Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

チャールズ・アイヴズの交響曲第2番を聴く

2022-06-04 22:37:12 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1874年生まれのアイヴズが、
1897年から1902年にかけて作曲した交響曲第2番を取り上げる。
聴いたCDはレナード・バーンスタイン指揮、
ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏による。
こちらは1987年の録音のものである。
第一楽章アンダンテ・モデラートは、序奏の役目を持ち、
弦楽器が奏でるゆったりとした旋律で始まる。
その主題は弦楽器の中で引き継がれていき、
それぞれの旋律がポリフォニックな絡み方をしていく。
途中ホルンが別の旋律を奏でて変化を与えるが、
再び弦楽器中心となり、オーボエの旋律の中で最後静かに終わる。
第二楽章アレグロは、ソナタ形式で書かれている。
第一主題は、明るく生き生きとした軽快な旋律である。
第二主題は、木管楽器中心に素朴な旋律で始まり、
これらの主題は展開部に入り、変形されていき、
ドラマティックに盛り上がっていくが、
小太鼓の音が入り、展開部の終わりが来て、
第一主題から始まる再現部に入る。
そのあとのコーダも展開部のような主題の変形がみられ、
盛り上がりをみせて、最後は金管楽器の音で力強く終わる。

第三楽章アダージョ・カンタービレは、三つの部分で構成されている。
ヴァイオリン中心の弦楽器によって奏でられる旋律で始まり、
フルートやホルンも加わり、懐かしい感じの世界である。
チェロの独奏の入るところを経て、やや軽快な旋律の第二の部分に入り、
最初の部分が現れる第三の部分となり、弦楽器の奏でる旋律中心に、
フルートやホルンも絡んで、最後は弦楽器のみで静かに終わる。
第四楽章レント・マエストーソは、次の楽章の序奏の役目を持つ。
ホルンのユニゾンで始まり、弦楽器が続いて入る。
この楽章は第一楽章の再現であるが短く、次の楽章に続いていく。
第五楽章アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェは、
生き生きとした旋律が奏でられて始まり、
ホルンがフォスターの「草競馬」の旋律を奏でる。
その「草競馬」の旋律は他の楽器にも受け継がれ、
現れては消え、また現れるという感じである。
他にも聴いたような旋律が断片的に現れ、聴いていて楽しく、
古き良きアメリカらしさが全面的に出ている感じもする。
小太鼓の音が鳴り、金管楽器が旋律を奏でて、盛り上がりをみせ、
最後は力強くしかし不協和音の中で終わる。
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チャールズ・アイヴズの交響曲第4番を聴く

2022-05-29 13:04:51 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1874年生まれのアイヴズが、
1910年から1916年にかけて作曲した交響曲第4番を取り上げる。
聴いたCDはクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、
クリーヴランド管弦楽団の演奏による。
第一楽章前奏曲(マエストーソ)は、重々しく荒々しく始まる。
ピアノやチェロ、コントラバスが旋律を奏でた後、
混声合唱が入り、讃美歌「夜を守る友よ」が歌われる。
この合唱を中心に音楽は進行していき、最後静かに終わる。
第二楽章アレグレットは、ピアノと弦楽器中心に始まる。
独奏ピアノが活躍する中、徐々に荒々しい感じになり、
機関車を思わせるような音など騒々しい響きが聞こえ、
このあたりはアイヴズらしいところがみられる。
色々な音楽のメロディーと騒音が混在し、
音のカオスを作り出していき、目まぐるしく変化していく。
ピアノと弦楽器、金管楽器が統制のないようにみえる音楽を、
それぞれの楽器が勝手に展開していくような感じだが、
それがアイヴズらしさであり、壮大な音の実験となっている。
行進曲が金管楽器によって突然現れ、
「ヤンキー・ドゥードル」の旋律も出てきて面白い。
第三楽章フーガ(アンダンテ・モデラート)は、
弦楽器がゆったりと讃美歌「きたのはてなる」の旋律を奏でて始まる。
讃美歌「あまつみつかいよ」の旋律も現れて、フーガ風の展開をしていく。
前楽章とは打って変わってある意味統制のとれた音楽が繰り広げられる。
美しく荘厳な感じで、最後は穏やかに終わる。
第四楽章非常に遅く-ラルゴ・マエストーソは、
打楽器の微かな音で始まり、静かな感じは、
様々な楽器が加わっていくことで打ち破れていくが、
再び混沌とした音楽が展開され、予測不能な方向に進んでいく。
讃美歌「とうときわが主よ」をヴァイオリンが奏で、
やがて音は厚みを増していくようになり、
混声四部合唱で讃美歌「主よみもとに」が歌われる。
最後は打楽器の音のみが残り、静かに終わる。
アイヴズにとっては最後の交響曲となった作品だが、
この謎めいて混沌とした作品に対して、作曲者自身は、
「なぜ、生きるのか?」という人生の問いをかかげている。
それは難しい問いでもあり、簡単な問いでもある。
だから、音楽も難解なようにみせて、本当は易しいのかもしれない。
意欲的で挑戦的な作品であり、人生同様に深いものがある。
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チャールズ・アイヴズの交響曲第1番ニ短調を聴く

2022-05-28 09:32:35 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1874年生まれのアイヴズが、
1896年から98年にかけて作曲した交響曲第1番ニ短調を取り上げる。
聴いたCDはズービン・メータ指揮、
ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、ヴィオラの伴奏の上で、
クラリネットが奏でる第一主題で始まる。
ドヴォルザークのように親しみやすい旋律で、
弦楽器に引き継がれていき、木管楽器や金管楽器も絡んで、
徐々に盛り上がりをみせながら繰り返されていく。
第二主題は、フルートによって奏される。
そして、展開部を経て主題が変形されていくが、
このあたりもブラームスやドヴォルザークのようで、
自然な感じがとても聴きやすい感じがする。
再現部に入り、盛り上がりをみせていき、最後は力強く終わる。
第二楽章アダージョ・モルト(ソステヌート)は、
イングリッシュ・ホルンが奏でる主題で始まる。
ドヴォルザークの交響曲第9番第2楽章のような始まりである。
奏でられる旋律は素朴で優しい感じである。
この楽章は三部形式で書かれており、叙情的な最初の部分と、
情熱的に盛り上がっていく中間部は対照的である。
再びイングリッシュ・ホルンが主題を奏で、最後は静かに終わる。
第三楽章スケルツォ(ヴィヴァーチェ)は、
クラリネットとフルートのユニゾンで始まり、
カノン風に様々は楽器が絡んでいき、興味深い。
中間部のトリオはヴァイオリンが活躍し、優雅な感じである。
冒頭のスケルツォ主題が再び現れ、最後静かに終わる。
第四楽章アレグロ・モルトは、弦楽器による軽快な旋律で始まる。
この主題をあわせ4つの旋律が相次いで現れていくが、
その旋律はロマンティックであり、力強い推進力をもっている。
この部分は繰り返され、コーダの部分に入り、金管楽器が加わり、
壮大な感じに盛り上がり、最後はティンパニの強打の中で力強く終わる。
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アーロン・コープランドの「劇場のための音楽」を聴く

2022-05-25 21:21:22 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1900年生まれのコープランドが、
1925年に作曲した「劇場のための音楽」を取り上げる。
聴いたCDはレナード・バーンスタイン指揮、
ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏による。
第1楽章プロローグは、小太鼓の音で始まり、
すぐにトランペットの華やかな第一主題が奏でられる。
そのあと弦楽器がそれを包み込むように入り、
オーボエの第二主題がそのあとに奏でられる。
そしてトランペットが入ったあと、
そのあとは軽快でリズミックな音楽になっていく。
ここでは、様々な楽器で第一主題を引き継ぎ、
変形させていったあと、再びトランペットの第一主題、
続けてオーボエの第二主題が現れ、最後静かに終わる。
第2楽章「舞曲」は、弦楽器のピチカートとピアノの上で
ファゴットが旋律を奏でて始まり、軽快な音楽が奏でられる。
トランペットやクラリネットが旋律を奏でていくが、
このあたりはブルースやジャズ音楽からの影響がみられ、
明るく楽しい音楽になっており、最後力強く終わる。
第3楽章「間奏曲」は、イングリッシュ・ホルンが、
無伴奏で旋律を奏でて始まる。
弦楽器とピアノの音の上でクラリネット、
そしてトランペットが旋律を奏でていき、
再びイングリッシュ・ホルンが旋律を奏で、
フルートと独奏ヴァイオリンで甘美な旋律が奏でられていく。
イングリッシュ・ホルンはプロローグの第一主題を奏で、
再び無伴奏で最初の主題を奏でて、消え入るように終わる。
第4楽章「ブルレスケ」は、全体でスケルツォ主題を奏でて始まる。
おどけたようなこの主題は様々な楽器に受け継がれていく。
中間部はトランペットがブルース風な旋律を奏でていく。
冒頭のスケルツォ主題が再び奏でられて中間部の主題も現れ、
最後は冒頭のスケルツォ主題が力強く奏でられて終わる。
第5楽章「エピローグ」は、クラリネットで始まり、
第1楽章の第一主題と第3楽章のブルース風の主題を奏でる。
その後独奏ヴァイオリンが活躍し、最後は静かに終わる。
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アーロン・コープランドの「弦楽合奏のための2つの作品」を聴く

2022-05-23 18:28:01 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1900年生まれのコープランドが作曲した、
弦楽合奏のための2つの作品を取り上げる。
レント・モルトの作品が、1923年に作曲され、
ロンディーノの作品が1928年に作曲されている。
聴いたCDはアーロン・コープランド指揮、
ロンドン交響楽団の演奏による。
レント・モルトは、簡素な旋律がユニゾンで奏でられ始まる。
やがて、それは2つの旋律が絡み合う音楽になり、
さらに複数の旋律が絡み合うように重層化していく。
徐々に盛り上がりをみせ、最後は静かになって終わる。
ロンディーノは、軽快な旋律が奏でられて始まる。
リズミックな音楽で、互いの旋律が絡み合い、
低弦の響きも効果的で、色彩豊かな音楽になっている。
最後は盛り上がりをみせたところで終わる。
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