温泉クンの旅日記

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東海道五十三次(18)

2020-06-14 | 街道を歩く
  <東海道五十三次(18)>

   (18) 新居 ~ 吉田
      新居~32白須賀~33二川~34吉田
      8時間25分 38,568歩  18キロ

 東海道本線の新居町駅である。

 

 前に、東海道五十三次(14)でこう書いた。
<東海道をひとの身体にたとえるなら、頭の天辺がスタートの江戸日本橋で、足の先がゴールの山城国三条大橋、現在でいう静岡県は長い長い胴体にあたる>

 新居といえば、静岡が長い胴体ならば、愛らしいお臍を通り越し、もうブラジリアンカットのビキニボトムあたりまで到達していると言えるのである。静岡県は脱出目前、次の愛知県はすぐそこだ。ここで止めるテはない。

 昨日は午前も午後も雨だったので、やむを得ず移動オンリーとして豊橋駅近くの安宿(素泊まり三千九百円也)に泊まり朝早くここまで戻ってきたのだった。
 気分一新しての挑戦のため、新しい万歩計「ポケット万歩(YAMASAVEX-500)1,860円」を入手して気合も充分。
 さあ、今日はここからのスタートだ。
 
 右に歩きだしてすぐのところに、浜名街道を詠んだ句碑があった。
     「水のまんなかの道がまっすぐ」
 
 

 わたしの好きな放浪の俳人「種田山頭火」の句で、昭和14年に二度目の遠州路を旅した時だそうである。
 
 次に「新居関跡」の前を通りかかった。

 

 
 
 慶長六年(1601年)に徳川家康が設置、当時は今切関と呼ばれていた。箱根の関と同様に入鉄砲出女の取り締まりは特に厳しく、婦女子はここを避けて湖北を回る姫街道を通ったという。

 国道1号線に出た。
 建久元年(1190年)、奥州を平定し戦乱の世に終止符を打った源頼朝が上洛すべく東海道を上っているとき、湖西にあった橋本宿で歓待を受け数日宿泊。明応地震で水没してしまったが、「橋本千軒」と言われるほど栄えた宿場だったという。

 

 そのときにこの「風呂の井」の水を茶の湯に用いた。

 晴れているが、強風の向かい風で歩きづらい。

 

 道の駅「潮見」の標示をみて、朝メシがまだなのを思いだす。歩きはじめて二時間になる。行ってみよう。
 国道から2キロくらい外れた、海岸沿いに伸びるバイパスのところに道の駅があった。

 

 朝昼兼用としてカレーライス(640円)を食べることにした。

 

 この寄り道の判断が大失敗だった。
 道の駅から国道に合流できる道はなく来た道を往復することになってしまったのだ。車ならなんということもない距離だが徒歩だとこれがこたえる。
 この往復4、5キロの無駄な歩きが後悔を伴って覿面に足裏に直撃した。先ずは左足に痛みが、その後右足にも。最悪。

 前にも経験したこの状態を書いた文章である。

<片足だけなら、引きずってもなんどかリズムがつくれるのだが、両足を引きずって歩くのは辛い。(略)
 両足引きずってのウォーキングなんて聞いたこともない。まるで腰痛持ちか痔が突然再発した年配ドナルド・ダックのように不恰好に歩いていたら、オーマイガァーッド、足首まで痛くなってきてホント情けなくなってくる。>

 まったく同じ状態になってしまったのだった。

 誰もみていないし、ズルしてバスでも乗ってしまおうか。
 前方にあるあそこの空き地で作業している人がいる。近くにバス停あるか訊いてみるか・・・って、等身大の地蔵さまかいっ! 紛らわしー!

 
 
 あったー! バス停。

 

 ギョッ、朝7時台と夕方4時台の二本しか走ってないぞ。ここは、ど田舎か。
 ガックリ両肩を落すと、ズルはあきらめて、豊橋まで涙の行軍することにしたのであった。

 

 夜にズキンズキンする足の裏を確認してみた。足の裏の指の付け根のちょっと盛り上がっている部分、難しくいうと母趾内転筋横頭(ぼしないてんきんよこがしら)というらしい。左足のその部分に、千円札を三つ折りにしたぐらいの大きな肉刺がひとつ、右足の同じ部分に小梅くらいの肉刺が二つできていた。

 

 というわけで、今回は愛知県の豊橋まで。両足の肉刺のせいで、歩数の割にぜんぜん距離が伸びなかったのであった。
 挙句、帰って数日したら緊急事態宣言による行動自粛に入ってしまったので、再開したばかりで次が見えなくなってしまった。
 とにかく情けない<東海道歩き>だったが、胴体はクリアして太ももあたりまで到達したことには満足している。
 

  累計:34宿(次) 日本橋より73里(289キロ) 所要日数:21日
  所要時間:82時間30分 
  歩数:468,342歩 実際に歩いた距離320キロ 
  交通費:56,610円
  宿泊費:14,340円(三泊累計)



   →「東海道五十三次(17)」の記事はこちら
   →「東海道五十三次(14)」の記事はこちら

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