温泉クンの旅日記

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金子みすゞを訪ねて (2)

2012-10-10 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <金子みすゞを訪ねて (2)>

 うん、そうか。やっと思いだした。



 あの同じタッチのイラストを、ちょうど今から二年前に下関駅のホームで見たのだった。ようやくすっきりする。

 みすゞの生家だが、思ったより広い。



 この家、言うならば屋敷である。



 台所とか風呂場とか厠とかをみると、当時かなり裕福な家だったように思える。





 肝心の記念館のほうに行ってみたら、ほとんどが撮影禁止であった。
 ただ、みすゞの詩だけはふんだんに楽しめるようになっていた。
 この日一番、気にいった詩がこれだ。

    「蜂と神さま」

   蜂はお花のなかに、
   お花はお庭のなかに、

   お庭は土塀のなかに、
   土塀は町のなかに、

   町は日本のなかに、
   日本は世界のなかに、
   世界は神さまのなかに。

   さうして、さうして、神さまは、
   小ちゃな蜂のなかに。


 くるりと蜂に戻ってくるところが痺れる。
 そろそろ腹が減ってきた。
 
 長門市仙崎は日本海に面した青海島と本土の両側にまたがる地域である。山口では下関に次ぐ水揚げ高の漁港をもち、イカ・アジ・ウニ・アワビなどの近海物の魚介類などを主に取り扱われ関西、九州方面に出荷されている。とくに剣先イカについては「仙崎イカ」のブランド名が名付けられるほど有名である。
 また蒲鉾の名産地、戦後の引き揚げ港としても知られている。
 ここ仙崎から車で十五分も走れば長門湯本温泉もあるから温泉好きにはたまらない。

 せっかくの仙崎である、昼はできれば地魚の刺身でも食べたい。
 観光客でなく地元客の多い店を選んだ。





(海の魚はかわいそう・・・こうしてわたしに食べられる・・・)
 ああ旨かったと満足して食べ終わったとたん、みすゞの「お魚」の詩を思いだしてしまった。でも食べる前でなかったのがせめてもの幸いであった。

    「お魚」

   海の魚はかわいそう。
   お米は人につくられる、
   牛は牧場でかわれてる、
   こいもお池でふをもらう。

   けれども海のお魚は
   なんにも世話にならないし
   いたずら一つしないのに
   こうしてわたしに食べられる。

   ほんとに魚はかわいそう。





  →「金子みすゞを訪ねて (1)」の記事はこちら
  →「長門湯本温泉(1)」の記事はこちら
  →「長門湯本温泉(2)」の記事はこちら


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