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あずきがゆばあさんと とら/パク・ユンギュ・文 ペク・ヒナ・絵 かみや にじ・訳/偕成社/2022年
韓国の小学校二年生の国語の教科書にのっているという昔話。特徴的なのは でてくるばあさん、とらなどが人形で、立体感があって、あらためて絵本の奥深さを知ることになりました。
ばあさんの にるあずきがゆは とってもおいしい。それで あずきがゆばあさんとよばれていた。
ある あたたかな春の日、山の小豆の畑で 草取りをしていると、とてつもなく大きなトラがのそりのそり。ばあさんを食べようとするが、「雪の降る日 おまえも たべものがないとき、おいしいあずきがゆを たべたら わたしを がぶっと くったらいい!」と、なんとかその場を切り抜けた。
冬至の日、ばあさんは、あずきがゆを にながら 煙突の前で、おいおい泣きはじめた。台所に戻っても まだ 泣いていた。
そこへ「ぴょんぴょん とことこ」やって来たのが”くり”。わけを聞いた くりは、「あずきがゆを 一ぱい くれたら くわれんように してあげる。」といい、あずきがゆを ぺろっと たいらげると かまどの奥に みをひそめた。
つぎに”すっぽん”がやってきて、あずきがゆを たいらげると 水がめの なかに どぶんと かくれた。
まだまだ やってくるわ やってくるわ!。
「ぬるぬる ぺたぺた」”うんち”
「ぴょこん ぴょこん かたん ことん」”千枚通し”
「がたん ごとん どしん どしん」”
「くるくる するする」「ひょこひょこ かたかた」”石臼”
「くるくる するする」”むしろ”
「ひょこひょこ かたかた」”しょいこ”
日本の「さるかに合戦」に 似ていますが、ばあさんの応援者が日本のものより多い。”うんち”はともかく、”むしろ”と”しょいこ”がでてきて、とらを 川に放り投げる場面が楽しい。しょいこは子どもにはわかりにくいところですが、そこは絵本なので一目瞭然です。
小物の人形にも注目です。