温泉クンの旅日記

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米沢、東光の酒蔵(1)

2016-06-08 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <米沢、東光の酒蔵(1)>

 通り道の米沢で酒蔵見学をしていくことにした。



 このまま真っすぐ上山の「原口蕎麦」に行くとドンピシャリのランチタイムになってしまう。少し時間を潰していったほうがいいと思ったのだ。米沢牛の店も赤湯辛みそラーメンの店も近いが今日は蕎麦と心に決めているのだ。
 雪国米沢は良質な米と、山から湧き出る豊富な水に恵まれ酒造りに適した土地である。



「東光」のブランド名で知られる小嶋総本店は、いまから四百年余り前、慶長二年(1597年)創業の歴史ある酒蔵でなんと二十三代も続いている。
 米沢藩上杉家御用酒屋で、飢饉のたびに禁酒令が出たときでさえ酒造りを許されたという。慶長二年といえば秀吉が十四万の大軍で二度目の朝鮮出兵をした年(慶長の役)だ。京都の老舗にも引けをとらない老舗である。

 駐車場から入口に向かうと、わたしのすぐ眼の前にタクシーが止まった。
 後部ドアが開き中年男性が二人降りて建物のなかに入っていく。どうやら酒蔵もコースに入った観光タクシーのようだ。

(なんだ、無料じゃないんだ・・・)
 でも、入館料が大人で三百十円とそれほど目くじらたてるほどの金額ではまったくない。
 入口を入ると母屋(帳場)である。


 
 銭箱、電話、大福帳、そろばんなど昔の商家の備品が置かれている。
 すぐ右手には池がある風情ある庭園があった。





 池のある中庭に出たのは風流人だからではむろんない。なんとなく灰皿があったら一服したかったからだ。
「なんだ、いきなり試飲の日本酒が置いてあるぞ」



 帳場前の石貼りホールの中庭側に日本酒の酒瓶が置かれていて、さきほどの二人がさっそく喉を鳴らして呑んでいる。

(くぅ・・・タクシーだからいいよなあ)
 わたしは運転があるから無理。好きな缶詰を前にして他の猫たちが食べるのを、ただジッと指を咥えて眺めている心境である。 真に残念、無念の至極。

 奥に歩く。思ったより奥行きのある建物だ。千二百坪の敷地に五百坪の建物だそうだ。



 大樽の奥が仕込蔵だ。
 一棟百四十坪の東北で最大級の土蔵である。



「槽場(ふなば)」で熟成したモロミを酒袋に入れて酒槽(さかふね)に積み、圧搾して新酒と酒粕に分ける。




  ― 続く ―


   →「上山名物、原口蕎麦」の記事はこちら
   →「米沢、米沢牛特選ロースランチ」の記事はこちら
   →「赤湯辛みそラーメン」の記事はこちら

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