Mars&Jupiter

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ジョリ・ブラガ・サントスの一幕のバレエ「岐路」を聴く

2024-02-19 05:16:49 | 古典~現代音楽ポルトガル編
昨日聴いたのは1924年生まれの作曲家ブラガ・サントスが、
リスボンのグルベンキアン・バレエ団のために、
1967年に作曲した一幕のバレエ「岐路」である。
村で農民たちが若いカップルの婚礼を祝っている。
そこに突然何人かの街の住民たちが現れる。
そして、自分たちの楽しみのために、
花嫁が婚礼に行くことをやめさせようとする。
花嫁は暴徒たちやまともな生活から引き離そうとする女性たちの
手におちてしまうが、結局は村に戻り、恋人の腕に抱かれる。
という内容のあらすじがCDの解説に書かれている。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
ボーンマス交響楽団の演奏による。
第一楽章「全体の踊り」は、イタリアの舞曲タランテラに、
基づいているようで、荒々しい激しいリズムで始まる。
途中で弦楽器で現れる旋律は生き生きとして底抜けに明るい。
最後は荒々しい感じが戻り、不安ななりゆきを暗示している。

第二楽章「パントマイム」は、冒頭からゆったりと不気味に始まる。
そのあとも木管楽器とヴァイオリン・ソロによりその不安な感じは続く。
中間部は荒々しい感じで暴徒たちのたくらみを示しているかのようである。
再び弦楽器中心にゆっくりとした不気味な音楽となって終わる。
第三楽章「リスボンの街中の踊り」は、荒々しく始まり、
ポルトガルの舞曲ファンタンゴに基づいているようだ。
そのあと弦楽器と木管楽器により民謡的で明るい旋律が奏でられていく。
舞曲が表す荒々しさと祭りのような明るさが交互に現れ、
これは街中に出てきたときの街の陽気さを示しているのだろう。
第四楽章「パ・ド・ドゥ」は、5分の4拍子を特徴とした
ポルトガル民謡に基づき、人物の不安な心理が示されている感じである。
第五楽章「全体の踊り」は、弦のピチカートと木管楽器で始まり、
村へと戻っていく花嫁を表しているのか、明るく希望に燃えている。
民謡風な旋律が奏でられていき、盛り上がりをみせていく。
最後は打楽器の強烈なリズムと金管楽器の華やかさの中で力強く終わる。
コメント
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