温泉クンの旅日記

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向島百花園(2)

2014-07-06 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <向島百花園(2)>

 水甕のなかで蓮の花が元気そうに咲いていた。



 柏の樹が、こちらも元気で艶やかな葉をいっぱいたくわえて小さな木下闇をつくっていた。柏餅に使うにはちょっと大きすぎるようだ。



(こんな静かで落ち着いた時間を過ごせて・・・たった百五十円とは凄い)
 所定の喫煙場所に戻って、一服しながら思う。



 茶店に戻って、さきほど眼をつけていた抹茶をいただく。



 添えられているのは野菜の砂糖漬けである。なんとなく、今日だけは羊羹のほうが嬉しかったのだが。結構なお服加減のお茶であった。
 佐原鞠塢が所有していたといわれる福禄寿が祭られている、趣のある「福禄寿尊堂」だ。



 鞠塢(きくう)には、江戸文壇の巨匠である蜀山人をはじめ多くの文人仲間がいた。彼らが集ううちに、鞠塢が所有する福禄寿を使って七福神ができないかという話になった。
 多門寺の毘沙門天、長命寺の弁財天、弘福寺の布袋尊、三囲神社の大黒天と恵比寿まではよかったのだが、どうしても寿老人がみつからない。



 思案をこらした結果、百花園近くの白髭神社に目をつけた。
 白鬚というからには、祭神は老人に違いない(いわゆる洒落というやつだ)。最後の寿老人は白鬚神社ということで、七福神が完成した。



 以来、全行程一里の隅田川七福神めぐりは、向島での初詣や散策に格好のコースとなったのである。

 白髭神社を出ると、墨堤通りを向島方面に歩く。このまま歩いて浅草まで行く心づもりである。
 途中で腹が減ってきた。小さいおにぎりを二個しか食べていない。国道沿いならラーメン屋か喫茶店でもみつかるだろう、と国道六号に向かった。

 途中の料亭街あたりで、まだ陽も高いというのにやっている居酒屋があり、客が次々と吸い込まれるように入っているのをみつけ、方針変更して暖簾をくぐってしまった。
 赤霧島の焼酎の水割りを注文して、メニューをみると焼きそばがあった。それだけでは格好が悪いので、ウニと焼きそばを注文する。メニューは驚くほどなんでも安い。



 ウニはけっこうな量で、積丹で死ぬほど喰って以来だった。焼きそばも海老の味と香りが利いた上モノであった。



 赤霧を二杯呑んだところで、「タクシードライバー」という珍しい酒をみつけて切り替える。岩手の純米原酒である。ロバート・デニーロが主演した映画は好きで、「タクシードライバー」は十回くらい観ている。
 原酒二杯で、勘定をしてもらった。なにしろ完全アウェイで原酒は危険きわまりない。

 千鳥足で浅草駅方向に適当な路選びで歩いていたら「三囲神社」の前に出てしまった。なんと七福神のうち今日は三つをこなしたことになる。



 機会があって残り四つをめぐるようなら、さきほどの居酒屋にいってみよう。もっとも路を覚えていればの話だが。


  →「向島百花園(1)」の記事はこちら

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