温泉クンの旅日記

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読んだ本 2011年3月

2011-04-03 | 雑読録
  <読んだ本 2011年3月>


「な、なんと・・・」

 灯りのないマンション群・・・まるで廃墟みたいだ。東電による計画停電だが、今日のこの地区は夕方六時二十分から十時という最悪の時間帯である。



 どの窓からも灯りがこぼれていない。ローソクとかキャンドルを使用しているのだろうが真っ暗である。

 ふと、いつか観た映画の「寅さん」のセリフを思い出した。

  『・・・夜汽車の中、いくらも乗っちゃいねえその客もみんな寝ちまって、なぜか
   俺一人いつまでたっても眠れねえ・・・。
   真っ暗な窓ガラスにホッベタくっつけてじっと外を眺めているとよ、遠くに灯り
   がポツンポツン・・・。
   あ-、あんな所にも人が暮らしているんだなあ・・・。汽笛がポーッ、
   ポーツ・・・ピーッ。
   そんな時よ、そんな時、なんだかわけもなく悲しくなって、涙がポロポロと出た
   りするのよ・・・』

 夜・・・「ひとの暮らし」と「灯り」とは、とにかく、切っても切り離せないものである。
 
 エレベーターが使えないので螺旋状の非常階段を登っていく。



 カンッカンッカンと鉄階段だから足音が建物に響く。
 ぐるぐる廻って登っていくので、いまどのくらいの階にいるのかわからなくなる。ひとの家のドアの前にそーっと立ち、階数を確認して、まだ八階かとまた登って行くのだった。



 ローソクの淡い灯りの中で、寒さに着脹れた格好をして、ポータブル・ラジオの音楽を聞きながら早めの通電再開を願ってチビチビお湯割りを呑む・・・ライフラインの大事さ、いやいやとくに電気の「アリガタミ」をしみじみ感じてしまった。

 ところで大震災の被害ですが、食器が数枚とわたしの大事なアナログテレビが壊れてしまった。テレビ台に置いてあっただけなので、地震で振り回されたのだと思う。ざあざあ砂嵐の画面でまったくなんにも映らない。



「いい加減、地デジを買えということじゃないの・・・」
 周りは勝手なことをいう。ああ、あともう少し6月ころまで頑張って欲しかった。震災以降、小売業は売り手市場になってしまいすこしだけ腹が立つ。

 まともに観ている番組はいくつもないのだから、とにかくしばらく辛抱しよう。
 でも、紀行とか旅番組をまるで観れないという状況というのは、ちょっとなんだなあ・・・。

 二週間ほどウェブのFM放送とラジオで過ごしていたが、この前の日曜に、思いきって購入したのであった。



 さて読んだ本ですが、今月は9冊、累計で23冊。なかなかいいペースである。

 1.○さまよう霧の恋歌(上) 高橋治 新潮文庫
 2.△麻薬運河        アリステア・マクリーン 早川書房
 3. ○蘇えるスナイパー(下) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
 4. ○さまよう霧の恋歌(下) 高橋治 新潮文庫
 5. ○ホワイトハウス・コネクション  ジャック・ヒギンズ 角川文庫
 6. ○復讐の血族       ジャック・ヒギンズ 角川文庫
 7. ○鬼平犯科帳21     池波正太郎 文春文庫
 8. ○そうだ、ローカル線、ソースカツ丼  東海林さだお 文春文庫
 9. ○鬼平犯科帳20     池波正太郎 文春文庫

 鬼平シリーズを二十四巻から読んでいたら、知り合いからDVDが廻って来た。鬼平34枚、剣客商売10枚のDVDをこの二月、三月で観てしまった。まさしく痛快時代ものであり、画像の方もなかなかに面白かった。

「蘇えるスナイパー」だが、面白くなる下巻で、主人公の老スナイパーが敵方に捉われ強烈な死の拷問を受ける。それに耐え脱出するわけだが、その捉われるのも、すべて最初から想定した行動だった、というのはいかにも無理過ぎた。二重丸は付けないが、でもまあ面白かった。

「さまよう霧の恋歌」だが、少々かったるい。下巻を読んでいる途中で、東日本大震災が発生して、どうにもこういうすこしテーマが「恋」という甘ったるい本に集中できなくなってしまう。
 だが、格調高い文章で高橋治ワールドには引き込まれ、舞台である福井の平泉寺というところには行ってみたくなってしまった。

 ジャック・ヒギンズの本を読んでから、ウィスキーしか選択肢がないような場合、アイリッシュ・ウィスキーを好んで呑むようになった。ずっと前の話だが・・・。


  →「読んだ本 2011年2月」の記事はこちら
  →「遥かなる家路」の記事はこちら

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