温泉クンの旅日記

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中山平温泉、うなぎ湯の宿(2)

2017-07-16 | 温泉エッセイ
  <中山平温泉、うなぎ湯の宿(2)>

 玄関ロビーから一番近い「長生の湯」へ次に向かった。



 内湯は先客がいなかったが後回しにして、右のドアを抜け足早に奥にある混浴露天風呂に行く。





 浴槽の手前で足の速度を落とす。もちろん長年、温泉巡りをやっているから混浴も初めてではない。好みでないだけだ。これが十数度目ぐらいか。
 見える範囲、つまり露天の右半分には先客はいない。よし。



 問題は女湯から真っ直ぐ正面に当たる左半分のほうである。



 二つ目の温泉だし、掛け湯を省略して湯に入り奥の方に足を進めていく。思ったより狭いので、女性がいたら怪しいがそそくさと会釈だけして引き返すつもりだ。いなかった。ホッと胸をなでおろす。
 女湯あたりの気配を剣士のように気にしながら湯船に身を沈めていく。なんか落ち着かないが、秘湯うなぎ湯ではこの温泉は外せないのだ。



 勘違いかもしれないが女湯に人の気配を感じて、慌てて内湯に戻った。



 懐かしい素朴な造りの内湯の熱い湯に身を沈めてなんとなく安堵感がもどってくる。
 そういえば冒頭に未踏破の温泉を眼の前にして死ぬなんてと書いてしまったが、中山平温泉は初めてではない。川沿いの宿に泊まったことがあるのだが、書いた記事をひっくり返しても見つからなかった。中山平温泉も名湯が犇めく鳴子温泉郷のひとつだから温泉のハードルが高すぎて、その宿はいまひとつだったのかもしれない。

 一度部屋に戻って小休止することにした。わたしが案内されたのは創業当時の部屋のひとつで、その後建て増しが何度も行われたので景観だけは損なわれたそうだ。広さは十畳くらいあり、トイレも付いているのでまったく問題ない。

 冷たい水を飲みながら備え付けの宿の案内書をみると、この時間にもうひとつの湯に入れそうだ。えーい、勢いだ。いってしまおう。
 二階の奥にある「石橋(しゃっきょう)の湯」である。



 温泉の濃密具合が物凄い湯だ。わたしには、まるで北海道道南の「がごめ根昆布」を一晩水で戻したような温泉に思えた。



 このぬめりでは、温泉の百戦錬磨を秘かに自負するわたしが滑るのも無理はないか。


  ― 続く ―


   →「中山平温泉、うなぎ湯の宿(1)」の記事はこちら
   →「青荷温泉(2)」の記事はこちら
   →「鳴子温泉、名湯の宿(1)」の記事はこちら
   →「鳴子温泉、名湯の宿(2)」の記事はこちら


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