おばけサーカス/佐野洋子/講談社/2011年
ある日、真っ赤な広場にサーカスがやってきました。
テントには、おばけサーカスとかいてあって、広場に集まった人の期待がひろがります。
夜になると、おばけの練習がはじまりました。
さいしょに、おばけの おばあさんが 二匹のねこにばけ、かろやかな ダンス
おじいさんおばけは くまの じてんしゃのり
おねえさんは ブランコ おにいさんは わかものにばけて バイオリンをひきます
おかあさんは シルクハットの中から ちいさなペロペロを なんびきもとりだすマジック
最後の仕上げは みんな 人間に ばけます。
ところが、夜が明けると 広場には なにも ありませんでした。広場に集まった人は、「あれは もしかしたら ほんとうの おばけだったのかなあ」と・・。
初版が1980年で2011年に復刊されたもの。
おばけのおとうさんが団長で、練習中に「ほどほどにな」「あんまり うまく きえないでくださいよ」「もうすこし ゆっくりやって くださいよ」「よろしい よろしい。おおいに よろしい」と、なんどもムチをピシリ ピシリ。
淡い絵で輪郭もぼんやりしています。
おばけらしくないおばけで、ほんとは 人間の前に 現れたくなかったのでしょう。サーカスの練習はなんのため? ちょっと不思議な絵本。
人間にばけると おとうさんが なさけないかおを するのですが、その理由が よくわかりませんでした。