<読んだ本 2016年5月>
たまに先輩OB達との飲み会の幹事をやることがある。
そんなときにはだいたい北海道系の酒場を選ぶ。北海道料理を嫌いなひとはあんまりいないし、ラーメンサラダという奥の手もある。
四人ならひとつ、六人ならふたつ頼めば、安い割にテーブルが賑わうからだ。
だいたい酒飲みはポテトサラダかマカロニサラダくらいしか食べないものだが、案外ラーメンサラダも受けるのである。
それと塩辛載せて食べるジャガイモを頼めば、高い魚介系料理は少しくらいですむから、酒代の予算に割り当てることができるのである。二時間ほどしてから誰かの「この一杯でラストにしよう!」が始まり、そこからラストが延々と続く飲兵衛ばかりなのだ。
ある日、新橋駅でお金をおろそうと銀行に向かって歩いていると、どこかで見たことあるような雰囲気の店が眼にとまった。
「おにやんま」って、あの五反田の行列する立ち食いうどん屋と同じ名前だ。衝撃的に旨かった立ち食いうどんだったが、それもその筈で、店主は琴平にあった伝説の名店「宮武」で修業したそうである。
せっかくだ、食べていくか。半端な時間だが、うどん一杯くらいは入りそうな腹具合である。
券売機で天ぷらうどんの切符を買い、店内に入る。
入ってすぐのカウンターに切符を出して、天ぷらうどんを受取って奥に進む。
五反田は十人入らないくらいだが、この新橋店は三十人くらい入れそうな広さであった。
肝心の天ぷらうどんだが、不味くないのだがどこか違うような気がした。やっぱりチームワーク抜群で一見がむしゃらにみえて、手練の早業、無駄のまったくない動きで働く師匠筋の五反田のほうが数段旨い気がした。
さて、5月に読んだ本ですが今月も少なめの6冊、累計で33冊でした。
1. ○美女二万両強奪のからくり 縮尻鏡三郎 佐藤雅義 文芸春秋
2.○流(りゅう) 東山彰良 講談社
3. ○夜桜 吉原裏同心十七 佐伯泰英 光文社文庫
4. △さらばカタロニア戦線 (上) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
5. ○修羅走る関ヶ原 山本兼一 集英社文庫
6. ○無宿 吉原裏同心十八 佐伯泰英 光文社文庫
寂しいことに今月は◎印の本が一冊もなかった。「さらばカタロニア戦線」にいたっては上巻を読んでちっとも面白くなる兆しがなかったので投げてしまった。中途半端で投げられるのは図書館読みだからこその強みである。
「修羅走る関ヶ原」は分量だけは読みごたえはあった。
石田三成だが、「大一大万大吉」の旗指物が有名だが意味がわからなかったが、この本で理解できた。
『大は天下のことである。一人が天下のために、天下が一人のために尽くせば、みなが幸せになるとの願いを
込めた紋である。』
つい、保険学者マーネスが引用してラグビーなどで有名な「One for All, All for one」を思いだしてしまった。
この本だが関ヶ原合戦の当日の人間模様を、さまざまな人物の視点から描いている。
蒲生郷舎(がもうさといえ)の章に書かれている言葉がわたしには印象的だった。
『この世の中でおのれの意思で動かせることは、存外少ないものだ。人はおのれの意思で生きて動いている
気がしても、しょせんは世の大きな趨勢に流されて生きている泡沫に過ぎまい。』
これは古の関ヶ原合戦のことだけではなく、現代社会でも充分通用するような気がした。
「流(りゅう)」は、前評判の割にあまり面白くなかったのだがなんとなぁーく最後まで見てしまった映画のような感覚である。
『人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長してはいけない部分があると思う。
その混合の比率が人格であり、うちの家族に関して言えば、最後の部分を尊ぶ血が流れているようなのだ。』
どうしたって成長できない部分がいまだたっぷりと多いわたしには非常に耳が痛い。
→「五反田、ガード下のラーメンとうどん」の記事はこちら
→「読んだ本 2016年4月」の記事はこちら
たまに先輩OB達との飲み会の幹事をやることがある。
そんなときにはだいたい北海道系の酒場を選ぶ。北海道料理を嫌いなひとはあんまりいないし、ラーメンサラダという奥の手もある。
四人ならひとつ、六人ならふたつ頼めば、安い割にテーブルが賑わうからだ。
だいたい酒飲みはポテトサラダかマカロニサラダくらいしか食べないものだが、案外ラーメンサラダも受けるのである。
それと塩辛載せて食べるジャガイモを頼めば、高い魚介系料理は少しくらいですむから、酒代の予算に割り当てることができるのである。二時間ほどしてから誰かの「この一杯でラストにしよう!」が始まり、そこからラストが延々と続く飲兵衛ばかりなのだ。
ある日、新橋駅でお金をおろそうと銀行に向かって歩いていると、どこかで見たことあるような雰囲気の店が眼にとまった。
「おにやんま」って、あの五反田の行列する立ち食いうどん屋と同じ名前だ。衝撃的に旨かった立ち食いうどんだったが、それもその筈で、店主は琴平にあった伝説の名店「宮武」で修業したそうである。
せっかくだ、食べていくか。半端な時間だが、うどん一杯くらいは入りそうな腹具合である。
券売機で天ぷらうどんの切符を買い、店内に入る。
入ってすぐのカウンターに切符を出して、天ぷらうどんを受取って奥に進む。
五反田は十人入らないくらいだが、この新橋店は三十人くらい入れそうな広さであった。
肝心の天ぷらうどんだが、不味くないのだがどこか違うような気がした。やっぱりチームワーク抜群で一見がむしゃらにみえて、手練の早業、無駄のまったくない動きで働く師匠筋の五反田のほうが数段旨い気がした。
さて、5月に読んだ本ですが今月も少なめの6冊、累計で33冊でした。
1. ○美女二万両強奪のからくり 縮尻鏡三郎 佐藤雅義 文芸春秋
2.○流(りゅう) 東山彰良 講談社
3. ○夜桜 吉原裏同心十七 佐伯泰英 光文社文庫
4. △さらばカタロニア戦線 (上) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
5. ○修羅走る関ヶ原 山本兼一 集英社文庫
6. ○無宿 吉原裏同心十八 佐伯泰英 光文社文庫
寂しいことに今月は◎印の本が一冊もなかった。「さらばカタロニア戦線」にいたっては上巻を読んでちっとも面白くなる兆しがなかったので投げてしまった。中途半端で投げられるのは図書館読みだからこその強みである。
「修羅走る関ヶ原」は分量だけは読みごたえはあった。
石田三成だが、「大一大万大吉」の旗指物が有名だが意味がわからなかったが、この本で理解できた。
『大は天下のことである。一人が天下のために、天下が一人のために尽くせば、みなが幸せになるとの願いを
込めた紋である。』
つい、保険学者マーネスが引用してラグビーなどで有名な「One for All, All for one」を思いだしてしまった。
この本だが関ヶ原合戦の当日の人間模様を、さまざまな人物の視点から描いている。
蒲生郷舎(がもうさといえ)の章に書かれている言葉がわたしには印象的だった。
『この世の中でおのれの意思で動かせることは、存外少ないものだ。人はおのれの意思で生きて動いている
気がしても、しょせんは世の大きな趨勢に流されて生きている泡沫に過ぎまい。』
これは古の関ヶ原合戦のことだけではなく、現代社会でも充分通用するような気がした。
「流(りゅう)」は、前評判の割にあまり面白くなかったのだがなんとなぁーく最後まで見てしまった映画のような感覚である。
『人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長してはいけない部分があると思う。
その混合の比率が人格であり、うちの家族に関して言えば、最後の部分を尊ぶ血が流れているようなのだ。』
どうしたって成長できない部分がいまだたっぷりと多いわたしには非常に耳が痛い。
→「五反田、ガード下のラーメンとうどん」の記事はこちら
→「読んだ本 2016年4月」の記事はこちら
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