iPS心筋移植治験申請へ 大阪大、厚労省審査機関に
2019年10月24日 (木)配信共同通信社
人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った「心筋シート」を重症心不全患者の心臓に移植する治療法について、大阪大の澤芳樹(さわ・よしき)教授(心臓血管外科)らのチームが治験としての実施を厚生労働省の審査機関に近く申請することが23日、阪大などへの取材で分かった。
これまでは臨床研究として実施する計画だった。治験も臨床研究も安全性や有効性を検証するものだが、治験になれば、保険適用される治療として実用化が早まる可能性がある。申請は月内を予定している。治験に一本化するかは方針が決まっていないという。
この治療法は、血管が詰まって心臓の筋肉に血液が届きにくくなる虚血性心筋症の患者の心臓に、iPS細胞から作った心筋細胞シートを貼り付ける。チームによると、細胞培養の仕方が、治験と臨床研究とでは違う。
臨床研究は厚労省の専門部会が2018年5月に大筋で承認。18年度中に1例目の移植を実施する計画だったが、18年6月の大阪府北部地震でiPS細胞を培養する研究施設が被災し遅れていた。治験の実施計画は阪大の学内審査委員会では既に認められている。