報告書に目を通し、秘書たちを指導・監督する政治家としての役割をなぜ放棄してきたのでしょうか?

2.その他、政治的あるいは道義的責任について

質問2-1
 貴殿の政治団体が支払った贈品のなかにベビー用品、化粧品、下仁田ねぎなどが含まれていました。さらに親族の企業からの物品購入のための支出もありました。例えば、昨年11月28日に公表された平成25年分の政治資金収支報告書で、貴殿の資金管理団体「未来産業研究会」が、25年分も親族企業への支出や「ネギ代」として計186万282円を計上していました。24年分以前の報告書でも同様の記載がありました。
 未来産業研究会の25年分報告書によると、貴殿の実姉夫妻が経営するブティック「コンセプション」(東京都港区)へ、組織活動費で「品代」として10回にわたり、計62万4382円、また、地元農家へネギ代として2回、計123万5900円を支出していました。
 貴殿は当時、「県外の人への贈答用。公私の区別は付けている」と説明していましたが、同時に貴殿の事務所は「刑事告発を受けている関係で、コメントは控えさせていただく」と述べていましたが、あらためて質問します。こうしたネギや私的物品の購入については、政治資金で賄うべきものなのでしょうか?また、こうしたネギや私的物品の購入について、選挙区民への贈答用は含まれていたのでしょうか?

質問2-2
 貴殿の昨年10月20日の辞任会見後、東京地検特捜部が10月30日以降、政治資金規正法違反の疑いで、貴殿の後援会の事務所や元秘書の自宅や町役場などを家宅捜索した際、パソコンのデータなどを保存するハードディスク(HD)が捜索以前に破壊されていたことが後日判明して報道されました。貴殿の辞任会見の前後から、10月30日の捜索着手までの間にパソコンが破壊された可能性がありますが、このことについて、貴殿は元秘書らからいつ報告をうけていましたか? また、このパソコン破壊により、簿外支出の詳細情報等はすべて失われたことになりましたが、貴殿は、事務所のパソコンのHDがドリルで穴を変えられて破壊されたことを聞いて、どのような感想を持ちましたか?

質問2-3
 貴殿の昨年10月20日の辞任会見とほぼ同じころ、貴殿の元秘書だった中之条町長(当時)が突然、町議会議長に辞表を出して、その日の午後からしばらく行方が分からなくなりました。そこで質問があります。一部の報道によると、貴殿の元秘書は、貴殿の拠点でもある議員会館からほど近い東京都内のホテルに向かったということです。当然、貴殿にも連絡があって、その日に元秘書と面談したと思われますが、その時、他に誰が同席して、どのような話をしたのでしょうか?

質問2-4
 貴殿は昨年まで、毎年秋に、後援会名義で観劇会を開催してきました。その際、旅行業法に基づく登録など、必要な手続きを済ませていましたか?

なお、貴殿のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。つきましては、平成27年10月27日(火)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。
          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
                    敬具
**********

■その後も、ポツリポツリと参加者が正面玄関から中に入っていきました。なかには、安中市の滝本夏代・元市議らや、同じく安中市区選出の岩井県議が議長として参加していました。

岩井県議会議長の公用車。運転手は議会事務局の職員。

 午後3時から後援会主催の会議が始まりましたが、中でどのような話がされているのかどうかは、皆目わかりませんでした。


第三者委員会の関係者を乗せて来た世田谷ナンバー車。窓には二重に遮光フィルムが貼ってあり、内部が見えない。それほどまでに人目に見られたくない職業なのだろうか。


姫を乗せて来た品川ナンバー車。これも窓に遮光フィルムが貼ってある。

 テレビ局のスタッフは、ときどき、会場のホワイトパークの建物をバックに、今回の事件と後援会の会議について解説をしたりしていました。

 我々も記者の質問に答えたり、あるいは、記者らと雑談をしたりして、会議の終わるのを今や遅しと待っていました。

 テレビ局の関係者は、なんとか小渕代議士の映像をものにしようと、強い使命感に燃えている様子がうかがえました。


会議の終わるのを待つ報道陣。

■結局、会議が終わったのは4時半過ぎらしく、安中の滝本・元市議らは割合早く外に出てきました。

午後4時30分になり、玄関に横付けされた品川ナンバー車。

早くも4時32分に会場を後にした元安中市議ら(画面中央奥)。

報道陣に集会の様子を話す平田幹事長。

 小渕代議士がようやく出てきたのは4時45分でした。無言のまま、待機するマスコミのカメラの放列やぶら下がり取材を試みる記者らをかいくぐって、正面玄関先の横付けされたワゴン車に、飛び込むように乗り込みました。

集会が終わり、飛び込むように車に乗り込んだ姫。午後4時45分。渋川ホワイトパークにて。

姫を乗せるや否や、次の会見場である自民党群馬県連の県政会館に向けてスタートする品川ナンバー車。

 その後、後援会の幹部らが正面玄関周辺で、マスコミ陣に取り囲まれてインタビューを受けていました。それらから、漏れ聞こえるところでは、小渕代議士は「身を賭して代議士を続ける」と宣言したようです。質疑応答では、第三者委員会の委員長の弁護士がこの事件の概要を説明したそうです。その内容は、昨日東京で行った第三者委員会の調査報告と同じようなものだったそうです。また、質問では、小渕代議士に対する厳しい言葉は皆無で、批判めいたことを聞いたものは一人もいなかったそうです。


高齢にもかかわらず、記者らのぶら下がり取材に応じる柳澤本次会長ほか。

本日の式次第。平田幹事長が司会として使用したもの。
〔小渕優子後援会幹部役員県議団合同会議次第(案)〕
                    H27.10.20(火)15時
                    於)ホワイトパーク
             司会 平田英勝総連合会幹事長
1.開会のことば          司会
1.挨拶                柳澤本次総連合会長
                    小渕優子
1.報告               第三者委員会
     ― 質 疑 ―
1. 挨拶               南波和憲県議団長
                    眞塩光枝総連合会女性部長
                    小渕優子
1.閉会のことば          司会


■小渕優子後援会の幹部らの話によれば、午後5時前に、ホワイトパーク正面玄関を車で出発した小渕代議士は、午後5時半ごろ群馬県自民党県連の本拠地にある県政会館で、マスコミ対象に記者会見を行う予定とのことでした。

 参加した関係者らの話をきいた感想としては、本日の小渕優子後援会の会合は、委員会のような、本来、中立性を最重要視すべき組織でさえも、小渕優子のイメージを悪くしないことを一義的に考えている組織であることがうかがえました。

 したがって、小渕優子代議士にとっては、居心地の良い集会だったに違いありません。また、前橋市内の自民党県連の県政会館でも記者会見を行うというので、初めは代議士本人が今回の不祥事件に関する説明責任をどう果たすのか、本人の肉声を聞きたいと思っていましたが、どうやら自民党県連での記者会見は、永田町のマスコミ各社の幹事社がしきるのではなくて、地元のマスコミ各社の幹事社が仕切るという事で、入場できる者を永田町レベルよりもさらに厳しく制限するようなので、当会としては出席をあきらめざるをえませんでした。

 こうして、主目的である小渕代議士から直接、今回の事件に関する説明責任の果たし振りを話してもらいたかったのでしたが、残念ながら、それは叶いませんでした。

 帰宅後、自民党県連で記者会見する小渕代議士の姿が放映されているのをテレビで見ました。おそらくこれで、マスコミも含めて、今回の一連の問題の幕引きがシナリオどおり、完結することになると思われます。


さっそく報じた首都圏ニュースでの姫の会見風景。

 しかし、そのままにしておけば、再発防止になりません。そのため、当会では、本日午後7時ごろ、前橋市中央郵便局から、小渕代議士宛に前述の公開質問状を提出したのでした。

■なお、本日の集会で、確認しておくべき次の事項が見つかりました。

①大臣でもない、いち国会議員を、地元群馬県警が警備(警護)した「サービス警護」。これは、警察庁に聞こえたら重大なミスになる筈であること。ちなみに本日の小渕後援会の集会には、ロビーに2名、建物の前の道路に2名の警察官が警護にあたっていた。

②小渕代議士の個人的な後援会行事に、「群馬県議会議長が公用車で、群馬県庁職員を運転者に添えて同席した」こと。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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大同スラグ問題を斬る!…スラグ不法投棄撲滅を目指すリットン調査団の目(その3)

2015-10-20 01:34:00 | スラグ不法投棄問題
■引き続き、毎日新聞の記者の目で取り上げられた大同特殊鋼の内部資料を、当会の視点で考察していきましょう。今回は次の内部文書をご覧ください。



 この文書は、「三者 定例製造/販売管理会議 実施記録」と銘打たれています。

 会議場所は、「佐ト建設打合せ場」とあり、佐藤建設工業で行われていたことがわかります。会議の始まりは13:30ですが、時間的にみて、その前に佐藤から昼食が提供されたかもしれません。とすれば、スラグマネーで佐藤が準備した、我々庶民が決して味わえない豪華昼食・お弁当に舌鼓を打って、大同様はさぞかしご満悦であったことでしょう。

 これはホンの一例にすぎません。お昼のお弁当に留まらず、スラグマネーは循環して大同社員にも還元されていたのではないのでしょうか?

 この会議の出席者として、佐藤建設工業・山田部長の名前が見えます。この期に及んでも、ブラック佐藤は、「知らない。大同の指示に従っただけ」と言うのでしょうが、そんなに世の中を甘くみているのでしょうか?大同スラグにフッ素や六価クロムなど有害物質が含まれていることを知っている佐藤建設工業だからこそ、平気な顔でそう言い放てるのかもしれません。

■前回の“リットン調査団の目(その2)”で、フッ素だけでなく、発がん性物質である猛毒六価クロム入りの有毒スラグが、佐藤建設工業により、ぞんざい(=いい加減)に県土にバラ撒かれてしまったことをお伝えしました。

 そのことを指摘した毎日新聞のインタビューに対して、ブラック佐藤建設工業社長は、「混入がわずかであれば有害物質の影響は低いから障害はない」などと、独自の見解を平然と言いのけていました。

 このように自分勝手なブラック企業に、危険な六価クロムやフッ素を含む有害物質を取り扱わせてはいけません。佐藤建設工業は何度も、大同、大同エコメットとの三者会議に参加し、F値などをコントロールする説明を大同側から受けています。有毒物質がスラグに含まれていることを承知で砕石に混入し、県土にバラまいてしまったのです。

「六価クロムはどこへ行ってしまったのか?」、ブラック佐藤にこう訊ねても、お決まりの「わからない」という答えしか返ってこないのでは、我々住民の不安はますます募ります。ブラック佐藤社長の勝手発言については、次のブログを参照してください。
○2014年12月26日:大同有毒スラグ問題を斬る!…サンパイ不法投棄で刑事告発をしない群馬県行政の不思議
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1493.html
 
■もう少し大同の内部文書を見ていきましょう。次の手書きのキーワードが読み取れます。

「RCコンクリートを念頭」
「来春に間に合うよう名称から見直す」
「赤本に入れてもらう(何度でも通う)」


 これらは、砕石会社と建設会社を両方経営し、公共工事のしくみを熟知した佐藤建設工業の入れ知恵によるメモ書きであると想像されます。毎日新聞の報道では、ブラック佐藤は県職員の天下りも受け入れているようなので、この疑惑は真実性を帯びてきます。

 建設リサイクル法が施工され、公共事業から発生する建設廃材を適正に処分するために、公共事業で使用する再生砕石は「コンクリート・アスファルト等」に分類されています。しかも、「経済性にかかわらず実施する」と定められており、コンクリート・アスファルト再生砕石の優先使用が決められているのです。そのことを佐藤に入れ知恵され、大同が「RCコンクリートを念頭」とメモ書きを加えたのでしょう。

 群馬県の公共工事は、「群馬県建設工事必携」に従って施工されます。だから、佐藤の入れ知恵で、この通称“赤本”と呼ばれる工事必携に、スラグ混合砕石をいれてもらうよう、つまり、「赤本に入れてもらう(何度でも通う)」とメモ書きされたのでしょう。

 偽装の再生砕石では、いつか、だれかに不法投棄疑惑を指摘されかねません。だから、大同の担当者により、「来春に間に合うよう名称から見直す」ことにしたのでしょう。「名称を見直す」ということは、「スラグ混合再生砕石」から「再生」の文字を取る事を指していることと考えられます。ですが、ブラック佐藤は、「再生」の文字を取ってしまうと、公共事業では売りづらくなる事を知っていたのです。

■このように、ブラック佐藤建設工業は会議場所を自社内に用意し、山田部長を参加させるなどして、積極的に大同と会議を重ね、豊富なスラグマネーを大同社員にも還元することにより、次第に大同社内における自社の地位を高めていったと推察されます。そして、その努力が報われ、「ブラックで自分勝手ではあるが、佐藤の都合がよいように取り計らわねば・・・」というふうに、大同を誘導していったのではないのでしょうか?

 その証拠に、途中から逆有償取引に関わる運賃補助が、爆発的に多額になったことからも、スラグマネーの循環工作が功を奏したことが、うかがい知れます。佐藤建設工業は、ブラック企業としてのお決まり文句である、「大同の指示に従っただけ」、とか「わからない」などと、毎日新聞の取材に答えています。しかし、この内部資料は、「それらは真っ赤な嘘だ」と、雄弁に語っているのでは、ないのでしょうか?

■このように佐藤建設工業は、大同の有害スラグの不法投棄に、カネ目的で積極的に関わってきたのです。しかも、県警による強制捜査を受けた後も、「事なかれ主義」、あるいは「隠蔽体質」の国土交通省の対応をこれ幸いに、ブラック佐藤建設工業のスラグ運搬車が、何事もなかったかのように、国土交通省の上武道路工事現場で、我が物顔で走り回っています。

 有害スラグは、「大量に行方不明」と報道されています。「隠していた有害スラグを少しずつ分からないように処分しているのではないか」・・・得体の知れないブラック佐藤建設工業の建設資材による環境への影響を心配する住民の不安は募るばかりです。


↑9.11強制捜査当日。この日も何事もなかったかのように、盛り土を納入する佐藤建設工業のスラグ運搬車。白だけでなく、佐藤を象徴するブラック色のスラグ運搬車もあるようだ。お近くの建設現場で見かけた記憶があるかたは、大同の有害スラグ不法投棄ダイアルに電話をかけて調査してもらおう。
大同特殊鋼株式会社 総務部広報室TEL:0120-170-030 (フリーダイヤル)



↑瞬くうちに積み上げられた補強土壁。その向こう側に、ブラック佐藤の盛り土が大量に盛り上げられている。この下には大量の有害スラグが不法投棄されていたが、キチンと撤去したのだろうか?直下の土壌も調査の上、撤去されたのであろうか?↑

■佐藤建設工業は、その販売する全ての資材に有害スラグを違法に混入させていました。ルール上、天然石であるべきところ有害スラグを混入させてしまった納入業者は、納入した不良建設資材を全て撤去し、施主に対してペナルティーを払わなければなりません。それが“ジョーシキ”というものです。きちんとケジメをつけない限り、新たな建設資材の納入など認められるはずがないのです。

 ところが、上記の通り、上武道路工事の施主である国土交通省は、不法投棄の実行者であるブラック企業に、引き続き建設資材の納入を許しています。この国土交通省の方針は“ジョーシキ”とかけ離れています。つまり、狂っていると言わざるを得ないのです。

 昨年夏、一瞬ですが、国土交通省も佐藤建設工業の盛り土を使うのを止めたことがありました。しかし、同年秋には再開し、今年9月11日に、大同や佐藤に対する県警による強制捜査があってからも、佐藤からの納入が続いています。このことは一体何を意味するのでしょうか?まさか、国土交通省にもスラグマネーが回っている、なんていうことはないでしょうね?

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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世間体で辻褄合わせドリル穴開けは業者の仕業だから姫は無実!?…姫の第三者委が茶番の総仕上げ

2015-10-19 20:21:00 | 政治とカネ
■群馬5区選出の「姫」こと小渕優子・前経産相の政治資金を巡る不正会計行為等による辞任会見と、当会によるこの事件にかかる東京地検特捜部への告発から、明日でちょうど1年を経過します。この事件に関しては、公職選挙法違反については全て不問にされ、政治資金規正法違反で、「国家老」こと元秘書ら2名が10月9日に執行猶予付きの有罪判決が東京地裁でくだされました。一方、「姫」は東京地検により不起訴処分となり、当会の審査申立に対しても東京検察審査会はあっさりと不起訴相当処分として、完全にお咎めなしということが確定しましたが、これまで自らは説明責任を果たしてきませんでした。ところが、ここにきて、本日、突然、「姫」の依頼を受けた弁護士らによる第三者委員会が調査報告書を公表したのです。しかし、その内容たるや・・・。

**********共同通信 2015年10月18日 21時39分 (2015年10月18日 21時48分 更新)
小渕元経産相検証の弁護士会見へ 政治資金、本人は欠席
 自民党は18日、小渕優子元経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、収支報告書などを検証した弁護士が19日午前に東京都内で記者会見し、結果を報告すると発表した。関係者によると、小渕氏は会見に同席しない見通し
 事件では東京地裁が9日、政治資金規正法違反(虚偽記入・不記載)の罪に問われた元秘書で前群馬県中之条町長の折田謙一郎被告に禁錮2年、執行猶予3年の判決。資金管理団体の元会計責任者も有罪判決を受けた。
 判決によると、支援者向けの観劇会で赤字が生じたように装うなどして、政治資金収支報告書に計3億2千万円分の虚偽記入と不記載をした。

**********産経2015年10月19日 11:33
小渕元経産相にからむ政治資金規正法違反事件 検証の弁護士「小渕氏に法律上責任なし」「パソコン破壊は業者がドリルで…」

調査結果を報告する会見を行う第三者委員会の委員長、佐々木善三弁護士=19日午前、東京都(長尾みなみ撮影)
 小渕優子元経済産業相(41)の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、収支報告書などの検証を担当した弁護士が19日、東京都内で会見し、「小渕氏には、今回の不正処理に関する法律上の責任はない」とする調査結果報告書を公表した。小渕氏は会見には同席しなかった。
 調査委の委員長を務めた元特捜部副部長の佐々木善三弁護士は「資料は特捜部に押収されており、調査に限界がある」と強調。小渕氏に対しては「責任は重いが、政治家としてがんばってほしい」と話した。
 事件では、支援者向けに東京・明治座で開いた観劇会で赤字が生じたように装うなどして、小渕氏関連4団体の平成21~25年分の政治資金収支報告書に計3億2千万円分の架空の寄付金を計上。計3億2千万円の虚偽記載と不記載をしたとして、同法違反(虚偽記入・不記載)の罪に問われた元秘書で前群馬県中之条町長と、資金管理団体「未来産業研究会」の元会計責任者が有罪判決を受けた。
 小渕氏本人については、東京地検特捜部が4月、不起訴処分とした。その後、検察審査会に不起訴不当の申し立てがあったが、検審は不起訴相当と議決した。
 調査結果報告書では、「明治座への支払い自体を隠蔽する意図でなされたものではない」と指摘した。
 小渕氏については「不正処理に関与したり、事実関係を認識したりしていたことは認められず、会計責任者の選任・監督の責任も認められない」と結論づけた。群馬県内の事務所で帳簿データなどの入ったハードディスクがドリルで破壊されていた問題は、「不調で使用できなくなったサーバーをパソコン販売業者に引き取ってもらったところ、業者がサーバー内のハードディスクにドリルで穴をあけたもの」として、特捜部の捜査には支障は生じなかったとした。

**********毎日新聞社 2015年10月19日 11時44分 (2015年10月19日 14時06分 更新)
<政治資金規正法違反>「小渕氏、違反知らず」第三者委
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏の依頼を受け事実関係を調査していた第三者委員会(委員長・佐々木善三弁護士)は19日、調査報告書を公表した。慶弔費などを記載しなかったほか、元秘書が世間体を気にしてつじつま合わせをするために虚偽記載をしていたと認定。「違法との認識を持ちながら行ったものであり、悪質性は明らか」と批判したが、不正な献金を隠すためのものではなかったとした。
 小渕氏については、本人が「経験豊富な秘書たちに安心して任せていた。違反は全く知らなかった」と説明しているとしたうえで、元秘書らも結束して小渕氏に不正を隠していたと指摘。「本人の関与や事実関係を認識していた事実は認められず、不正処理に関する法律上の責任はない」と結論付けた。ただし「監督責任があるのは当然で、責任は軽微とは言えない。今後は、秘書らに適切な指示をする必要がある」と指摘した。
 事件では折田謙一郎前群馬県中之条町長ら元秘書2人が起訴され、今月9日に東京地裁が執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
 報告書は、資金管理団体「未来産業研究会」が慶弔費などを政治資金収支報告書に記載しなかったため、実際の残高と報告書の繰越金の間に2006年末で1億円のズレが生じ、これを解消するために虚偽記載を図ったと指摘した。
 小渕氏は20日、群馬県内で後援会幹部らと会議した上で記者会見を開く方針。【山下俊輔、尾崎修二】

**********TBS News i 2015年10月19日 12時31分 (2015年10月19日 14時50分 更新)
小渕議員政治資金問題、第三者委「世間体気にし辻褄合わせ」
 小渕優子衆院議員の政治資金をめぐる事件で、小渕氏が設置した第三者委員会が、「世間体を気にして収支報告書の辻褄合わせが行われていた」などとする報告書をまとめました。
 この問題は、小渕議員が関連する政治団体で、架空の寄付など不透明な資金処理が明らかになったものです。小渕議員は去年、経済産業大臣を引責辞任し、政治資金規正法違反の罪に問われた元秘書2人が、今月、東京地裁で有罪判決を受けました。
 「折田氏は世間体を重視し、辻褄を合わせようといろいろ行った。不正な収入や支出を隠すことに主眼を置いて、このような不正をしたものではない」(第三者委員会の会見)
 小渕議員が設置した第三者委員会は、19日の会見で、「世間体を気にして、寄付が突出して多くなったり少なくなったりしないよう、収支報告書の辻褄合わせが行われた」などと事件が発生した原因を明らかにした上で、「小渕議員はこの問題に全く関与していなかった」としました。
 小渕議員は20日、群馬県内で記者会見する予定です。(19日11:35)

**********共同通信 2015年10月19日 12時32分 (2015年10月19日 13時21分 更新)
「小渕氏に法的責任ない」 政治資金検証の第三者委

小渕元経産相の政治資金問題で、収支報告書などの調査結果を公表する佐々木善三弁護士(中央)ら=19日午前、東京都千代田区
 小渕優子元経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、問題を検証するため小渕氏側が設置した第三者委員会が19日、東京都内で記者会見し「小渕氏は不正に関与しておらず、法律上の責任はない。監督責任は軽いといえないが、強く問うことにはためらいを感じる」とする調査結果を公表した。
 小渕氏の関係者によると、小渕氏本人は20日に地元・群馬で記者会見する方向で調整している。
 第三者委の委員長を務めた元最高検検事の佐々木善三弁護士は「資料は既に押収されており、調査には限界があった」と述べた。

**********時事通信社 2015年10月19日 12時58分 (2015年10月19日 15時19分 更新)
「小渕氏の関与なし」=収支報告書虚偽記載―第三者委
 小渕優子元経済産業相(41)の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、弁護士らでつくる第三者委員会は19日、調査報告書を公表し、収支報告書の虚偽記載は、元秘書の折田謙一郎被告(67)らが過去の簿外支出などで生じた実際の残高との乖離(かいり)を解消するために行ったと認定した。小渕氏については「全く関与していなかった」と結論付けた。
 第三者委は報告書で、「(虚偽記載の)悪質性は明らか」としながらも、「世間体を重視したつじつま合わせで、不正な収入や支出を隠したりすることに主眼が置かれていない」とした。小渕氏の監督責任は「政治上、道義上も検討する必要がある」とする一方、「折田氏らが結束して小渕氏に不正処理を隠していた」と指摘した。

**********日刊スポーツ[2015年10月19日14時3分]
小渕優子氏に「法律上の責任なし」と調査報告書発表
 小渕優子元経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関し、原因究明のために小渕氏側が設置した第三者委員会のメンバーが19日、都内のホテルで会見し、小渕氏の監督責任を認めた上で、「今回の不正処理に関する法律上の責任はない」などとした調査報告書を発表した。
 委員長を務めた佐々木善三・元最高検検事は、小渕氏について「(事件に)全く関与していなかったことは明白。関係資料中にも、それに疑いを抱かせるものは存在しなかった」と強調。その上で、「監督責任があることは当然。責任は軽微とはいえず、小渕議員自身も反省している」と述べた。
 一方、同法違反の罪に問われ、今月9日、東京地裁で禁錮2年、執行猶予3年の判決を受けた元秘書、折田謙一郎・前群馬県中之条町長らについて、「違法との認識を持ちながら、(収支報告書への)虚偽記入を行った。その意味での悪質性は明らか」と指摘。「問題が生じても小渕氏に知らせず、自分たちが処理して責任を負うとの覚悟の下に、今回の不正処理を行った」「折田氏らが結束して小渕議員に不正処理を隠していたといえる状況にある。小渕議員の責任を強く問うことにはためらいを感じざるを得ない」と指摘した。
 その上で、折田氏について「公開される小渕氏の収入額に対する世間の評判を気にしていた」ために、「収支報告書作成に当たって、まず記載すべき任意の収入額を決め、それに基づいて支出額も決めていた」と指摘。「世間体を重視し、つじつま合わせを行ったものであり、不正な収入や支出を隠すことに主眼が置かれてものではなかった」と指摘した。
 東京地検特捜部が強制捜査に入った際、小渕氏の地元事務所のパソコンのハードディスクが、ドリルで破壊されていたことに関しては、「もともと調子が悪かったパソコンのサーバーを新品に交換し、販売業者に処分を依頼、業者が運び去った」とした上で、「弁護士の依頼で回収すると、業者によって、サーバー内のハードディスクにドリルで穴が開けられた状況だった」と説明。ドリルで穴をあけたのは、小渕氏サイドではなく、回収した業者側との認識を示した。
**********

■この記者会見で第三者委の委員長を務めた佐々木善三弁護士のプロフィールを検索したところ、一目でいわゆる「ヤメ検」と呼ばれる御仁であり、今回の事件における東京地検特捜部の対応の背景と理由について、容易に推し量ることができます。

**********
佐々木善三(31期,東京弁護士会)
(略歴)
1975年 中央大学法学部卒業
1976年 司法試験合格
1979年 検事任官(東京地方検察庁検事)
2000年 東京地方検察庁特別捜査部副部長
2002年 法務省大臣官房施設課長
2004年 東京地方検察庁交通部長
同年  東京地方検察庁公安部長
2005年 横浜地方検察庁次席検事
2006年 和歌山地方検察庁検事正
2008年 最高検察庁検事
同年  水戸地方検察庁検事正
2010年 仙台地方検察庁検事正
2011年 京都地方検察庁検事正
2012年 検事退官
2013年 弁護士登録(東京弁護士会所属)
同年  晴海協和法律事務所
**********

■本日10月20日午後、渋川市内で開催される自民党県連関係者らによる会議で、姫が第三者委員会の報告をもとに説明し、その後で、前橋市内で記者会見を予定しているそうです。

 本来、第三者委員会は、本人とは全く関係なく、しがらみのない組織でなければならない筈ですが、ここまで検察関係者らが関与していれば、結論は容易に想像できてしまいます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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大同スラグ問題を斬る!…スラグ不法投棄撲滅を目指すリットン調査団の目(その2)

2015-10-18 23:28:00 | スラグ不法投棄問題
■引き続き、毎日新聞の記者の目で取り上げられた大同特殊鋼等の内部資料を当会の視点で考察していきましょう。

 その1では、内部資料に基づき、市道に不当投棄された有害スラグを大林組に掘削させ、大同に運び込み、再処理してまた他の建設現場へと不法投棄している様子をご覧いただきました。

 この工事は、六価クロム及びフッ素入りの“超”有害スラグが不法投棄された、細く曲がりくねった旧道を拡幅しながら、“超”有害スラグをわからないように再処理してしまうという、一石二鳥の改良工事で、大同の負担で行われたようです。結果として、六価クロムやフッ素といった有害物質が群馬県内にバラまかれてしまいました。

 ちなみに、クロムは高アルカリ領域では比較的低い酸化還元電位で、三価クロムから六価クロムに変化します。またアルカリ性水溶液下で、六価クロムとして溶出されやすくなります。鉄鋼スラグは、中に含まれる遊離石灰の水和反応による膨張特性があります。

 そのため、膨張性を低減させて、鉄鋼スラグの品質安定化のためと称して行われる「エージング」という蒸気を使った湿潤加熱処理が行われます。すると、六価クロムが水に溶けて、浸出しやすくなり、それが舞い上がったり、周辺に飛び散ったり、川へ流れてしまうという懸念があります。

■その後、大同は、この処分場進入道路改良工事、兼、発生スラグ不法処理が騒ぎにならず首尾よく進んだことに気を良くしてか、当時、問題となりつつあったスカイランドパークの凸凹道や駐車場に敷き詰めた有毒スラグを、秘密裏に不法処理してしまおうと思い立ったようです。

 その大同からの働きかけを受けたためなのかどうか、渋川市行政は、次の総合計画を策定したのでした。

 皆様は、「バットマン」というハリウッド映画をご存知でしょうか?もとはUSAのアニメだそうですが、ゴッサムCITYが悪人たちに支配されている姿が度々描かれていますが、渋川市においても、ゴッサムさながら暗黒に支配されているかのような次の計画が策定されています。ご覧ください↓
**********
渋川市総合計画第5期
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/keikaku/sougoukeikaku/documents/jisshikeikaku_5.pdf

1.道路・公共交通などの都市基盤整備
第2節 生活に身近な道路の整備

10.【新規】市道金井大野線改良事業
スカイランドパークへの進入路において、路盤材の原因と思われる路面損傷が激しいための舗装補修
平成24年 21,399千円
平成25年 21,500千円
平成26年 21,500千円
*******

 ここで注目すべきは、「路盤材の原因と思われる路面損傷が激しいための舗装補修」となっていることです。

 路盤材とは、大同特殊鋼渋川工場から排出された“超有毒”鉄鋼スラグのことです。大同の、“超有害”スラグが路面損傷の原因であると、声高らかに宣言しているのです。であれば、当然、舗装補修は、血税を使わずに、原因者である大同特殊鋼に負担を求めるのがジョーシキです。

 ところが渋川市は、大同様に負担を求めることもせず、3期=3年度にわたり、公金を使って補修する、つまり“大同様のご負担にならぬように、住民の皆さまの血税でケツぬぐいをしましょうよ”と総合計画で謳っているのです。渋川市のお役人様、土壌汚染対策法の時効は20年です。まだまだ期限内です。だから、住民としては“大同様にご負担してもらいましょうよ”と、計画見直しを強く渋川市に促したいわけですが、渋川市の目線は真逆なのです。

■こうして、平成25年4月に、今回のスラグ問題の発端となった渋川市の遊園地スカイランドパークの補修工事において、今度は渋川市の予算で、同駐車場の下の超有害スラグを掘削することにしたのでした。

 そして、小林製工運輸処分場の進入道路の改良工事の時と同じように、不法に掘削し、大同に運び込んだのですが、この運び込まれた超有害スラグの内、約半分が行方不明なのです。これも処分場進入道路改良工事と同様に、大同で再処理され、佐藤建設工業に引き渡してしまったものと推測されます。

 超有毒スラグが行方不明となったことについては、渋川市議会でとりあげられました。その模様は、次のブログ記事の末尾を参照ください。
○2014年10月15日:大同有毒スラグ問題を斬る!…りんご団地の隣の小林製工運送の最終処分場を巡る変更申請手続の疑問点
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1426.html

 以上のように、大同の内部資料や渋川市議会の議事録から、産業廃棄物の不法処理・不法投棄が何度も何度も繰り返されていた様子が読み取れるのです。我々はここに着目したいのです。

■即ち、ブラック連合の大同・佐藤は、大同特殊鋼渋川工場の内部から発生した有害スラグを、天然石と混合し、“再生砕石”と装って販売(=産業廃棄物の不法投棄)しただけでなく、同工場の外部から発生した有害スラグを、無許可で受け入れて再処理(=産業廃棄物の不法処理)するという、二重の罪を犯しているのです。

 しかもこれは、過去に犯した不法投棄を隠蔽する行為でもあります。なぜなら六価クロムの有害性については、平成8年のスカイランドパーク建設当時にも既に環境省が毒物に指定し、環境基準を規定しています。大同特殊鋼は、フッ素の環境基準だけでなく六価クロムの環境基準をも、守っていなかったのです。渋川市が打ち出す事業に関連した何かの機会に、過去の不法投棄現場に関わる工事を奇貨として、少しずつ過去の不法行為を隠ぺいしているのです。
 
◆「大同様の御機嫌うかがい主義」

 毎日新聞では、今回のスラグ問題に対応してきた行政の姿勢を、「事なかれ主義」と銘打って記事を組み立てています。しかし、こと渋川市においては「大同様の御機嫌うかがい主義」と呼び変えた方がしっくりきます。なぜなら、この主義に沿って、渋川市が、有害スラグの不法投棄に積極的に関わってきた、と考えざるを得ないからです。

 その一例として、スカイランドパーク駐車場補修工事の際に、「テスト施工」と称して有害スラグを撤去した上、更に別の有害スラグで舗装工事をする大同特殊鋼の不法投棄の提案に、渋川市が簡単に許可を出したことが挙げられます。この経緯を客観的に分析してみると、渋川市が犯罪に手を貸している疑いさえ感じます。

 前述の渋川市議会では、市行政側が答弁で、「認識に欠けていた」とか、「環境に対する考え方が甘かった」などと弁解しています。しかし、事は重大です。同種の犯罪が二度も繰り返されていたからです。

 初犯であれば“間違い”で済むかもしれませんが、二度三度と繰り返される「常習行為」であれば、到底許されることではありません。ましてや、行政側が“多数派工作を行い、市議会で多数決により押し切ってしまえ!”などと画策し、実行していたとしたら言語道断です。なにしろ渋川市では、副市長が逮捕された、という“実績”があることから、このように力任せで議会で押し切るという疑惑が、真実味を帯びてくるのです。



大同から渋川市にあてたテスト施工依頼文章。下層路盤材に不法投棄したことが騒ぎにならなかったことを奇貨として、さらに上層路盤材にまで不法投棄を拡大したいとする、大同のあくなきブラックな野望の結晶ともいえる文書。既存の超有害スラグの掘削・撤去・運搬に係る費用は、大同が負担する内容となっている。しかし渋川行政は「大同様のご機嫌をうかがう」ことが最優先のため、結局、渋川市が費用を持ち、大同様は、住民訴訟に実質的に渋川市が負けるまで、1円も支払わなかった。


テスト施工の結果、施工後1年も経たず、スカイランドパーク第6駐車場には早くも隆起亀裂が発生。共通して分かるのは、“有害スラグ混合砕石は隆起を伴う不良建設資材である”ということだ。

 有害スラグ混合上層路盤材のテスト施工については、次のブログを参照してください。
○2014年11月18日:大同有毒スラグ問題を斬る!…オンブズマン提訴で分かった渋川市の超法規的対応と大同特殊鋼との癒着↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1463.html#readmore

 無許可処理された“超有害”デカスラグには、フッ素だけでなく発がん性のある猛毒の六価クロムが含まれています。大同の内部資料を見ると、「佐藤建設に出荷」となっています。大同が超有害デカスラグを破砕し、細かくしてブラック佐藤に渡り、ぞんざい(=いい加減)に天然石に混入されたので、余計、その量は増えているはずです。

 このため、超有害デカスラグが、処分場進入道路工事やスカイランドパーク親友路工事で元の現場に戻されていると思ったら大間違いなのです。破砕後のエージング処理には時間がかかるため、佐藤から別の有害スラグ混合砕石が、現場に納入されているはずです。また天然石を混ぜ、量を増やしているため、元の掘削現場には全量を戻し切れません。

では、六価クロム入りの猛毒再生砕石は、一体どこに行ってしまったのでしょうか? 他のまったく異なる工事現場に、バラ撒かれてしまったのではないでしょうか?
 もしかしたら、2年前に読者の皆さんのお宅の近くにできたコンビニがあり、そこに佐藤の白のスラグ運搬車が出入りしていたのを見たりして記憶されていれば、当該コンビニの駐車場は、猛毒の六価クロムだらけかもしれません。

 毎日新聞:記者の目では、行政の「事なかれ主義」としていますが、オンブズマンの目には「大同様の御機嫌うかがい主義」に基づいて、「テスト施工」や「六価クロムのバラマキ」など渋川市が不法投棄に積極的に関与していたのでした。その結果、知らず知らずのうちに有害物質の影響に住民が苦しめられている、というふうに今回の事件が映ってしまいます。

◆民間工事も対象に、調査ためらうな

 毎日新聞は、「現在の調査対象は国と県、県内2市の発注工事のみだが、他の市町村や近隣県を含めて徹底した調査を求めたい。また、八ッ場ダムの移転代替地の多くは住民に分譲済みで『私有地』を理由に調査対象から外れているが、苦渋の決断で移転を容認した人々に禍根を残さないためにも調査をためらうべきではない。」と報じています。

 水は、高い所から低い所に流れます。地下水においても速度は緩やかになるかもしれませんが同様です。隣接地に有害スラグがあれば影響はその場所だけには留まりません。

 特にOB道路などの大手建設会社による大規模な民間駐車場工事、同じくM道路などの大手建設会社によるコンビニ舗装工事、そして、地元ゼネコンによるソーラー発電所設置工事や農産物販売などの商業施設については、利益に悪影響を及ぼすため、行政も大同も、自発的に調査をすることは考え難いと思われます。

 しかし、今回のスラグ問題は、その与える影響が甚大であることから、行政が積極的にリードして指導してゆかなければ、大同の有毒物質入りスラグをばら撒かれた現場に隣接する住民いとっては、たまったものではありません。

 そのためには、まず群馬県知事による「有害スラグ撤去の措置命令」が為されなければなりません。それに追随して「民間工事についての指導を行う」という手順がとれないものでしょうか?

 行政は「事なかれ主義」や「大同様のご機嫌うかがい主義」などではなく、自ら率先垂範して“きれいな群馬ちゃん”を守り、あるいは、取り戻すための気概を、ぜひ示して欲しいものです。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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経産相辞任1周年の10月20日に渋川市内で「姫」が語る説明で言及するか政治家としてのケジメ

2015-10-17 23:21:00 | 政治とカネ
■2014年10月16日発売の週刊新潮のスクープ記事で一挙に噴き出た小渕藩の不始末で、4日後の10月20日に早くも大臣の職を辞した「姫」でしたが、この日は当会が東京地検特捜部に「姫」の公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑で最初の告発をした日でもあります。

経産相辞任1周年の日に後援会幹部や地元県議らに説明をすることにした姫のことを報じた上毛新聞10月17日付朝刊一面記事。

 その後、同10月23日には、「国家老」の折田謙一郎の政治資金規正法違反容疑で告発しました。さらに、同10月31日には、東京地検特捜部の指示に基づき姫と国家老の修正版の告おぶち発状を出し直しました。

 さらに、姫に対して、旅行業法の許可を受けずに、明治座への観劇会などのバスツアーを行ったことで、旅行業法違反でも告発をしました。しかし、姫に対する公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑は、いずれも2015年4月28日付で嫌疑不十分を理由に、東京地検によって不起訴処分とされてしまいました。

 そのため、東京検察審査会に審査申立てをしましたが、9月17日付で不起訴処分相当の通知が来てしまいました。これを予想していたかのように、9月14日に国家老ら2名の元秘書らの初公判が開かれ、10月9日に有罪判決が下りました。

 この一連の過程で、今回の件では、誰も公職選挙法違反を問われませんでした。当会の調査では、オブチワインを始め、観劇会など、選挙民に対する様々な便宜供与が行われました。これらは一切不問にされたことになります。

 一方、元秘書ら2人がともに政治資金規正法違反を法廷で認め、執行猶予付きとはいえ、東京地裁は有罪判決を下しました。当然、姫としては、政治家本人として、連座制を視野に入れたしかるべき対応が求められることになります。10月17日付の上毛新聞朝刊記事によれば、果たして、10月20日(火)午後、渋川市内で開かれる説明会で、どのような形で説明責任を果たすのかが注目されます。

その、10月17日の上毛新聞朝刊一面記事を見てみましょう。

*********上毛新聞2015年10月17日一面
政治資金問題 小渕氏、20日に説明 渋川 後援会幹部らに
 小渕優子元経済産業相が20日に渋川市内で後援会幹部らは集めた会議を開き、自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について説明することが16日、分かった。元秘書2人に有罪判決が言い渡されたことや昨年10月の経産相辞任から1年が経過するのに合わせ、事件について語る判断をしたとみられる。
 関係者によると、会議には後援会の役員や衆院群馬5区内の自民県議ら数十人が出席を予定している。弁護士らで構成する第三者委員会による調査結果を基に、小渕氏が事件について報告する見通しだ。
 小渕氏の関連政治団体をめぐっては、昨年10月、観劇会の収入と支出にずれが生じているなど政治資金の不明朗な会計処理が表面化し、小渕氏は就任から1カ月余りで経産省を引責辞任した。
 東京地検特捜部はいずれも元秘書で前中之条町長の折田謙一郎被告と資金管理団体の元会計責任者の加守喜被告を政治資金規正法違反合いで在宅起訴。東京地裁が今月9日、折田被告に禁錮2年、執行猶予3年、加辺被告に禁錮1年、執行猶予3年を言い渡した。
 辞任後、小渕氏自身は公の場で政治資金問題について説明していないが、元秘書の有罪判決を受け、小渕氏の事務所は近く提出される第三者委員会の報告も踏まえ、説明する機会を設けるとの考えを示していた。
**********

■このように、上毛新聞記事では、10月20日に渋川市内で後援会幹部や群馬5区内の自民党所属県議ら数十人を集めて、政治資金問題に関する“説明”を行うとしか報じていません。開始時間と開催場所の記載が有りませんが、当会としては、これまでの経緯から、ぜひ姫の口からどのような説明が行われるのか、ぜひ同席させていただきたいと考えております。何とか、当日までに開催時間と会場の情報を入手し、姫に、オンブズマンとして同席できるよう直訴したいと思っています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報【10月19日追記】
10月16日午後に読売新聞もネット記事で、「姫」の説明会が10月20日に渋川市内で行われることを報じていました。
**********読売新聞2015年10月16日 15時20分
小渕優子氏、渋川で20日説明…規正法違反事件
 小渕優子・元経済産業相(41)が20日、自らの関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件について、群馬県渋川市で後援会幹部や地元の自民党県議らに説明することが、関係者への取材で分かった。
 元秘書2人が同法違反(虚偽記入)で9日に有罪判決を受けたことや、経産相の辞任から1年の節目となることなどを踏まえ、決断したとみられる。
 関係者によると、渋川市内で20日午後、後援会幹部役員と県議団の合同会議を開く。弁護士らで構成し、事件を調査している第三者委員会の報告などをもとに、小渕氏が説明する。会議終了後、小渕氏の記者会見も行う方向で調整している。
 小渕氏の関連政治団体を巡って、不透明な政治資金処理が明るみに出たのは昨年10月中旬。小渕氏は同20日に経産相を辞任し、会見で「政治家として説明責任を果たす」と述べ、第三者委に調査を委ねた。しかし、この1年、自らの言葉で説明する場面はなかった。
 昨年12月の衆院選では、「私に関係する政治団体のことで多大なご心配、ご迷惑をかけた」などと支持者に謝罪。当選したが、事件の詳細は語っていない。
 前中之条町長の折田謙一郎被告(67)ら元秘書2人が有罪判決を受けた今月9日は、事務所を通じて「第三者委員会の報告も踏まえ、説明する機会を設ける」との文書を出した。
**********
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