温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

鬱蒼を・・・

2012-08-10 | 俳句、なぁーんちゃって
森のなかで道に迷う。鬱蒼(うっそう)とした森を彷徨っているうちに腹が減り、喉も渇いてくる。周りにはまったくひとの気配もなく、人家も遠く離れているようだ。木洩れ陽だけでは、肌寒いくらいだ。小枝を踏みしめた音に驚き飛び立つ鳥の羽音が、逆にわたしを怯えさせる。遠くの繁みが揺れて、熊ではないかと一瞬凝固する。突然、といった感じで眼の前に階段が出現する。森の匂いのなかに草いきれが混じっている。助かった・・・ . . . 本文を読む
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湯の町や・・・

2012-08-03 | 俳句、なぁーんちゃって
火燈しごろにそぞろ歩くなら、歌などでは銀座だろうがやっぱり温泉町に限る。そぞろ歩きにうってつけの温泉町なら、まずは城崎温泉だろう。城崎の柳が夕風になびいてる情緒たっぷりの川沿いを、浴衣にタオル、下駄をからんころん鳴らして歩くのだ。夜の帳が降りるころ、燈篭に火が燈る。このころ、温泉町はわりと静かである。あれほど客であふれかえり賑わっていた通りも、宿の夕餉どきとあって静けさをいっときとり戻すのだ。赤提灯の出番もまだすこし早い . . . 本文を読む
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ひまわりよ

2012-07-27 | 俳句、なぁーんちゃって
ひまわりの花を好きになったのは、映画「ひまわり」を観てからのことだ。広いひまわり畑のようにいっぱいあればあるほどいい。旅先でひまわり畑などをみつけると、車を止めてしばらくみとれてしまう。映画で使われたヘンリー・マンシーニの曲が、まず頭のなかに静かに流れだす。「ひまわり」のシーンのあれこれを鮮やかに思いだし、時を忘れてしまう . . . 本文を読む
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匂い立つ夏

2012-07-20 | 俳句、なぁーんちゃって
子どものころ、腹を減らしたときやおやつ代わりに胡瓜をよく食べたものだ。よく冷やした胡瓜に縦に包丁をいれて半分にする。包丁がなければ手で折る。そのとたん、夏の季節が爆ぜてあたりを飛び交い、むせ返るように支配するのだ。その夏の<切り身>か折った断面に味噌をうすく塗ってポリポリと食べる。塩を軽く振って食べてもいい。至極簡単で素朴な食べ方だがけっこう旨い . . . 本文を読む
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残り雪

2012-07-13 | 俳句、なぁーんちゃって
雪景色は好きだ。しんしんと雪が降っているのを飽きずにただ見ているのもいい。雪見の露天風呂で、熱燗を呑むのも最高だ。太宰治の「津軽」では、津軽の雪として次の七種類が書かれている。こな雪、つぶ雪、わた雪、みづ雪、かた雪、ざらめ雪、こほり雪 この他にも、たま雪、はい雪、もち雪、べた雪なんていう呼び方もある。また、雪の異称として、雰囲気のあるとても美しい言葉もある。六花(ろっか)、天花(てんか)、風花(かざはな) 氷の結晶の集合体である「雪の結晶」は、この世界にひとつとして同じものはないというから、なんとも凄いではないか . . . 本文を読む
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出湯かな

2012-07-06 | 俳句、なぁーんちゃって
「うぅ・・・、ほぉ~。ふぅ~。あぁ~」いい温泉にはいると、思わず心の底から声がでてしまう。みるみる身体の強ばりがほどけていく。良い香りの、生まれたての温泉を、掬うように湯の中で腕に、脚に、首に揉みこむ。溜まった疲れも、じんわりと湯に溶けだしていく。涼しい風が火照った身体を冷ますようにわたっていった . . . 本文を読む
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蝶々の・・・

2012-06-29 | 俳句、なぁーんちゃって
暑い日には水の流れをみると、ほっとする。気分だけではなく、きっと周囲の気温が実際に下がっているのだろう。大王わさび農場の山葵田の上に架けられている木製の橋を歩いているとき、綺麗な蝶々をみかけた。それほど大きい蝶ではない。思い切り遠くから飛んできたのだろうか、ゆっくりと羽を休めているようで、近寄っても逃げない。その、あまりにも鮮やかな色合いにしばし暑さを忘れて見とれてしまった . . . 本文を読む
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山葵田を・・・

2012-06-22 | 俳句、なぁーんちゃって
不思議である・・・。いつもどおりの風なのに、広大な山葵田(わさびだ)をわたっていく風はどこか違うように感じる。いつもどおりの自分と違う、今日は旅人だからかもしれない。あるいは、きりりと辛い山葵田を洗う清冽な水の流れのせいかもしれない . . . 本文を読む
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浄土みつめて

2012-06-15 | 俳句、なぁーんちゃって
吉永小百合が出てくるJR東日本のCMが割と好きである。近頃、流れている宮古の「浄土ヶ浜」のを観て、震災からかなり復興したのだとホットしている。小型船で「青の洞窟」から帰ってくるとき、船の廻りを群れ飛ぶカモメにえびせんだろうか投げ与えているシーンの表情がとてもいい。野生のカモメのなかにも、群れから離れているヤツもいて、それがどうかするととても人懐っこかったりする . . . 本文を読む
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添いとげるのか

2012-06-08 | 俳句、なぁーんちゃって
酒田にある山居倉庫の佇まいには、なんともいえぬ、胸にグッとくる雰囲気がある。それには、強い日射し、烈風から倉庫たちを寡黙に守っている欅樹(けやきぎ)の存在が大きい。ただの倉庫の建物なのに、欅並木があるためか、いつまでも見飽きない。いつまでも心に残ってしまう風景である。 . . . 本文を読む
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