温泉クンの旅日記

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鶴見線、国道駅

2018-05-13 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <鶴見線、国道駅>

(なんだここは・・・・・・!)



 まるで昭和初期の異空間へタイムスリップしてしまったようだ。とても同じ横浜の地とは思えない。



 国道駅は1930年(昭和5年)開業の風情がそのまま残る構内である。改装は一切されず、建設当時のままである。



 上を走る鉄道車両の荷重を支える梁は、その当時に流行したアールデコ調の建築様式だ。



 いわゆる鉄ちゃんではないと自分では思うのだが駅の写真をわりとよく撮る。だからきっとカルい撮り鉄なのだろう。横浜に長く住んでいるからこの駅の存在はしっていた。あの世界のクロサワが「野良犬」という映画をここでロケしたと聞いて、ついに背中を押されて足を運んだのだが、なるほど一見の価値はあった。

 スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、クリント・イーストウッドなど、名だたる欧米の映画監督たちに大きな影響を与えた黒澤明は完全主義者であった。
「羅生門」では、質感を得るために墨汁を混ぜた水を大量に降らせて、冒頭の豪雨のシーンをつくりあげた。
 台本に「晴れの日」と書いてあったら、晴れの日しか撮影しない。「山つつじの花盛り」と書いてあったら、撮影する間、一日で枯れる山つつじを山から採ってきて、延べ二週間トラック十五台分を地面に植えさせた。
 極めつけなのは「天国と地獄」で、電車の窓からほんの一瞬映りこむ民家の二階が気にいらない。邪魔だ。壊して撤去して撮影後に元通りにする、といって助監督に説得にいかせたということである。


 
 国道駅は京浜東北線の鶴見駅から鶴見線でひと駅、線路にして一キロに満たない距離を東海道線や京浜東北線などを跨いで高架で走行する。国道駅を出て鶴見川を渡ると電車は地上に降りる。



 簡易改札機が設置された無人高架駅で、利用客はだいたい一日千五百人くらいだそうだ。





 外壁右角の中段の凹凸は機銃掃射の銃弾の痕である。
 駅名の「国道駅」だが、鶴見線と京浜国道(現在の第一京浜国道=国道15号、当時の国道1号)が交わるところの駅ということから名づけられた。



 焼き鳥屋が一軒あって旨そうな匂いを構内にふりまいていたが、どこかしら一見客には入りにくい雰囲気があった。



 この場所だが、テレビドラマも「華麗なる一族」、「時効警察」、「白夜行」、「男女七人秋物語」などのロケ地になっているそうである。



   →「クロサワと達磨寺」の記事はこちら
   →「驛(1)」の記事はこちら
   →「驛(2)」の記事はこちら
   →「驛(3)」の記事はこちら


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