はだかの王さまは、さまざま場面で比喩としてつかわれています。いうまでもなくアンデルセンの童話で、「皇帝の新しい服」というタイトル。
スペインの古い伝承をアンデルセンが翻案したものであり、元の話で王様が裸であると指摘するのは黒人であったといいます。
小さいころ読んでもらった記憶があり、何十年?ぶりかで読み直してみました。語ろうと思っているのですが、本によって微妙なちがいがあって聞き手にどんなイメージがあたえられるのか考えさせられました。
手元にあるのは1970年発行の小学館のものですが、翻案されたものです。
絵本も参考にしたいと思っていくつか見てみたのですが、すこしずつ違いがあるのがわかりました。
絵本ではイメージがつたわりますが、語る場合、王様はどうとらえられるでしょうか。
この王様は何歳ぐらいで、人々は幸せだったのでしょうか。おしゃれに夢中になれる王様ですから、治世にはあまり問題がなかったのでしょう。
裸という先入観があったのですが、王さまが下着をつけている絵本があって、こんな描き方もあるのかと思いました。
・小学館 アンデルセンの絵本 2004年7月初版 文・角野栄子 絵・こみね ゆら
スマートな王様が下着で行列 王らしくおわりまで行列を続けます。
・偕成社 世界のどうわ アンデルセン童話 1987年11月初版 訳・木村由利子 絵・イブ・タルレ
王様はふとりぎみ 裸で行列 とにかくこの行列を続けます。
・小学館 世界の童話 アンデルセンの童話 1970年3月重版 文・後藤楢根 絵・鈴木寿雄
王様はふとりぎみ 裸で行列 はずかしくなって行列をやめておしろにかえります。