不登校者数最多 学校通わない選択広がる
2019年10月21日 (月)配信山梨日日新聞
文部科学省の2018年度調査で、山梨県内の小学校の不登校者数が289人と1991年以降最多だったことを受け、学校に通えない子どもの居場所づくりに取り組む団体からは、一因として「学校が全てではないという意識が広まっているからではないか」との見方が出ている。有識者は学校で教員、児童ともにゆとりがない現状を指摘し、子どもたちの心理面を支援する専門家の効果的な活用を求めている。
県教委が「低学年(小学1、2年)でのいじめが増加傾向にあることが影響している可能性がある」と分析した不登校増加。さまざまな理由で不登校となっている子どもが通う「ひなたぼっこ」(北杜市)の西岡美紀恵代表は「子どものつらそうな姿を目の当たりにして、学校に通わない選択を受け入れられる親が以前より増えている」と保護者の意識の変化を要因に挙げた。
ひなたぼっこには県内各地から20人ほどの子どもが通う。全く口をきこうとしない子どもが次第に笑顔を取り戻す姿などを見てきた西岡代表は「不登校は子どもが悪いわけではない。多様な居場所が必要だ」と話す。
不登校となった子どもが通う選択肢の一つとなっているフリースクールだが、県教委が把握しているのは県内6カ所にとどまる。中央市などで活動するフリースクール「自由学校」の泉弘恵代表は「フリースクールが増えれば不登校も増えるという批判的な意見があるが、学校の雰囲気になじめない子どものためにもさまざまな学びの場があっていい」と訴える。
山梨大の田中健史朗准教授は「授業時間増などの影響で子どもたちは常に成長を求められ、学校が安心して過ごせる場所ではなくなっている」と分析。教員も多忙化でゆとりがなくなっている現状を踏まえ「スクールカウンセラーなどの外部の専門家を有効に活用し、子どもが安心できる環境を取り戻す必要がある」としている。
2019年10月21日 (月)配信山梨日日新聞
文部科学省の2018年度調査で、山梨県内の小学校の不登校者数が289人と1991年以降最多だったことを受け、学校に通えない子どもの居場所づくりに取り組む団体からは、一因として「学校が全てではないという意識が広まっているからではないか」との見方が出ている。有識者は学校で教員、児童ともにゆとりがない現状を指摘し、子どもたちの心理面を支援する専門家の効果的な活用を求めている。
県教委が「低学年(小学1、2年)でのいじめが増加傾向にあることが影響している可能性がある」と分析した不登校増加。さまざまな理由で不登校となっている子どもが通う「ひなたぼっこ」(北杜市)の西岡美紀恵代表は「子どものつらそうな姿を目の当たりにして、学校に通わない選択を受け入れられる親が以前より増えている」と保護者の意識の変化を要因に挙げた。
ひなたぼっこには県内各地から20人ほどの子どもが通う。全く口をきこうとしない子どもが次第に笑顔を取り戻す姿などを見てきた西岡代表は「不登校は子どもが悪いわけではない。多様な居場所が必要だ」と話す。
不登校となった子どもが通う選択肢の一つとなっているフリースクールだが、県教委が把握しているのは県内6カ所にとどまる。中央市などで活動するフリースクール「自由学校」の泉弘恵代表は「フリースクールが増えれば不登校も増えるという批判的な意見があるが、学校の雰囲気になじめない子どものためにもさまざまな学びの場があっていい」と訴える。
山梨大の田中健史朗准教授は「授業時間増などの影響で子どもたちは常に成長を求められ、学校が安心して過ごせる場所ではなくなっている」と分析。教員も多忙化でゆとりがなくなっている現状を踏まえ「スクールカウンセラーなどの外部の専門家を有効に活用し、子どもが安心できる環境を取り戻す必要がある」としている。