大学の優れた知財を発掘 特許庁、専門家を派遣
2019年9月3日 (火)配信共同通信社
特許庁は、大学による研究成果の特許取得を支援するために、知的財産の活用に詳しい専門家を大学に派遣する取り組みを始める。優れた知財を発掘して事業化やライセンス契約を実現させ、日本の産業競争力向上を図る。初年度に当たる2019年度は25大学をめどに公募で選び、10月から派遣する方針だ。
派遣人材は「知財戦略デザイナー」と命名。大学と知財事業の双方に関わった経験がある弁理士らを想定する。研究者と議論を重ねて、特許取得の是非やタイミングなど最適な知財の活用方法を検討する。
対象となる研究分野は、ライフサイエンスや人工知能(AI)を見込む。「特に医療分野は研究が世に出るのに時間がかかり、光る知財が埋もれやすい」(同庁担当者)といい、注力していく考えだ。
昨年大学に対し行ったヒアリングの中で、国内の研究者にはコスト負担や手続きの煩雑さを避けたいとの理由から、知財の活用が浸透していない現状が分かった。ただ特許への理解が深まると「企業と連携する可能性が高まり、結果的に研究費を獲得できる機会が増えると認識してもらった」(関係者)といい、取り組みが決まった。
海外に比べ、国内の大学の特許出願数は少ない。特許庁の報告書によると、18年の国際出願件数は、トップの米カリフォルニア大の501件に対し、国内で首位の大阪大は105件で11位、次点の東京大は92件で14位だった。特許庁の担当者は「取り組みを機に大学間のネットワークも生まれ、研究者の権利意識の高まりにつながってほしい」と期待を寄せる。
2019年9月3日 (火)配信共同通信社
特許庁は、大学による研究成果の特許取得を支援するために、知的財産の活用に詳しい専門家を大学に派遣する取り組みを始める。優れた知財を発掘して事業化やライセンス契約を実現させ、日本の産業競争力向上を図る。初年度に当たる2019年度は25大学をめどに公募で選び、10月から派遣する方針だ。
派遣人材は「知財戦略デザイナー」と命名。大学と知財事業の双方に関わった経験がある弁理士らを想定する。研究者と議論を重ねて、特許取得の是非やタイミングなど最適な知財の活用方法を検討する。
対象となる研究分野は、ライフサイエンスや人工知能(AI)を見込む。「特に医療分野は研究が世に出るのに時間がかかり、光る知財が埋もれやすい」(同庁担当者)といい、注力していく考えだ。
昨年大学に対し行ったヒアリングの中で、国内の研究者にはコスト負担や手続きの煩雑さを避けたいとの理由から、知財の活用が浸透していない現状が分かった。ただ特許への理解が深まると「企業と連携する可能性が高まり、結果的に研究費を獲得できる機会が増えると認識してもらった」(関係者)といい、取り組みが決まった。
海外に比べ、国内の大学の特許出願数は少ない。特許庁の報告書によると、18年の国際出願件数は、トップの米カリフォルニア大の501件に対し、国内で首位の大阪大は105件で11位、次点の東京大は92件で14位だった。特許庁の担当者は「取り組みを機に大学間のネットワークも生まれ、研究者の権利意識の高まりにつながってほしい」と期待を寄せる。