Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

モーリッツ・モシュコフスキの「世界各地から」作品23を聴く

2023-03-12 13:39:36 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1854年生まれのポーランドの作曲家モシュコフスキが、
1884年に作曲した「世界各地から」作品23について触れる。
「異国から」とか「すべての君主国から」と訳しているものもある。
今回聴いたCDはマーティン・ウェスト指揮、
サンフランシスコ・バレエ管弦楽団の演奏である。
第1曲「ロシア」は、クラリネットが奏でる旋律で始まる。
この旋律はやや哀愁漂い印象的であり、
そのあと対照的な明るい旋律が現れる。
交互に旋律は繰り返され、最後穏やかに終わる。
第4曲「イタリア」は、抒情的な旋律が奏でられて始まり、
フルートに導かれる軽快な旋律で始まる。
明快で優雅な感じはメンデルスゾーンを思わせもする。
曲はタランテラのようで狂乱的な部分もみられる。
第3曲「ドイツ」は、ドイツらしくホルンの吹奏で始まる。
この旋律は弦楽器などに引き継がれていくが、
旋律は抒情的で、哀愁漂うところもあり、味わい深い。
第2曲「スペイン」は、木管楽器が奏でる民謡的な旋律で始まる。
明るく軽快で、ファンタンゴのようであり、
金管楽器が加わり舞踏的になって盛り上がる。
第5曲「ポーランド」は、弦楽器が奏でる力強い旋律で始まり、
舞踏的な旋律であり、ポロネーズ風なのかなという感じである。
抒情的な旋律がそれに続き、冒頭の力強い旋律が再び現れる。
中間部は感傷的な感じの旋律が奏でられて終わる。
第6曲「ハンガリー」は、弦楽器が奏でる軽快で明るい旋律で始まり、
ハンガリーらしく、チャールダーシュらしい旋律も現れる。
最後は盛り上がったところで終わる。
ヨーロッパ各地の旅行を音楽で味わうという感じの曲である。
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アレクサンデル・タンスマンの「イーゴリ・ストラヴィンスキー追憶の石碑」を聴く

2023-02-19 19:29:39 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1897年生まれのポーランドの作曲家タンスマンが、
1972年に作曲した「イーゴリ・ストラヴィンスキー追憶の石碑」について触れる。
今回聴いたCDはメイア・ミンスキー指揮、
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏である。
3曲で構成されているこの作品の第1曲は「哀歌」であり、
打楽器と木管楽器と金管楽器により神秘的な感じで始まるが、
ストラヴィンスキーが亡くなったことへの重々しい気持ちが、
徐々に弦楽器の奏でる音型と木管楽器で表されていく。
ストラヴィンスキーを失った哀しい気持ちが高ぶったあと、
最後はおさまり、弦楽器と木管楽器中心に静かに終わる。
第2曲「ストゥディオ・リトミコ」なので、
リズミカルな習作とでも言っていいだろうか。
荒々しい部分が終わった後は木管楽器によるフーガ的な展開。
かとおもったら再び不協和音とともに荒々しい感じになり、
そのあとは弦楽器中心のせわしい動きの感じ、
なかなか面白い音楽の展開である。
第3曲ラメントは、フルートと弦楽器で始まる。
ゆったりと弦楽器が音型を繰り返していき、鐘の音も加わる。
最後は穏やかな感じの中で静かに終わる。
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アレクサンドレ・タンスマンの交響曲第9番を聴く

2020-04-18 15:15:21 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1897年に生まれたポーランドの作曲家タンスマンが、
1957年から翌58年にかけて作曲した交響曲第9番をとりあげる。
今回聴いたCDはオレグ・カエターニ指揮、
メルボルン交響楽団の演奏による。
第1楽章アレグロ・コン・モート-
ウン・ポコ・ピュ・レント-ア・テンポは、
軽快で激しくリズミックな旋律で始まる。
ストラヴィンスキーを思わせるような音楽である。
途中ゆったりとした部分を経て、
再び冒頭の荒々しい音楽になり、
金管楽器が鳴り響き、最後力強く終わる。

第2楽章グラーヴェ-ピュ・レント-テンポⅠは、
重々しい弦楽器の上で、オーボエが旋律を奏でて始まる。
そのあとは弦楽器中心に沈鬱な音楽が続き、最後は静かに終わる。
第3楽章モルト・ヴィヴァーチェ-ペルデンドージは、
舞踏風の音楽がリズミックに展開される。
弦楽器のピチカートや木管楽器の軽快な動きが印象的で、
金管楽器も荒々しさを加え、徐々に消え入るようにして終わる。
第4楽章レント-アレグロ・コン・モート,
モルト・リソルートは、ゆったりとした弦楽器の上で、
木管楽器が旋律を奏でて始まり、
それからは弦楽器が奏でる旋律をもとに、
各楽器がそれを引き継いでいくフーガ風の展開となり、
最後は金管楽器や打楽器中心に盛り上がって力強く終わる。
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カロル・シマノフスキの交響曲第2番変ロ長調作品19を聴く

2014-11-07 06:31:02 | 古典~現代音楽ポーランド編
昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのは、1882年生まれのポーランドの作曲家シマノフスキが、
1910年に作曲した交響曲第2番変ロ長調作品19である。
彼の略歴については以前述べたので省略する。
聴いたCDはカロル・ストリージャ指揮、
ポーランド国立カトヴィツェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロ・モデラート-グラチオーソは、
弦楽器と木管楽器によってスクリャービン風な神秘的で、
後期ロマン派的な旋律で始まる。
金管楽器も加わりながら盛り上がりもし、
陶酔したような音楽の高まりがみられる。
ヴァイオリン独奏の部分も効果的にところどころでみられる。
盛り上がりをみせたあと、最後は静かに終わる。

第二楽章アダージョは、主題と9つの変奏からなる。
弦楽器により奏でられるゆったりとした主題で始まり、
木管楽器も絡みながら、主題の変奏が展開されていく。
その中で軽快なスケルツォ的な部分をみせる部分や、
高揚していく部分、穏やかな部分が交互に出てくる。
ここでも独奏ヴァイオリンが効果的に使われる。
最後は弦楽器と木管楽器で静かに終わる。
第三楽章フーガは、力強く主題が奏でられて始まる。
そして、弦楽器の奏でる主題をもとにフーガが展開されていく。
木管楽器や金管楽器も絡みながら盛り上がりをみせたあと、
独奏ヴァイオリンの活躍する穏やかな部分が続いたかと思うと、
再び金管楽器も加わり盛り上がりをみせて、
オルガンも加わり、最後は力強く終わる。
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イグナーツ・モシェレスのピアノ協奏曲第3番ト短調作品58を聴く

2014-11-06 06:36:35 | 古典~現代音楽ポーランド編
昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのは、1794年生まれのチェコの作曲家モシェレスが、
1820年に作曲したピアノ協奏曲第3番ト短調作品58である。
プラハでユダヤ系商人の息子として生まれた彼は、
ピアノを習い始めるとその才能を発揮し、
14歳で自作の協奏曲を弾いてデビューした。
その後ヨーロッパ各地に演奏旅行を行い、
ベートーヴェンやメンデルスゾーンに会い、親交を深め、
メンデルスゾーンの招きでライプチヒ音楽院教授となり、
教育活動にも従事し、作曲者としても多くの作品を残した。
聴いたCDはマイケル・ポンティのピアノ、
オトマール・マーガ指揮、フィルハーモニア・フンガリカの演奏による。

第一楽章アレグロ・モデラートは、弦楽器による叙情的な旋律で始まる。
その音楽はベートーヴェンやメンデルスゾーンを思わせるところがある。
そしてピアノ独奏が入り、技巧的な部分と、
詩的な叙情性をみせながら旋律を奏でていく。
軽やかに流れるような部分も甘美であり、
短いカデンツァを経て、一気に盛り上がったところで最後終わる。
第二楽章アダージョは、ホルンが加わりゆったりとしたテンポで始まり、
独奏ピアノは歌うように叙情的な旋律を奏でていく。
ロマンティックな短い楽章で、そのまま次の楽章に入る。
第三楽章アレグロ・アジタートは、ピアノが主題を奏でて始まる。
流れるようで叙情的な部分と、力強い感じの部分が交互に現れる。
ピアノ独奏の技巧が発揮されるところが随所にあり、
終わりの方でピアノ独奏中心に盛り上げていき、
管弦楽も加わり最後力強く終わる。
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