温泉クンの旅日記

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天童温泉、ほほえみの宿(2)

2016-11-13 | 温泉エッセイ
  <天童温泉、ほほえみの宿(2)>

 なにはともあれ目にもとまらぬ速さで浴衣に着替えると、タオルを引っつかみ一階の大浴場に急ぐ。



 さすがは天童、浴場の入口にもロビーで見かけたと同じ将棋盤と駒のセットが置いてある。
 脱がれたいくつか先客のスリッパをみつけて、一番じゃないのかよと少しテンションが下がった。マッサージ機が並ぶあたりから複数の女性の声が聞こえる。滝の湯は日帰りの温泉もやっているのだ。





 男性浴場の更衣室にはまったくひとの気配がなかったので、やれやれと安堵する。
 さて、大浴場を独り占めするか。
 男女の大浴場を合わせると千平方メートル(約三百坪)あるという。さすがに広い。




 
 明治十九年に用水確保のため井戸を掘ったところ微温水が湧きだして鎌田温泉と呼ばれていたのが、明治四十四年に高温の源泉がみつかり、大正十三年に天童温泉と改称されたそうである。



(天童と勾玉はなんか関係あるのだろうか・・・)
 勾玉みたいなのをみるとつい玉造温泉を思いだしてしまう。



 露天風呂は縦長で狭い。
 広い内湯よりこちらのほうが、多少泉質が良いようだ。
 (良かった。なんとか書けそうな宿だな・・・)

 過日、元同僚から「ずいぶん山形行っているのに、天童温泉の記事ってないのですね」というメールをもらった。ぐさりと痛いところを突かれた。
 元同僚はなかなか子どもに恵まれず夫婦ふたりで温泉巡りが趣味の、いわば同行の士である。訪れたい温泉地を決める際にわたしのブログも参考のひとつにしているらしいのだ。たしかに天童温泉については立ち寄り湯ぐらいしか書いていない。
 人気の高い宿で、溜まったポイントを投入したら手ごろな料金になる宿を選んだら「滝の湯」になったのだった。

 湯上りにも、客を微笑ますサービスが二つ用意されている。ひとつは生ビールの提供で、もうひとつは温泉玉子だ。



 源泉温度がだいたい七十度くらいなので、三十分くらいで温泉玉子ができあがる。土産物屋で玉子を受取り、この蓋をあけて源泉に沈めてから大浴場でゆっくり入浴すればでき上がる。
 玉子をつまみに生ビールという見事な寸法だ。ただ、まだ提供開始時間には早すぎたし、ビールは好みでないので、このサービスは辞退だ。

 大浴場近くの一角に、広重の東海道五十三次を元絵にした続き絵皿が飾られている。



 龍右衛門作の有田焼の皿である。



 思わず戸塚宿を探してしまった。



  ― 続く ―


   →「天童温泉、ほほえみの宿(1)」の記事はこちら
   →「玉造温泉(1)」の記事はこちら
   →「玉造温泉(2)」の記事はこちら


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