<正統派のへぎそば>
松之山から国道117号線で十日町に向かう。
途中に、こちらもへぎそばの有名店「由屋」が左にあるが、本日はまっすぐに十日町の「小嶋屋」に直行だ。
昨日、塩沢の牧之通りで不味い蕎麦を食った。新潟は今日でおしまい。だからできれば長野に向かいたいのだが、このまま帰ると<新潟>と<不味かった蕎麦>が「ワンセット」で記憶にしばらくでも残ってしまう。だから旨い蕎麦を食べにいくのだ。
小嶋屋なら何度も食べているので間違いない。鉄板の蕎麦である。
街にはいってしばらく走って、左折すると十日町駅という本町交差点を過ぎると、もうすぐである。
小嶋屋の前で、裏の駐車場に入れるため右折しようと一旦停止するが、長野方向の車線がつまっていて右折できない。
片側一車線の狭い国道なので、わたしの後ろにも車が溜まりはじめる。
あきらめて、路地を左折して見つけたスーパーの駐車場に停めて店に急ぐ。
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店の前にこそ客の列はないが、店内にはいるとすでに八、九割がた席が埋まっている。裏の駐車場用からも出入り口があるからだ。
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座敷の狭い二人用の席に案内される。どうやら、テーブル席はお年寄り優先にしているようだ。こちらに文句はない。
お茶を飲みながら、ゆっくりとメニューに目を通す。
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「へぎそばを一人前で」
まずは、当然のこと、へぎそばである。
頼んでから、メニューを再度広げる。うぅむ・・・コシヒカリのおにぎりがあって、なんともそそられる。一皿二個か・・・。今日はそんなに運転しないし、食べるか。
通りかかった女性店員についつい追加注文をしてしまう。
蕎麦は盛りつける容器によって笊(ざる)であれば笊蕎麦だし、せいろであればせいろ蕎麦、皿であれば皿蕎麦のように、一般にその呼び名が変わる。
へぎそばは、盛り付けられた容器をへぎと呼ぶことからきている。へぎは「剥ぎ(はぎ→へぎ)」が訛ったもので、剥ぎ板で作った四角い器である。そこに、戸隠のぼっち盛りのように、一口程度の量に丸め束ねて盛りつけるのだ。
蕎麦の特徴として、つなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使っている。織物に使っていた「ふのり」を誤ってそば粉に落としてしまったのが、へぎそばの始まりとも言われているそうだ。当時この地方には一般的なつなぎとなる小麦を栽培していなかったことも原因しているのだろう。
さて、先に運ばれた蕎麦つゆをいつものようにほんの少し啜って味わっていると、蕎麦が届いた。
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なにも付けずに少量を味わう。
雪解けの冷たい地下水できりりと締められた蕎麦の、そのしなやかで喉越しのいいこと、この上ないものである。ひさしぶりに喉が喜んでいるのがわかる。
蕎麦の鮮度にこだわって、厳選した玄そばを店側として面倒な石臼挽きにより自家製粉している。蕎麦の実の、殻以外はすべて粉になる。その「挽きぐるみ」蕎麦だからこそ、とても香りと味が良い。
次につゆを少量付けていただく。
つゆも、昨日のようなヘナチョコで弱腰なものではなく薫り高く澄み切って味わい深く、たとえ天ぷらを浸しても意に介さぬほど力強い。
それから薬味をいれて、本腰いれて食べる。
もともと、へぎそばの薬味は刻み葱と、ワサビがなかったためカラシであった。最近ではワサビが流通しているのでワサビの店が主流である。
蕎麦を食べている途中でおにぎり到着。
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おにぎり一個の大きさが思ったより大きい。一個が成人男性のご飯茶碗一杯分あるのではないか。
具は、たらこと梅。ご飯はさすがコシヒカリ、海苔も具も厳選された上等なものだ。残すには惜しい旨いおにぎりなので、なんとか食べきった。
蕎麦もおにぎりも、さすが新潟だ。どちらも旨い。よし、昨日のことはすべて払拭されたぞ。
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せっかくなので、駐車場へ行くまえに、目抜き通りを十日町駅までぶらぶらと歩く。小嶋屋の店内と違って、こちらはがらがらであった。
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さあ、これで安心して長野に向かうとしよう。
→「牧之通り」の記事はこちら
松之山から国道117号線で十日町に向かう。
途中に、こちらもへぎそばの有名店「由屋」が左にあるが、本日はまっすぐに十日町の「小嶋屋」に直行だ。
昨日、塩沢の牧之通りで不味い蕎麦を食った。新潟は今日でおしまい。だからできれば長野に向かいたいのだが、このまま帰ると<新潟>と<不味かった蕎麦>が「ワンセット」で記憶にしばらくでも残ってしまう。だから旨い蕎麦を食べにいくのだ。
小嶋屋なら何度も食べているので間違いない。鉄板の蕎麦である。
街にはいってしばらく走って、左折すると十日町駅という本町交差点を過ぎると、もうすぐである。
小嶋屋の前で、裏の駐車場に入れるため右折しようと一旦停止するが、長野方向の車線がつまっていて右折できない。
片側一車線の狭い国道なので、わたしの後ろにも車が溜まりはじめる。
あきらめて、路地を左折して見つけたスーパーの駐車場に停めて店に急ぐ。
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店の前にこそ客の列はないが、店内にはいるとすでに八、九割がた席が埋まっている。裏の駐車場用からも出入り口があるからだ。
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座敷の狭い二人用の席に案内される。どうやら、テーブル席はお年寄り優先にしているようだ。こちらに文句はない。
お茶を飲みながら、ゆっくりとメニューに目を通す。
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「へぎそばを一人前で」
まずは、当然のこと、へぎそばである。
頼んでから、メニューを再度広げる。うぅむ・・・コシヒカリのおにぎりがあって、なんともそそられる。一皿二個か・・・。今日はそんなに運転しないし、食べるか。
通りかかった女性店員についつい追加注文をしてしまう。
蕎麦は盛りつける容器によって笊(ざる)であれば笊蕎麦だし、せいろであればせいろ蕎麦、皿であれば皿蕎麦のように、一般にその呼び名が変わる。
へぎそばは、盛り付けられた容器をへぎと呼ぶことからきている。へぎは「剥ぎ(はぎ→へぎ)」が訛ったもので、剥ぎ板で作った四角い器である。そこに、戸隠のぼっち盛りのように、一口程度の量に丸め束ねて盛りつけるのだ。
蕎麦の特徴として、つなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使っている。織物に使っていた「ふのり」を誤ってそば粉に落としてしまったのが、へぎそばの始まりとも言われているそうだ。当時この地方には一般的なつなぎとなる小麦を栽培していなかったことも原因しているのだろう。
さて、先に運ばれた蕎麦つゆをいつものようにほんの少し啜って味わっていると、蕎麦が届いた。
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なにも付けずに少量を味わう。
雪解けの冷たい地下水できりりと締められた蕎麦の、そのしなやかで喉越しのいいこと、この上ないものである。ひさしぶりに喉が喜んでいるのがわかる。
蕎麦の鮮度にこだわって、厳選した玄そばを店側として面倒な石臼挽きにより自家製粉している。蕎麦の実の、殻以外はすべて粉になる。その「挽きぐるみ」蕎麦だからこそ、とても香りと味が良い。
次につゆを少量付けていただく。
つゆも、昨日のようなヘナチョコで弱腰なものではなく薫り高く澄み切って味わい深く、たとえ天ぷらを浸しても意に介さぬほど力強い。
それから薬味をいれて、本腰いれて食べる。
もともと、へぎそばの薬味は刻み葱と、ワサビがなかったためカラシであった。最近ではワサビが流通しているのでワサビの店が主流である。
蕎麦を食べている途中でおにぎり到着。
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おにぎり一個の大きさが思ったより大きい。一個が成人男性のご飯茶碗一杯分あるのではないか。
具は、たらこと梅。ご飯はさすがコシヒカリ、海苔も具も厳選された上等なものだ。残すには惜しい旨いおにぎりなので、なんとか食べきった。
蕎麦もおにぎりも、さすが新潟だ。どちらも旨い。よし、昨日のことはすべて払拭されたぞ。
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せっかくなので、駐車場へ行くまえに、目抜き通りを十日町駅までぶらぶらと歩く。小嶋屋の店内と違って、こちらはがらがらであった。
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さあ、これで安心して長野に向かうとしよう。
→「牧之通り」の記事はこちら
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